太陽光発電FIT終了

太陽光発電の最新売電価格・固定価格買取制度の更新情報をこちらの記事で解説しています。

太陽光発電のFITを解説[住宅用/低圧/高圧/特別高圧]

2020年度に行われたFIT制度の変化は、太陽光発電投資にも大きな影響を及ぼしました。投資用で人気が高い50kW未満の低圧区分は今後、余剰売電しか認められなくなったのです。

しかし、今からでも50kW未満低圧の発電所で投資を始める方法は残されています。

この記事では、50kW未満で太陽光発電投資をしたい人に向けて、太陽光発電投資で利益を上げる3つの方法を紹介します。

土地付き太陽光・風力発電の投資物件はタイナビ発電所へ。
特に人気のある物件は会員様限定のご案内です。

※会員限定物件が多数あります。

そもそもFITとは?

FITとは?

FITとは、再生可能エネルギーで発電された電力を、電気事業者が一定期間固定価格で買い取る制度です。ここでは、FITの仕組みやこれまでの動き、さらにFIT制度実施に伴う費用負担の問題について解説します。

FITの仕組みやこれまでの動き

再生可能エネルギー

FITは「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)」による固定価格買取制度です。電気事業者が電力を固定価格で買い取ることで再生可能エネルギーの普及を促す仕組みで、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの5種類の再生電力を対象としています。

これまでFITは再生可能エネルギー、特に太陽光発電の普及拡大に大きな役割を果たしてきました。しかし、太陽光発電が一般市民にまで広がったことで、大きな転換期に入りつつあります。

2017年4月には改正FIT法が施行され、事業計画の確認やメンテナンスの実施を求めるなど、制度の見直しが行われました。いまでは250kW以上の太陽光発電設備については入札で調達価格が決められるようになりました。

FIT廃止の背景にある一般消費者の負担増加

負担金

FIT制度変更の背景には、太陽光発電の普及に伴う負担金の問題があります。

FIT制度は2009年に住宅用の余剰売電を対象としてスタートし、2012年には産業用10kW以上の発電設備もFITの対象となりました。一般的に再生可能エネルギーは従来の火力発電などに比べると発電コストが高く、それが普及の妨げになっていました。しかし、FITによって高価格での売電が可能となったことで、一気に普及が進む結果となったのです。

ただし、FIT制度による買取費用は、実は再エネ賦課金として電気料金に上乗せする形で家庭や企業などの電力消費者が負担しています。つまり、FITの高い売電価格は、電力消費者の支払う再エネ賦課金あってのものということです。

この再エネ賦課金による負担額は、再生可能エネルギーの普及に伴い増え続けています。標準的な家庭における負担額は2012年度では年間700円代でしたが、2019年度は年間約1万円にまで上昇。今後もしばらくは再エネ賦課金の負担は増大する見通しです。

増大する費用負担に歯止めをかけるため、国はFIT買取の見直しと、再エネ発電を拡大するための新しい制度作りに取り組むことになったのです。

2020年度 FIT制度の売電に関わる変化

2020年に事業用太陽光発電のFITが終了すると見込まれていましたが、2020年度は250kW未満の太陽光発電にFIT価格が適用されることになりました。しかし、発電区分によっては入札になったり条件が厳しくなったものもあります。

  • 10kW以上50kW未満の低圧発電所は「余剰売電(地域活用要件を満たした設備)」のみFIT適用可
  • 50kW以上250kW未満の高圧発電所は「全量売電」可能
  • 250kW以上は入札制で売電価格が決まる

FIT法改正までに認定を受けた案件や稼働済みの案件はFIT制度変更の対象外のため、従来通り、固定価格での売電が可能です。

FIT制度が変わると太陽光発電投資はどう変わる?

太陽光発電投資

ここでは、FIT制度が変わることによって太陽光発電投資が受ける影響について、主な3つを説明します。

10kW以上50kW未満(低圧)は全量売電できない

2020年度から10kW以上50kW未満の太陽光発電でFIT認定を受けるには、「地域活用要件」を満たさなければなりません。

要件とは、自家消費率が30%以上、かつ、自立運転機能を備え災害時に活用できることと定められています。つまり、遠隔地での低圧投資が不可能だということです。

例外はあります。10kW以上50kW未満のソーラーシェアリングは、以下の要件のうち、どちらかを満たせば全量売電が可能です。

  • 災害時に電源として使用できること
  • 10年間の一時転用が認められること

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)とは、農地で作物を育てながら太陽光発電を行うことです。一時転用とは、農地で太陽光発電を行うための措置で、何度も更新するものです。

ただし、太陽光投資の20年間だけソーラーシェアリングを行うために農業を行うのは、リスクが大きいでしょう。さらに10年間の一時転用は、農林水産省が定めた条件を満たす必要があり、全量売電を目的とするならハードルが高すぎます。

「ついでに農業」のソーラーシェアリングは失敗する理由

結論を申し上げますと、10kW以上50kW未満の太陽光発電投資を今から新設することは難しくなりました。今から低圧太陽光で投資を始めるなら、既にFIT申請を済ませた投資物件を買うか、中古物件を検討してください。

FIT申請済み・中古再エネ物件はタイナビ発電所へ。
特に人気のある物件は会員様限定のご案内です。

※会員限定物件が多数あります。

250kW以上の太陽光発電は入札に

入札

高圧の太陽光発電所も、FITではなく入札制度の対象が広がっています。2020年度から250kW以上が入札の対象となりました。

入札制度とは、安く売電価格(調達価格)を提示した事業案件から順に落札できる仕組みです。落札価格がその事業におけるFITとなります。

太陽光で発電した電気の受け入れ容量(募集容量)は限られており、入札するためには売電価格を下げつつ収益をあげる工夫が不可欠です。

入札制度の難しさは、落札価格(売電価格)が入札まで確定できないことです。さらに最低落札価格も設定されているため、従来のFITに比べると、買取単価が大幅に安くなる可能性もあります。

事業用太陽光発電の入札価格推移

入札制度と聞くと利益を出すのが難しいかのように思われがちですが、決してそうではありません。以下に、これまでの太陽光発電の入札結果を紹介します。この入札価格でも、売電で利益を上げることは可能ということです。

第1回第2回第3回第4回第5回
上限価格21.00円/kWh15.50円/kWh15.50円/kWh14.00円/kWh13.00円/kWh
平均入札価格19.64円/kWh落札者なし
(入札額が上限価格を上回ったため)
15.17円/kWh12.98円/kWh12.57円/kWh

太陽光パネルを中心にシステム価格も下がっているため、低圧規模の太陽光発電と比較すると、高圧・メガソーラーは1kWあたりの価格が安い傾向があります。つまり、太陽光発電は規模が大きくなるほど投資効率が高くなるのです。

加えて、入札制度で成功している事業者は、自社で施工して費用を安くするなどの工夫を凝らしています。

余剰売電と全量売電、どう違う?

余剰売電と全量売電、どう違う?

太陽光発電で作った電気を電力会社に売る「売電」には、余剰売電と全量売電の2種類があります。

余剰売電は、太陽光発電で得た電気を自家消費したのちに残りを電力会社に売る方法です。自家消費しても電力が余る場合には、残りを売電すれば電気が無駄になりません。

国が定める余剰売電の対象は次の2つです。

  • 10kW未満の住宅用太陽光発電
  • 10kW以上50kW未満の産業用太陽光発電

10kW以上の太陽光発電は発電量の30%ほどを自家消費する地域活用要件を満たすことでFIT売電ができます。

50kW以上の産業用太陽光発電の場合は、太陽光発電で作った電気を電力会社に全部売ることができます。

余剰売電と全量売電、どっちが得?

2019年までのFITによる買取制度では買取価格の方が電気料金よりも高かったため、余剰売電でも利益は得られていました。しかし、昨今では電気料金が値上がりする一方で買取価格は下がる傾向です。そのため、余剰電力を売電せずに蓄電池に貯めておき、自家消費する方が得になるという考え方も支持されるようになりました。

2020年からは10kW以上50kW未満の太陽光発電も余剰売電の対象となっています。長期間運用できる太陽光発電ならではの利益は期待できますが、投資目的の場合は全量売電できる高圧を設置する方が良いでしょう。

50kW未満で余剰売電をする方法

50kW未満の太陽光発電も余剰売電の対象になったので、できるだけ利益を出せる方法を検討する必要があります。10kW以上50kW未満の太陽光発電に定められている条件は「発電した電気の50%までが買取対象」というものです。例え、晴天続きでたくさん発電しても買取対象の電気は半分なので、残りを自家消費しきれなければ無駄になってしまうでしょう。

売電できなかった余剰電力を無駄にせず使い切るには、蓄電池を導入して貯めておく方法がおすすめです。蓄電池に貯めた電気は急な停電時にも使えるので非常時の備えにもなります。

産業用太陽光発電は自家消費と売電、どっちが得?

産業用太陽光発電には、低圧(10kW以上50kW未満)と高圧(50kW以上)があります。どちらも売電による利益は期待できますが、低圧よりも高圧の方が規模に応じて利益幅は大きくなる可能性が高いでしょう。規模を大きくすることで初期費用が膨らむのが心配な場合は、FIT価格が高い中古物件を購入して費用を抑える方法もあります。

一方で、電気料金が値上がりしている昨今では自家消費型の太陽光発電が注目されています。売電単価よりも買電価格が高い場合、太陽光発電で作った電気を自家消費して電力会社から購入しない、または購入する電力量を減らす方法です。この場合は、売電よりも自家消費の方が得になるでしょう。

今後の太陽光発電投資で利益を出すには?

ここでは、2020年以降に太陽光発電投資で利益を出す3つの方法について紹介します。

太陽光発電投資

50kW以上高圧で全量売電する

50kW以上の高圧であれば2020年以降も全量売電が可能なので、発電容量を増やすというのも1つの方法です。

太陽光発電は規模が大きくなるほど、1kWあたりのシステム価格が安くなります。初期費用はかかるが発電量も多く、回収は難しいことではありません。

ただし、50kW以上の高圧設備には、管理のコストがかかる。キュービクルの設置や電気技術者の選任などの義務があり、費用が発生する点に注意しましょう。

初期費用も低圧に比べて高額になるので、事前に収支シミュレーションを行うことが重要です。

FIT認定済みの50kW未満低圧で全量売電する

2020年以降、10kW〜50kW未満の新規物件においては余剰売電しかできなくなりました。しかし、すでにFIT認定を取得している発電所なら、稼働開始から20年間FITで全量売電が可能です。

FIT制度は認定取得から稼働まで、数年間の猶予があります。土地の開発や工事などの期間を取るためです。つまり、2020年度までにFIT認定を取得した物件を入手すれば、2020年以降も50kW未満の低圧太陽光投資ができるのです。

高圧発電所やメガソーラーよりも安く始められるのが、低圧太陽光発電所の魅力です。認定済み物件を見つけるには、タイナビ発電所の物件を御覧ください。

土地付き太陽光・風力発電の投資物件はタイナビ発電所へ。
特に人気のある物件は会員様限定のご案内です。

※会員限定物件が多数あります。

稼働済みの中古太陽光発電で全量売電する

太陽光発電

中古の太陽光発電システムを利用して全量売電することは、投資家にとってメリットが大きい。FIT認定取得済み物件と同様に、FIT取得時の価格で売電が可能だからです。

また、中古の設備であれば、すでに稼働しているため発電量の予想がしやすい。工事の必要もないため、購入後、すぐに売電収入を得られる。

中古に出ている太陽光発電所の質は?

中古というと、「発電量が少ないために売却したのではないか」といったネガティブなイメージをお持ちかもしれません。

しかし、売却の理由に挙がってくるのは「事業の都合で現金を増やしたい」「本業に投資するため資金をまとめたい」「事業所の移転で管理ができなくなる」など、太陽光発電システムそのものの問題ではないケースが多いのです。

査定時に実物を見ているため、修繕の必要性やこれまでの点検履歴も明らかです。

中古物件を探すには、タイナビ発電所の物件検索をご利用ください。利回りやエリア、予算や信販の利用など柔軟な絞り込み検索が可能です。

FIT廃止前に太陽光投資を始める 2つの理由

価格
FIT廃止が検討される中、これから太陽光発電投資を始めることをためらう人もいるかもしれません。しかし、太陽光発電に投資するならむしろ今がチャンスです。ここでは、FIT廃止前に太陽光発電投資を始めるべき理由について説明します。

理由①FIT認定を受けておけば20年間は固定価格で売電できる

太陽光発電投資売電

これから太陽光発電投資を始める場合でも、FIT廃止前に認定を済ませておけば、問題なくFIT制度を利用して売電できます。法改正前までにFIT認定を受け、稼働していれば、従来通り20年間FITの固定価格が適用される見通しとなっているからです。

逆に、太陽光発電投資を検討しているなら、法改正が行われる前にFIT認定済みの物件を確保しておくべきといえます。

FIT認定を受けるには事業計画書の認定手続きが必要であり、経産省から事業計画の認定を受けて初めて調達価格が決定します。

産業用(事業用)太陽光発電のうち、250kW以上の設備ではすでに入札で買取価格が決まるため、FIT価格は関係ありません。一方、50kW以上250kW未満の高圧案件は全量売電でもFITの固定価格が適用されるため、FIT制度を利用するならこちらの案件が狙い目です。

理由②FIT認定を受けた投資物件がプレミア化する可能性がある

太陽光発電投資

FIT認定を受けた投資物件の資産価値が上がる可能性があることも、このタイミングでの太陽光発電投資をおすすめする理由の1つです。

前述したとおり、FIT廃止前に認定を受けた太陽光発電施設は、20年間固定価格での売電が可能です。

FIT価格は年々下がっているため、投資物件としての価値に不安を覚える人もいるかもしれません。しかし、2019年度は買取価格こそ下がったものの、初期費用を抑えることで想定表面利回りは10%程度を維持しています。

想定表面利回りとは、「年間想定売電収入÷工事価格×100」で求められる利回りの予測値のことです。つまり、FIT価格が下落したといっても、FIT認定を受けた物件については、投資対象としての価値は十分にあるといえるのです。

特に、FIT廃止後については、価値の高い20年売電権つきの投資物件がプレミア化し、中古市場が盛り上がる可能性があります。そうなれば売電による収入だけでなく、土地付き太陽光発電を転売したときの転売利益も見込めるでしょう。

太陽光発電投資を始めるならタイナビ発電所へ登録しよう

2020年のFIT改正により10kW〜50kW未満の全量売電はできなくなるが、50kW以上の高圧であればFITで全量売電できます。また、FIT認定取得済みの物件や中古物件であれば、低圧も認定時のFIT価格で売電できます。

タイナビ発電所へ会員登録すれば、高利回りの非公開物件や人気の物件販売セミナーに関する最新情報の入手が可能です。少しでも有利な条件で太陽光発電投資を始めたい人にはおすすめです。

土地付き太陽光・風力発電の投資物件はタイナビ発電所へ。
特に人気のある物件は会員様限定のご案内です。

※会員限定物件が多数あります。