太陽光発電投資を検討する人は知っておくべきメリット・デメリット

太陽光発電投資は特有のメリットがあり、デメリットもある。投資を検討する前に、事業としての太陽光発電がもつ特性を知っておこう。ここでは、太陽光発電の基本的な長所と短所、リスクの解決策について解説していく。

太陽光発電投資のメリット

FIT制度(固定価格買取制度)を利用した太陽光発電投資には、さまざまなメリットがある。

メリット① 平均10%前後の高利回り

太陽光発電投資は、高い利回りが特徴だ。太陽光発電の投資商品の1種で「土地付き太陽光発電」があるが、土地購入代とシステム購入・設置費用を含めても、利回りが10%を超える物件が珍しくない。

利回りの高さは、投資回収期間が短いという意味である。

例えば、1500万円の利回り10%物件を自己資金で購入した場合、年間150万円の利益になるので、10年間で投資費用を回収できる。11年目にはパワコン交換が必要になる他、経年劣化による発電量低下するため、20年間で収益3,000万円にはならないものの、約2,650万円の収益になっている。

また、同じ1,500万円で利回り10%の物件を、自己資金500万円と1,000万円の20年ローンで購入しても、20年後には1424万円程度の収益になる。

こうしたシミュレーションができるのは、太陽光発電投資の収入源である「固定価格買取制度」により、20年間の売電価格が約束されているからだ。20年以降の売電価格については未定だが、固定価格買取制度が終了した頃には初期投資を回収した上に利潤があるため、投資の上では問題ない。

売電が一切できなくなる展開というのは考えづらいものの、早く投資回収を済ませて中古市場に売るのも1つの手だろう。

投資回収期間が短い物件を選ぶテクニック〜実質利回りの計算方法〜

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メリット② ローリスクで投資できる固定価格買取制度(FIT)

太陽光発電の利回りは、固定価格買取制度(FIT制度)で裏打ちされている。この制度は、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの普及拡大を目的に、2012年に設立された。固定価格買取制度で太陽光発電投資を行えば、20年間は同じ価格で電気を売ることができるのだ。

太陽光発電発電システムを設置し、経済産業省エネルギー庁の認定を受けて電力会社と売電契約を結ぶことで、収入が得られる。

固定価格買取制度の最も大きなポイントは、売電できる価格と期間を国が約束することだ。この制度によって20年間の収入がシミュレーションできるようになり、銀行や政策金融公庫などの金融機関の融資が通りやすい。

もちろんシミュレーションにも限界があるが、太陽光発電が普及したことで蓄積されたデータにより、予測精度は向上している。数々の企業が太陽光発電を導入し、金融機関が融資していることが、固定価格買取制度と発電シミュレーションへの信頼性を表しているとも言えるだろう。

メリット・デメリット徹底比較! 不動産投資 VS 太陽光発電投資

将来的に太陽光発電を撤去するとしても、かかるコストは売電価格に反映されている。つまり、太陽光発電投資は、設置から廃棄までの費用と利潤が得られるよう、あらかじめ設計されているのだ。金銭計画にかかわるリスクが仕組みによって対策されている、稀有な投資先なのである。

メリット③ 節税制度を個人事業・中小企業が使える

太陽光発電は、生産性を向上できる機械装置として節税制度の対象になる。ただし、売電の方法(全量売電、余剰売電)や発電所の容量によって、適用できる措置内容が異なる。税制度の概要はほぼ毎年変わるので、常に最新情報を確認しておこう。

余剰売電の10kW以上産業用太陽光発電の節税制度[2018年更新]

  • 中小企業経営強化税制 ※2019年度末まで
  • 生産性向上特別措置法 ※2020年度末まで

全量売電の太陽光発電は、中小企業経営強化税制の対象外だ。FITを適用せず売電を一切しない「自家消費用」が対象になる。太陽光発電の電気を使いながら売電する「余剰売電」は、個別ケースにより判断が分かれる。

生産性向上特別措置法については、自治体がそれぞれ対象と措置内容を決めている。一般的に全量売電を対象外とする向きが強いが、例外である可能性もゼロとは言えない。念のため、太陽光発電の所在である自治体に問い合わせておくのが良いだろう。

いずれも青色申告をする個人や法人(中小企業等)が対象である。税金や手続きの知識は重要だが、確実性と手間を考えれば税理士に代理を依頼するのが良いだろう。

太陽光発電は消費税還付(消費税を納税する代わりに設置時にかかった消費税が返ってくる)が使えるが、損得の判断をつけるためにも、税理士への委託を検討すると良いだろう。

太陽光発電投資のデメリット

魅力的な太陽光発電投資だが、やはりデメリットもある。デメリットの解説と、なるべく投資リスクを減少させる方法についても解説する。

デメリット① 天候の影響で収益に差がでる

太陽光発電の最大のデメリットは、天候や天災が収益に影響をもたらすことだ。具体的には次の事柄が挙げられる。

  • 発電量(売電量)がコントロールできない
  • 天災で設備破損のうえ、賠償責任が問われるリスクがある

日没時間は予見できるが、天候の変化は人の手でコントロールできないのが問題だ。太陽光発電で最大出力が出せるのは、気温や気候の条件が揃った限定的なシチュエーションに限られる。  

そして、太陽光発電が受けがちな天災は、地震と津波、大雪だ。太陽光発電は雨に降られても平気だが、浸水すれば壊れてしまう。強風で吹き飛ばされた太陽光発電が近隣に被害をもたらせば、賠償責任を問われる可能性がある。何の補償も無ければ、収支シミュレーションが台無しになりかねないだろう。

太陽光発電にとって、自然のエネルギーは収入源でもあり、最大のリスクとも言えるのだ。

解決策:保険と発電量増のテクニック

太陽光発電投資は、20年間という限られたFIT期間中にどれだけ発電量を稼げるかがカギだ。日が昇りかけた早朝や夕方、曇りがかって日照が少ないときも発電できるように設計するのが望ましい。その方法が、「過積載」だ。

過積載のイメージグラフ

過積載は、太陽光モジュールの出力がパワーコンディショナーの出力を大幅に上回るように設計する。これにより、日照が弱い状況下でもモジュールの物量により発電量を稼げるのだ。太陽光発電所の稼働率を上げる方法として、政府も推奨しているテクニックである。

太陽光モジュールは世界的に値下がりしており、大量に設置しても利回りに悪影響はない。投資物件として売られているものは、ほぼ過積載が行われている。

天災による被害は損害保険でカバーできる。破損した太陽光発電が他者に害を与えたときの補償は、賠償責任保険だ。台風は毎年起こるが、1年のうち影響があるのは数日間のこと。保険で備えれば十分だ。

そして、発電所への被害を抑えるなによりの方法は、施工を適切に行うことである。脆弱な設備が近隣に被害をもたらせば、太陽光発電のメンテナンス会社による、物件引き渡し前のセカンドオピニオンが有効だ。

デメリット② FITが終わる20年後はどうする

太陽光発電の最大メリットである固定価格買取制度(FIT)だが、投資を始めてから20年後の予定は全く見えていない。これは、長期投資の上で大きなデメリットと言える。

政府が目標とする太陽光発電のコストは、2030年までに1kWhあたり7円であり、火力発電よりコストが低い。そのため、安価な電力を仕入れたい電力会社は、電力の供給元として太陽光発電の買い取りは続けると予想される。つまり、売電というシステムが無くなるとは考えにくい。

とはいえ、電力会社へのいくらで売電できるか分からないため、太陽光発電投資で20年後の利益は予想できない。FIT後の太陽光発電は、ランニングコストと売電収支が相殺するか、赤字になる可能性すらある。

そのため、投資家は20年後の売電収支に期待するのではなく、 FITが適応される20年間で初期費用をシステムの処分費用を回収して利益を出すのを考えたほうが良い。20年後の利益に関しては、太陽光発電システムの劣化を鑑みて、細く長く続ける投資先でいられるかを20年後に再検討すればよい。

解決策:短期で投資回収、もしくは中古市場へ売却

FIT後の展望について、投資家ができる選択肢は2つだ。短期間で投資費用を回収するか、太陽光発電の中古市場へ流すかである。

2030年までに発電コストが7円になるのは目標値で、確定ではない。将来に備えて、利回りの高い太陽光発電を所有し、なるべく早く投資費用を回収するのが最も良い。

次に、太陽光発電の中古市場(セカンダリーマーケット)だ。発電所全体を売りに出すため、施工状況や発電実績、機器の管理状況が買取額を左右する。

節税のために買い、将来的に売却することも検討しながら、土地付き太陽光発電を購入した方も居る。

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デメリット③ 出力抑制

出力抑制は、電力の消費量より供給量が多いと判断されたときに、系統に接続している各発電所の発電量を抑える措置のことだ。その判断は電力会社が下し、出力抑制の優先順位(優先給電ルール)が高い電源から順に行われる。太陽光発電の優先順位は低いものの、一時的に売電できなくなる可能性はある。

実際の出力抑制は、2015年から九州の離島で実施されている。特に種子島が多く、続いて壱岐、徳之島だ。出力抑制の実績は電力会社により随時公開され、電力広域的運営推進機関により適切であったかの検証が行われる。

九州電力:2018年3月の再生可能エネルギー出力制御実績

なお、出力抑制のルールや上限は、系統接続する電力会社などによって異なる。各電力会社のルールを確認しながら、立地選びをすることも可能だ。ただし、現段階では、離島など電力の受給において特性がある環境以外の実施は、非常に稀なことである。

解決策:出力抑制で失う利益を保証する保険がある

出力抑制がかかる条件を見れば、事業計画への影響はほとんどないと言えるだろう。それでも不安があれば、保険(出力抑制保険)を使って補償することができる。

出力抑制によって予測される損失額と、保険料の兼ね合いで判断するべきだろう。保険に加入して、リスクへの備えが十分だと判断されれば、融資に良い影響をもたらす可能性もあるためだ。

太陽光発電をしないデメリット、FITと電気料金の事実

太陽光発電投資は、なぜ売電価格が保証できるのか? 利回りが高いのに安定の投資先と呼ばれるのはなぜか? この仕組みを理解したとき、太陽光発電で投資しないことそのものをデメリットだと感じるだろう。

ポイントは、電気料金に対して高額なFIT価格を維持できる、お金の流れについての知識だ。

固定価格買取制度が始まったとき、太陽光発電は1kWhあたり40円で買い取る義務が電力会社に生じた。しかし、一般的な消費者が契約する電気料金は1kWhあたり25円前後で、企業が大口契約する電力はもっと安い。つまり、電力会社からすれば、電気の売価よりも太陽光発電の買取価格のほうが、はるかに高額だということになってしまう。

この差額は電力会社の損失ではなく、電力を使う全ての国民が電気料金と共に支払っているのだ。太陽光発電を導入している、していないの区別はない。

自宅で使う電気料金に、再エネ発電賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)という項目があるのをご存知だろうか? 毎月の電気料金と共に支払い、毎年値上がりしているこの再エネ賦課金が、太陽光発電投資の利回りを支えているのだ。

そして、固定価格買取制度を用いた再生可能エネルギー発電所が増えるごとに、賦課金の負担は増していく。発電事業者ならFITの利潤と相殺できるが、そうでなければ支払いが増えるのをただ眺めるほかない。

例えば、ひと月の電気使用量が369kWh(※1)ならば、1070円/月(※2)の再エネ賦課金を支払うことになる。この額であれば、太陽光発電投資の利潤と相殺した上で儲けを出すことは、十分に可能だ。

※1:1世帯当たり電気資料量

(出典)平成24年度 エネルギー使用合理化促進基盤整備事業 (待機時消費電力調査) 報告書

※2:東京電力管内、2018年5月分から2019年4月分までの2.90円/kWhで計算

国の制度で利益を得るか、制度を支える立場で居続けるかは、個々の判断にまかせるとする。ただし、再エネ発電賦課金の負担増はかねてより問題視されている。FITへの参入ルールがいつまでも維持されるとは限らないことは、念頭に置いたほうが良いだろう。

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