投資シミュレーション

太陽光発電投資を検討している人は、どのくらいの利回りが見込めるのかを知りたいと考えているのではないだろうか。

高利回りをアピールしている販売業者もいるが、シミュレーションの結果が本当に正しいものなのか、疑問に思う人もいるかもしれない。投資で成功するなら、できるだけ正確なシミュレーションが必要といえる。

今回は、太陽光発電投資のシミュレーション方法について解説するので、ぜひ参考にしてほしい。

販売業者のシミュレーションはあくまでも大まかな数字

太陽光発電に投資する前段階では販売業者に出してもらったシミュレーション結果を参考にする人が多いだろう。売電収入の収支シミュレーションには明確な基準が定められていないため、シミュレーションのしかたによっては実際の収支と異なるケースも出てくる点に注意が必要だ。

発電量は天候によって変動する要素であるにもかかわらず、天候が良く発電量が多かった年の数値をシミュレーションに使ったとしよう。すると、例年の実績よりも多い売電収入が結果として算出されてしまうのである。販売業者の中には、意図的にそのようなシミュレーションをするところもあるようだ。

シミュレーションのしかたによって結果の数値には誤差が生じることを頭に入れておこう。必ず、算出の根拠を確認する必要がある。

また、シミュレーションを行うときは初期費用にくわえて、メンテナンスやローンの金利といったランニングコストも含めることが大事である。

シミュレーションの算出に必要となるコストを把握しよう

 
シミュレーション

太陽光発電の収支シミュレーションを行う場合、運営開始までにかかるコストだけでなく、開始後にかかるコストも含めて計算する必要がある。運営開始前と運営開始後で、それぞれどのような費用がかかるのかを以下で述べる。

発電開始までにかかるイニシャルコストは?

初期費用にはシステム費用や工事費、太陽光発電設備を設置する土地の造成費、その他の費用が含まれる。

システム費用とは太陽光パネルやパワーコンディショナ、架台など、太陽光発電に必要となる機器の費用である。工事費とは、取り付け業者が太陽光発電機器を取り付ける作業の費用だ。

太陽光発電設備を新設する場合は土地の埋め立てやコンクリート基礎、フェンスの設置といった土地造成費がかかる場合がある。農地から転用するケースなどでは土地が平らでなく、そのままでは太陽光発電機器を設置できないためだ。

上記に加えて、物件の仲介手数料や補助金など各種申請の代行手続き、施工後のアフターフォローなどにも費用がかかる。

売電開始後もランニングコストがかかることに注意

パワーコンディショナは10年程度で消耗するため、交換費用として数十万円が必要となる。発電しない夜間にはパワーコンディショナの電気代が発生する。さらに、4年に1回以上行う定期点検にも約2万円の費用がかかり、保証期間終了後や保証対象外の故障に関する修理費用も必要だ。

その他にクリーニングや除草の費用、ローン金利、減価償却費、固定資産税などもかかってくる。資源エネルギー庁の資料によれば、10kW以上の太陽光発電設備にかかる年間ランニングコスト(運転維持費)は1kWあたり約5000円とされている。

売電収入はどのくらい得られるのか?計算方法を解説

1kWあたりの売電収入を求める計算式は「売電単価×発電量(kWh)」である。売電単価と発電量を正確な数値で計算することが重要だ。

売電単価は事業計画の認定を受けた年度の単価(2019年度は14円)とする。発電量の求める計算式は次の通りだ。

Ep(年間予想発電量)=H(年平均日射量)×K(損失係数)×P(システム容量)×365(年間の日数)÷1(標準状態の日射強度)

日射量についてはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「日射量データベース閲覧システム」で調べることができる。

もっと簡単に売電収入を計算する方法も紹介しよう。

NEDOでは各地の年間予想発電量(1kWあたり)も公表しているため、その数値を参考にして売電収入を手軽に計算することができる。東京都で2019年度に50kWの太陽光発電設備を設置したとして計算してみよう。

14円(売電単価)×997kWh(東京都の1kWあたりの年間予想発電量)×50kW(システム容量)

1年間で69万7900円の売電収入と計算できる。ただし、このやり方では発電量の誤差やコストなどの細かい点が反映されないため、あくまでも目安と考えよう。

2019年度の買取価格で収支をシミュレーションしてみよう

シミュレーション

ここでは、2019年度の固定買取価格である14円で太陽光発電投資を始めた場合、どのくらいの利回りが見込めるのか、シミュレーションしてみよう。年間予想発電量はNEDOが公表している数値、1kWあたりのランニングコストは資源エネルギー庁の資料に記載された中央値(5000円)を基準とする。

自己資金で購入した場合の想定利回り

ここでは、自己資金で太陽光発電の物件を購入した場合の想定利回りについて解説する。例として、下記の条件における想定利回りを計算してみよう。

  • 初期投資:1194万円
  • システム容量:72.80kW
  • 場所:静岡県
  • 年間予想発電量:1246kWh(1kWあたり)

まずは売電収入を計算する。14円(買取単価)×1246kWh(年間予想発電量)×72.80kW(システム容量)=126万9923円と求めることができた。

次に、年間のランニングコスト(年間の運転維持費)を計算する。5000円(1kWあたり)×72.80kW(システム容量)=36万4000円と計算できた。

年間収支は126万9923円-36万4000円=90万5923円となる。すると、年間の想定利回りは90万5923円÷1194万円(初期投資)×100=約7.59%という結果になった。

融資を受けて購入した場合の想定利回り

ここでは、初期投資資金の調達手段が融資の場合を想定し、利息も含めて計算してみよう。条件は上記と同じとする。

  • 初期投資:1194万円
  • システム容量:72.80kW
  • 場所:静岡県
  • 年間予想発電量:1246kWh(1kWあたり)
  • 年間支払利息:16万円(仮に金利2%とした場合の利息)

年間の売電収入は、14円(買取単価)×1246kWh(年間予想発電量)×72.80kW(システム容量)=126万9923円となる。

年間のランニングコストは、5000円(1kWあたり)×72.80kW(システム容量)+16万円=52万4000円と計算できた。 よって、年間収支は、126万9923円-52万4000円=74万5923円になることがわかる。

この場合、年間の想定利回りは74万5923円÷1194万円(初期投資)×100=約6.25%となる。

太陽光発電はほかの投資と比べて利回りが高い?

太陽光発電に投資する場合は設備にランニングコストがかかるため、実際の利回りが予想よりも少ないように感じることもあるかもしれない。投資を行うときには利回りだけに注目せず、どのようなリスクが存在するかについても考える必要がある。

では、太陽光発電投資とその他の投資について、利回りとリスクを比較してみよう。

投資対象 利回り リスク
太陽光発電投資 中程度 20年間固定価格で売電できるため小さい
不動産投資 中程度 空き室や家賃下落などのリスクがある
株式投資 高い 価格変動による元本割れのリスクがある
投資信託 中程度 手数料や価格変動による元本割れのリスクがある
国債 低い リスクは小さいがインフレに弱い
FX 高い 価格と為替変動によるリスクが高い
仮想通貨 高い 価格の乱高下によるリスクが高い

太陽光発電投資の利回りは中程度であり、ほかの投資に比べて、特に低くも高くもない。しかし、利回りが中程度の不動産投資や投資信託と比較した場合、太陽光発電投資のリスクは小さいことはメリットといえる。

総合的にみれば、それなりのリターンをローリスクで得られる太陽光投資が投資として最も確実と考えてよいのではないだろうか。

正確なシミュレーションは信頼できる業者にお任せ

太陽光発電投資の収支シミュレーションをする場合、初期投資だけでなくランニングコストも考慮する必要がある。この記事で紹介した計算方法を使用して、どのくらいの利回りが見込めるのか、自分で計算してみるとよいだろう。

正確な数値を求めるシミュレーションを素人が行うのは難しいため、信頼できる業者に問い合わせてみることも必要である。タイナビ発電所では、厳選された優良企業とやり取り できるためぜひ利用してほしい。