太陽光発電業界は脱炭素の手段として大変注目されており、近年の電気料金高騰や自然災害による停電などにより個人・法人レベルで導入が加速しております。また、政府がエネルギーの非化石電源比率向上、エネルギーの分散化を目指す為に国・自治体レベルで大規模な補助金が出ております。
再エネ業界で働く方・働きたい方の多くが、世界で起きている脱炭素化・エネルギー問題などの社会問題をビジネスを通して解決し、世の中に社会貢献したいいう気持ちの方が多いのが現状です。そういった意味では、20代後半・30代以上で働く意義に社会貢献性を求める方の異業種からの転職が多いの事実です。
太陽光発電業界における営業職(セールス)といっても、実際にはさまざまな種類の仕事に分かれています。仕事内容やキャリアパスを照らし合わせ、 自分に合った働き方ができるかを検討することが大切です。
本記事では、太陽光発電の営業職における仕事内容や働きがいを業界側として詳しく紹介します。
これから再エネ業界(太陽光発電)への就業にご興味がある方、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電業界の営業職の種類
太陽光発電業界の営業職は、大きく分けて5つの種類があります。それぞれの仕事の特徴を把握してみましょう。
太陽光発電業界の5種類の営業職
太陽光発電業界の営業職は、「個人向け住宅営業」「法人向け産業用営業」「メンテナンス・保守営業」「商社営業」「投資提案営業」の5つに分類できます。
各職種の特徴をまとめると、次の通りです。
住宅向け営業
一般家庭向けに太陽光パネル・蓄電池の販売を提案する。お客様のニーズを理解し、メリットを伝えることが重要。
産業用営業
企業や工場など大規模な法人設備を持つ法人向けに、自家消費太陽光・蓄電池システムの導入を提案する。電力コスト削減やCO2削減(環境貢献の面)で付加価値を提供し、導入契約を獲得。
メンテナンス・保守営業営業
太陽光発電システムの点検やメンテナンスを提供し、長期的な顧客関係を築く。
緊急時の駆けつけ・製品の故障・トラブルなどの問題解決し、顧客満足度の向上がカギとなる。
商社営業
太陽光パネル・パワコン・架台・蓄電池等の周辺機器を販売店向けに卸売り営業、技術的な知識と営業スキルのバランスが必要。 特に太陽光業界は商品性能が向上しており、新製品がメーカーより毎年発表されている。特に海外メーカーの参入が多いのが特徴
投資提案営業
FIT中古太陽光発電所・NONFIT太陽光発電所を投資家・電力会社に対して提案する。太陽光発電所の利回り・回収期間・リスクなどを理解するだけでなく、部材・土地・メンテナンスなど太陽光に関する様々な分野に精通する必要がある。
上記のように、一口に太陽光発電の営業職といっても、担当する分野によって相手先や仕事内容は大きく異なります。 自分に合った営業職を選ぶためには、どのような分野で働きたいかをしっかりと考えることが大切です。
すべての会社に5つの太陽光営業職があるわけではない
太陽光発電業界の営業には「住宅向け営業」「産業用営業」「メンテナンス・保守営業」「商社営業」「投資提案営業」の5つの種類があるとお伝えしましたが、すべての太陽光関連会社にこの5つの営業職が揃っているわけではありません。
住宅向け太陽光営業の仕事内容
「住宅向け営業」は、一般家庭向けに太陽光パネルの販売や設置を提案する仕事です。主な仕事内容をまとめると、次のようになります。
・一般家庭に対する太陽光パネル・蓄電池の導入提案
・顧客の1年間の電気料金や屋根の大きさを理解して、太陽光導入容量を警官し、光熱費削減や投資回収期間・補助金の説明
・設置後のサポートやメンテナンスの手配
住宅向け営業では、お客様との信頼関係を築くことが重要です。お客様に対して太陽光発電システムのメリットや費用対効果を丁寧に説明し、 購入・設置に導く能力が求められます。また、設置後のアフターフォローもしっかり行い、長期的な信頼を得ることが大切です。 この分野ではシミュレーションソフトの制度が格段に高くなっており、提案レベルが容易になっているが、近年の電気料金高騰事情や各社の電気料金プランを 把握するなど、情報収集は特に必要である。
産業用太陽光営業の仕事内容
「産業用営業」は、企業や工場向けに太陽光・蓄電池システムを提案し、大規模なプロジェクトを担当する仕事です。 企業の経営者や工場長等の設備担当者に対して、導入による電力コスト削減やCO2削減効果を強調しながら、導入を促進します。
産業用営業では、以下のような流れで業務が進行します。
・現地視察及び企業ニーズのヒアリングと分析
・太陽光システムの提案と費用対効果の説明
・設置に向けた資材選定~調達・プロジェクト管理
この職種では、技術的な知識と営業力、さらには契約後のプロジェクトマネジメントスキルも必要であり、 提案時には製品メーカー・技術営業など一緒に提案する場合があります
メンテナンス・保守営業の仕事内容
「メンテナンス・保守営業」は、既に設置されている太陽光発電所のメンテナンスや修理を提案する仕事です。システムが長期にわたって最適に稼働するよう、定期的な点検や修理を行い、顧客満足度を向上させます。主な仕事内容は次のとおりです。
・太陽光システムのO&Mメニュー(定期点検と故障時の修理内容)の提案
・顧客に対する太陽光運用アドバイスやパワコン交換等の発電効率改善を目的としてアップグレード提案
メンテナンス業務では、技術的な理解と顧客対応力が重要です。トラブル発生時に迅速かつ的確に対応することで、顧客との信頼関係を築き、リピートや他のプロジェクトの管理案件を獲得することができます。
太陽光投資提案営業の仕事内容
T太陽光発電所を投資案件として主に法人向けに販売します。表面利回り・投資回収期間・減価償却などのIRRだけでなく、購入時のリスク(自然災害・故障・保険)をしっかり説明します。また、近年は電力会社向けにNONFIT中古発電所を販売する営業も増えております。
主な仕事内容は以下です。
・中古発電所の仕入れや用地の仕入れ
・仕入れた用地への太陽光発電所プロジェクトとして設計
・電力会社や投資家に発電所の提案
※企業により、仕入れと販売の営業を分けているケースがあります。
商社営業の仕事内容
「商社営業」は、全国の販売店・EPC・商社に対して、太陽光関連部材の卸売り販売を行います。
・商品説明~発注~納品までサポート
・取扱商品(太陽光パネル・遠隔監視システム・パワコン・架台・ケーブル・蓄電池等です)
取引先様から継続的注文を維持する為に、信頼関係やトラブル時の迅速な対応が求めら、全国を飛び回る覚悟が必要です。
太陽光発電業界のキャリアパス
太陽光発電業界の営業職では、成果に応じて収入が増えることが一般的で、優れた営業担当者は第一線で長く活躍できます。 また、経験を積むことで、事業部長や営業部長などのマネジメント職へ昇進する機会もあります。
再エネ業界は今後中長期的に伸びる市場であり、再エネ業界での業界経験はキャリアにとって大きなプラスになりますが、 今後はエネルギーマネージメントが主流になるので、太陽光だけでなく蓄電池の取り扱い経験が大きなキャリアになる可能性があります。
太陽光営業職のまとめ
太陽光発電業界の営業職には、住宅向け、産業用、メンテナンス・保守、商社営業、投資提案営業という5つの主要な種類があります。 各職種の仕事内容や求められるスキルが異なるため、自分に合った営業スタイルを見極め、長期的なキャリアを築いていくことが重要です。
これから太陽光発電業界での営業職にチャレンジする方は、自分に最適な働き方を見つけるために、しっかりと情報収集し、目指すキャリアパスを描いてみましょう。