太陽光発電と不動産は、どちらも高利回りで長期的な収益が期待できる投資先です。安定した利益が得られるという共通点もあるのです。
しかし、投資のために物件を購入するなら、利回りだけで選んではいけません。初期費用のほかにも、維持管理にかかるコストや将来性も含め、どちらが得なのかを総合的に比較検討する必要があります。
長期間保有する投資物件なので、投資を始める前に両者の特徴を知り、魅力ある投資先はどちらなのかを比較しましょう。
太陽光と不動産ではどちらのほうが儲かるのか?
投資の収益性を予測するには、表面利回りが参考になります。長期投資になるため、収益の安定性も重要なポイントになります。ここでは太陽光と不動産の表面利回りや収益の安定性を比較します。
表面利回りで比較する
表面利回りは、物件の購入費に対する年間収入の割合をいいます。諸経費や維持管理は考慮されていませんが、物件の収益性を比較する目安になるので参考にしてください。
不動産投資の表面利回りは、物件の規模や場所によっても異なるのが特徴です。例として、ワンルームマンションの場合、表面利回りは都心で4.5%程度、地方都市で4.8~5.9%程度となっています。地方の表面利回りが高いのは、不動産価格が安いからです。
太陽光発電投資の表面利回りは、平均10%前後となっています。表面利回りで比較すると、太陽光発電の方が高い物件がほとんどです。
収益の安定性で比較する
不動産投資の場合、都心は表面利回りは低い傾向にあります。とはいえ、交通に便利、周辺に商業施設が多い、教育環境が充実しているといった利便性が高い物件が多くなっています。利便性の高い物件は、空室リスクが少なく、安定した収益が期待できるのです。逆に地方では、初期費用が抑えられため表面利回りは高くなりますが、人口減少による空室リスクが懸念されます。
一方、太陽光発電投資の場合、収益は天候によって左右される面はあります。月単位では変動しますが、年単位で見れば大きな変動はないとされています。また、固定価格買取制度(FIT)により、20年間は売電価格が固定されています。安定した収入が期待できる点は大きなメリットでしょう。
太陽光発電は固定買取期間が終了する20年後の売電収入が不確定です。再生可能エネルギー電気の需要を見れば、0円ということは無いでしょうが、明確な見通しは立っていません。一方で、不動産は需要があれば長期で収入を維持できます。
また、停電による無収入リスクや、九州の離島を中心とした出力制御の所得制限リスクがあることも知っておく必要があるでしょう。ただし、停電や出力制御は短期間で収束するので、事業への影響は少ないでしょう。機器の故障には、保険で対応できます。
初期投資で比較する
初期投資にかかる費用は、物件によって幅があります。ここでは、一般的な首都圏のワンルームマンションと、最も投資用として選ばれている50kW未満の太陽光発電を例として挙げます。
物件購入にかかる費用や、初期投資回収までの期間を比較してみましょう。
物件購入にかかる費用
ワンルームマンションと太陽光発電で、物件購入にかかる費用や内訳を比較してみましょう。
ワンルームマンションの物件価格は立地や築年数によって異なります。
首都圏の物件なら、新築で2000~3000万円、中古で1000~1800万円くらいが目安となるでしょう。物件購入費のほか、不動産仲介手数料、不動産投資ローン事務手数料、火災保険料などの諸経費が物件購入費の1割程度かかります。
10kW以上50kW未満の投資用太陽光発電にかかる初期費用は、2016年通年の平均値で1kWあたり32.7万円程度です。50kWの設備であれば、初期費用は1600万円が目安となるでしょう。
初期投資回収までの期間
不動産投資では、初期投資を回収するまでの期間が20年以上といわれています。例えば、初期費用2000万円で利回り4.5%の場合は、年間の家賃収入は90万円なので回収期間は22年以上かかるのです。
さらに、維持管理費や空き室リスク、経年劣化による家賃の値下げなども考慮すると、回収期間はより長くなるでしょう。
太陽光発電投資では、初期投資回収までの期間が8~12年程度といわれています。例えば、初期費用が2000万円で、利回り10%の場合の回収期間はどうでしょうか。年間の想定売電収入は200万円程度となるため、初期費用は10年で回収できる計算です。
ただし、運用に必要な維持管理費を売電収入から差し引くと、10年程度かかる計算になります。それでも、太陽光発電投資は不動産投資よりも初期投資を早期に回収できるのです。
運用開始後にかかる費用
物件を購入した後にかかる維持管理費は、実質利回りに影響します。売却や廃棄にかかる費用も必要に応じて積み立てておく必要があるでしょう。不動産投資と太陽光発電投資それぞれについて、運用開始後にかかる費用はどれくらいなのかを比べてみましょう。
維持管理費にかかる費用
不動産投資で管理を委託した場合には、維持管理費が毎月の家賃収入に対し5%程度かかります。サブリース契約では、家賃収入の10~20%程度を支払うのです。
サブリース契約とは、物件を不動産会社に借り入れてもらい、一定額の家賃収入を得る契約のことです。空き室リスクがない代わりに手数料が高く、事業者と投資家の間で多くのトラブルを生んでいます。
そのほか、修繕費や固定資産税、所得税などの費用も発生します。そのため、維持管理費は合計で家賃収入の10~20%程度かかります。年間120万円の家賃収入であれば、維持管理費は12~24万円が目安になるでしょう。
一方の太陽光発電投資では、維持管理費としてパワーコンディショナーにかかる電気代、パワーコンディショナーの故障や寿命による交換費用、点検費用などがかかります。固定資産税や所得税などの、税金の支払いも必要です。
諸々の維持管理費用は1kWあたり年間5000円程度、50kW未満の太陽光発電の場合は年額25万円程度かかるでしょう。
売却または廃棄にかかる費用
不動産投資と太陽光発電投資に必要な、売却や廃棄にかかる費用についても知っておきましょう。
不動産を売却する場合は、仲介手数料として売価価格の3~5%程度の費用がかかります。そのほか、抵当権抹消費用・住所変更費用、印紙代が必要になってきます。ローンを一括返済する場合は残債の2%程度の一括返済手数料が発生します。
不動産投資物件は、万一売れなくても廃棄することが非常に難しく、所有権の放棄には裁判所への申し立てが必要ですが、その手続きにもコストがかかるので注意が必要です。
太陽光発電投資には、事業終了後に太陽光発電システムを中古として売却、または廃棄するという2つの方法があります。
2018年度認定の廃棄費用は1kWあたり1.19万円なので、50kWの太陽光発電であれば60万円程度が目安になるでしょう。固定価格買取制度において廃棄費用は、想定通りに運用すれば売電収入で廃棄費用をまかなえる設計となっています。
なお、土地は契約内容次第で、賃貸であれば賃貸契約は継続せずに返却すれば良いのです。購入していた場合は買い手が見つかれば売却も可能です。売電期間が終わるまでに売り抜けるのも1つの選択肢ですので、太陽光投資は売却処理を視野に入れながら運用する方も増えています。
太陽光発電は手堅い投資先!低リスク・安定収入が魅力
不動産投資と太陽光発電投資の初期費用や運営コストを比較したので、それぞれの投資方法の特徴を押さえることができました。太陽光発電投資は、初期投資回収までの期間が短く、20年間の安定収入が見込めるのです。
また、今後再生可能エネルギーの需要は伸びると考えられていることも、太陽光発電投資にとっての好材料といえます。
一方、不動産投資は初期投資回収までの期間が長く、空室リスクがある点がマイナス要因です。人口減少に伴う需要の低下も懸念されます。以上の理由から投資をはじめるなら、太陽光発電投資がおすすめといえるでしょう。
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