太陽光発電,ケーブル盗難

太陽光発電所のケーブル盗難被害が連日報道ニュース等で報じられており、太陽光発電事業者の中で大きな関心事となっております。

しかも、近年では加入している自然災害保険では盗難がカバーできなくなっており、銅線ケーブルが盗まれた場合は大変大きな損失を被るケースが多発しております。

タイナビ発電所を運営するグッドフェローズの保有物件でも2024年で2件もケーブル盗難被害があり、復旧する為に約半年程度の時間がかかり、半年分の売電ロスが出ました。

では、太陽光発電所を保有する事業者にとっては、どのような盗難対策すればよいのか??

どのエリアが盗難が多いのか?保有する発電所の潜在的な盗難リスクを知る必要があります。

非FIT発電所の購入を検討している需要家や電力会社は、NONFIT市場をしっかり理解した上で、優良案件を見つけるために本記事を最後までお読みください。

本記事は、全国各地の中古発電所の査定・買取・販売経験豊富なプロが最新のケーブル盗難事情を解説し、 最後の章では盗まれない対策や盗まれても経済的損失を最小限にする最新の盗難対策「タイナビ災害補償サービス」について詳しく解説しますので、最後までお読みください。

盗難被害にあいたくない方や、被害があった場合でも安心したい方は必見です!

既に太陽光発電所を保有している方は、是非参考にしてください。

太陽光発電所のケーブル盗難が深刻化する背景と要因

太陽光発電所のケーブル盗難の背景

深刻化する発電所のケーブル盗難問題

近年、太陽光発電所をターゲットとした金属ケーブルの盗難が全国的に増加しています。

特に関東地方では被害が顕著で、昨年から今年6月までの1年半で全国で9,522件の被害が報告されました。この問題は太陽光発電所だけでなく、地域のエネルギー供給や経済活動にも悪影響を及ぼしています。

ケーブル盗難被害の現状と統計データ

警察庁のまとめによると、2023年の陽光発電施設におけるケーブル盗難件数は全国で5,361件に達し、2024年1月から6月の間だけでも4,161件が発生しています。

特に茨城、栃木、群馬、千葉などの関東地方に集中していますが、三重県でも目立つようになりました。盗難による直接的な損失額に加え、発電停止による売電収入の損失は甚大で、推定で数億円に上るケースもあります。

近年の金属価格の高騰が引き金に

ケーブル盗難が増加した背景には、銅やアルミなどの金属価格の高騰があります。

特に銅価格は2020年以降急激に上昇しており、2021年には約1トンあたり10,000ドルを超えました。これは、2018年頃の価格(約6,000ドル/トン)と比較して約67%もの上昇を記録しています。

こうした背景により、銅は窃盗犯にとって魅力的なターゲットとなり、リサイクル市場や闇市場で高値で取引される状況が犯罪を助長しています。

犯罪の手口と組織化の進展

ケーブル盗難は、複数人による組織的な犯行が主流となっています。

窃盗犯は夜間に無人の発電所に侵入し、特殊な工具でケーブルを切断、盗難車両を使用して迅速に持ち去る手口を取ります。一部では、不法滞在の外国人グループが関与していることも確認されており、国際的な犯罪ネットワークの存在が指摘されています。

防犯対策の不足が狙われる理由

多くの太陽光発電所では、防犯対策が不十分であることが被害を拡大させる一因となっています。

ケーブル保護がされていない施設や、フェンスの高さが不十分な場所が狙われやすい傾向があります。また、山間部に設置された無人施設は目撃者が少なく、犯行のリスクが低いと見なされています。

最新の銅価格とその影響

2025年時点でも銅価格は依然として高水準にあります。

国際市場での取引価格は1トンあたり8,700ドル前後(約140万円)程度で、窃盗犯にとって金銭的な動機がさらに強まっています。

日本国内では盗難ケーブルが金属買い取り業者や闇市場を通じて流通していることが判明しており、法整備や取引監視の強化が急務です。

太陽光発電所の盗難ケーブル被害による影響とは?

の盗難ケーブル被害

近年、太陽光発電所での盗難ケーブル被害が全国的に増加により、太陽光市場全体に多大な影響を与えています。

被害件数は増加の一途をたどり、盗難被害による修復費用や発電停止に伴う損失は甚大です。ケーブル盗難が引き起こす具体的な影響と、それが市場全体に与える波及効果について掘り下げます。

ケーブル盗難被害の直撃:保険の対象外となる場合

太陽光発電所のケーブル盗難被害は、保険で補償されないケースが多いという現実があります。

一般的な火災保険や損害保険では、ケーブル盗難は特約がない限り補償対象外とされています。このため、運営者は修復費用や設備交換の費用を全額自己負担しなければなりません。特に大規模発電所の場合、数千万円に上る損害が発生することもあり、防犯対策の重要性が高まっています。

過去の動産保険には盗難がカバーされておりましたが、近年の盗難被害拡大により盗難がカバーされなくなっており、多くの発電事業者は頭を悩ませております。

ケーブルの素材転換による影響

銅ケーブルに代わる素材として、アルミケーブルが注目されています。

アルミケーブルは銅よりも安価であるため、盗難リスクの軽減に一定の効果が期待されています。しかし、アルミは銅に比べて耐久性や電導性が劣るため、長期的な使用に課題が残ります。また、既存の設備をアルミ仕様に変更するためのコストや技術的ハードルも無視できません。

一部の発電所ではアルミケーブルの導入が進んでいるものの、盗難犯が依然として銅ケーブルを狙い続けている現状を考えると、根本的な解決には至っていません。

中古発電所の価値下落の問題

盗難被害を受けた太陽光発電所は、中古市場での価値が大きく下落する傾向にあります。

被害歴のある発電所は、修復履歴や再発リスクを懸念され、購入者の間で敬遠されがちです。この結果、評価額が約10~30%下落するケースもあります。さらに、資金調達や売却計画が難航し、事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

被害がもたらす市場全体への影響

ケーブル盗難被害は、発電所運営者だけでなく、再生可能エネルギー市場全体にも影響を及ぼします。

例えば、修理や防犯対策の追加費用が業界全体の運営コストを押し上げる要因となります。また、盗難リスクが高い施設と見なされることで、投資家や買い手の信頼が低下し、市場全体の活性化が阻害される懸念もあります。

では、どのような太陽光発電所が盗難ケーブル被害にあっているのでしょうか?

狙われやすい太陽光発電所の4つの特徴とは?

非FIT太陽光発電とは

近年、太陽光発電所を狙ったケーブル盗難被害が急増しています。

特に貴重な金属である銅ケーブルが高値で取引されることから、多くの発電所がターゲットとなっています。盗難による被害額は甚大で、修復費用や発電停止に伴う損失が発電所運営者にとって大きな負担となっています。

では、どのような発電所が狙われやすいのでしょうか?その特徴を4つに分けて解説します。

エリア特性:盗難被害が多い都道府県

ケーブル盗難被害は全国で発生していますが、特に被害が集中しているエリアがあります。

茨城県、栃木県、群馬県、千葉県などの北関東や関東エリアは、設置されている太陽光発電所の数が多く、広大な敷地を持つ施設も多いことから、盗難のターゲットになりやすい傾向があります。

2023年の警察庁データによると、これらの地域では年間数千件もの被害が報告されています。山間部や人目につきにくい場所に発電所が設置されていることも、被害が多い理由の一つです。都道府県別にみると、茨城県が1位で、弊社も同県内の発電所でケーブルが盗まれました。

特徴1:人目につきにくい立地

太陽光発電所が山間部や農村地帯に設置される場合、周囲に人が少なく、犯行が目撃されにくいという特性があります。

防犯カメラやフェンスが設置されていても、目撃者がいない環境ではその効果が十分に発揮されません。

具体例:ある発電所では、高性能な監視カメラが設置されていたものの、山間部に位置していたため映像が確認されるまで数時間が経過し、犯行を防ぐことができませんでした。

特徴2:防犯対策が不十分な施設

ケーブル保護がされていない施設、フェンスの高さが低い、警報装置やセンサーが未導入など、防犯対策が十分でない施設は特に狙われやすい傾向があります。

特に、フェンスが老朽化している場合は侵入が容易で、犯罪者のターゲットとなりやすいです。

具体例:老朽化したフェンスを利用して侵入した犯行グループが、わずか30分で数百メートルのケーブルを盗み去ったケースがあります。

特徴3:夜間照明が少ない

夜間に犯行が行われることが多いため、十分な照明設備がない施設は狙われやすいです。

暗闇を利用することで、犯罪者は目立たずに侵入しやすくなります。夜間照明が設置されていれば、犯行を抑止する効果が期待できます。

具体例:夜間照明を設置したある施設では、設置後に盗難被害が減少したと報告されています。

特徴4:メンテナンス不足や遠隔監視機器の未設置

定期的なメンテナンスが行われていない施設や、遠隔監視システムが導入されていない施設は、盗難リスクが高まります。

不具合が放置されることで、防犯設備が十分に機能しないこともあります。

具体例:ある発電所では、メンテナンス不足により防犯カメラが故障しており、侵入が容易になった結果、大量のケーブルが盗まれる被害に遭いました。遠隔監視機器を設置していれば、異常を早期に発見できた可能性があります。

では、一般的にどのような盗難対策があるのでしょうか?

太陽光発電所の一般的なケーブル盗難対策は??

ケーブル盗難対策

ケーブル盗難対策には様々な方法が考えられます。

盗難被害により修復費用や発電停止が発電所運営者にとって大きな課題となっており、効果的な防犯対策が急務となっており、一般的な防犯対策について解説します。

防犯対策1:防犯カメラの設置

防犯カメラは、犯行の抑止力として非常に効果的な対策です。

特に、夜間撮影が可能な赤外線カメラや、遠隔でモニタリングができるカメラを設置することで、犯罪者の心理的抑制効果を高めることができます。また、犯行が行われた場合でも映像を証拠として提供することが可能です。

具体例:赤外線カメラを導入した発電所では、犯行中にカメラが動きを検知し、警報を作動させることで被害を未然に防いだ事例があります。

防犯対策2:フェンスと警報装置の強化

高いフェンスや有刺鉄線を設置し、警報装置を組み合わせることで侵入を防ぐことができます。

フェンス単体では十分な防犯効果を発揮できないため、振動センサーや警報装置を追加することが推奨されます。振動センサー付きのフェンスは、侵入が試みられた際に即座に異常を検知し、警報を発する仕組みです。

具体例:振動センサーを設置した施設では、侵入直後に警報が作動し、犯行を未然に防いだケースがあります。

防犯対策3:夜間照明の設置

十分な夜間照明は犯行の抑止力として大きな効果を発揮します。

ソーラー式のセンサーライトや動作検知ライトを導入することで、敷地内の暗所を減らし、犯罪者が目立ちやすい環境を作ります。照明が設置されているだけで、犯行のリスクを下げることが可能です。

具体例:ある発電所では、夜間照明を追加設置した後、盗難被害が激減しました。

防犯対策4:遠隔監視システムの導入

遠隔監視システムは、異常を即座に検知し、迅速な対応を可能にする重要な防犯対策です。

インターネットを利用したリアルタイム監視により、施設の状況を常に把握することができます。また、記録データを保存することで、後日発生した問題の追跡や証拠提出にも役立ちます。

具体例:遠隔監視システムを導入していた発電所が、異常を検知後、迅速に警察へ通報できたことで被害を未然に防いだケースがあります。

防犯対策5:ケーブル素材の変更

ケーブルの素材を変更することも有効な盗難対策の一つです。

銅ケーブルの代わりにアルミケーブルを使用することで、盗難のリスクを大幅に低減できます。アルミは銅よりも市場価値が低いため、犯罪者にとって魅力が少ない素材です。

具体例:一部の発電所でアルミケーブルを導入した結果、盗難被害がほぼゼロになったケースが報告されています。ただし、アルミは銅に比べて耐久性や電導性が劣るため、導入には慎重な検討が必要です。

盗難ケーブル対策の総合的な導入の必要性はある?

太陽光発電所のケーブル盗難を防ぐには、複数の防犯対策を組み合わせた「多層的な防犯体制」が必要です。

防犯カメラ、フェンス、夜間照明、遠隔監視システム、ケーブル素材変更を組み合わせることで、最大限の防犯効果を発揮できます。また、防犯対策を実施する際は、定期的な点検やメンテナンスを行い、防犯設備が正常に機能していることを確認することも重要です。

しかし、このような一般的な盗難ケーブル対策は、侵入の抑止力を高める効果は期待できますが、現地に侵入されてしまった場合、ケーブルが簡単に切断されて盗まれるリスクを完全には排除できません。さらに、盗難被害に遭った際には、多くの場合保険が適用されないため、修復費用や設備交換費用を運営者が全額負担しなければならない点も大きな課題です。

では、盗まれない!盗まれても安心できる盗難対策はあるのか?

太陽光ケーブル盗難対策「タイナビプロテクター災害補償制度」とは?

タイナビプロテクター災害補償制度

タイナビ発電所を運営する株式会社グッドフェローズは、2025年2月にSolvvy株式会社と共同で5年間の「タイナビプロテクター災害補償制度」(免責金額0円の盗難補償付)を開発し、新サービスをリリースしました。

本サービスは、グッドフェローズが開発した切断が物理的に困難な金属製プロテクター「タイナビプロテクター」の設置とハザードリスク評価を掛け合わせることで、太陽光発電システムにおいて大きな課題となっている「自然災害」「ケーブル盗難被害」の被害拡大を防止します。

タイナビプロテクターとは?

タイナビプロテクター

物理的に導線ケーブルを切断できないように金属で覆ったプロテクターであり、2024年6月に開発しております。既に販売中の中古太陽光物件に試験的に設置して販売しており、タイナビプロテクター設置済みの発電所からの導線ケーブルの盗難被害はありません。

気になる導入コストも安価になっており、発電所の収益性を落とさずに導入する事が可能です。

タイナビプロテクター災害補償制度について

災害補償内容

本補償制度は、Solvvy社と共同で開発した補償サービスとなっており、災害補償やケーブル盗難補償がセットとなっており、免責金額0円且つ補償料もリーズナブルなため法人・個人問わず多くの方にお勧めの補償となっております。

本補償制度を取り扱い商社・販売店様や、自社発電所に導入を考えている事業者様は以下よりお問合せください。

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