ローンで投資するメリット・デメリット、収益への影響は?

太陽光発電の投資は、収入が安定している反面、初期費用がかかります。これから投資を始める方には、初期費用が1つの大きな壁になることでしょう。

あまり知られていませんが、太陽光発電投資は、ローンが組みやすい投資先の1つです。実際に、太陽光発電投資を始めた人のほとんどが、ローンを活用しています。

また、ローンの金利で利益が圧迫されると心配されるかもしれません。そこで、太陽光発電の投資物件を買うときにローンを組む場合、組まない場合の、収益の違いをシミュレーションしました。

土地付き太陽光・風力発電の投資物件はタイナビ発電所へ。
特に人気のある物件は会員様限定のご案内です。

※会員限定物件が多数あります。

太陽光発電投資はローンを借りやすい投資商材

太陽光発電投資

太陽光発電投資は、比較的安定した投資商材です。なぜ安定しているのか、ポイントは3つあります。

  • 太陽光で発電した電力を売って収入を得るため、競合にシェアを奪われることはない
  • 不動産投資のような空室リスク(契約者が集まらず家賃収入が得られないこと)がない
  • 電気を売る価格(売電価格)は、固定買取制度という法律で20年間固定されているため、下落のリスクはない

このような理由から、太陽光発電投資は地方銀行や政策金融公庫などの金融機関などからローンを借りやすく、毎月支払われる売電収入で返済計画が立てやすいというメリットがあります。

ローンを借りる場合と借りない場合の収益を試算

実際にローンを借りる場合と借りない場合で、投資期間である20年間の収益にどのような違いが生まれるのかシミュレーションしてみます。

ローンを借りない場合

現金

まずは、自前の資金のみで太陽光発電投資をした場合のシミュレーションを行ないます。投資用の太陽光発電は、設計する段階で年間の発電量を試算できるため、年間の想定収益額が明らかな状態で販売されています。今回は、販売価格1500万円・利回り10%という、一般的な太陽光発電の投資物件を購入した場合の収益について試算します。

なお、物件の購入費用には、太陽光発電設備や土地、各種工事費用など、太陽光発電投資を始めるのに必要な費用が全て含まれていることとします。また、メンテナンス業者との契約は必須です。年間のランニングコストには、発電設備のメンテナンス(点検)費用を含めることとします。

●シミュレーション条件

  • 物件の購入費用:1500万円
  • 年間ランニングコスト:10万円
  • 年間想定売電収入:150万円
  • 表面利回り(※):10%

※ 表面利回り(想定利回り)の算出方法は、「年間想定売電収入÷販売価格×100」です。

 
1年目 2年目 3年目
年間売電収入 150万円 150万円 150万円
年間ランニングコスト 10万円 10万円 10万円
年間の収益 140万円 140万円 140万円
10年後 20年後
年間売電収入 150万円 150万円
年間ランニングコスト 10万円 10万円
年間の収益 140万円 140万円

年間の収益を計算

150万円(年間売電収入)ー10万円(年間ランニングコスト)=140万円(年間の収益)

当初の想定通りに年間150万円の売電収入を得られた場合、年間の収益は140万円となります。太陽光発電投資は、こうしたお金の流れを20年間続けることができるのです。

ここで疑問なのは、「毎年一定の収益が本当に得られるのだろうか?」という点です。太陽光発電の発電量は日射量によって変わりますので、売電収入は毎年すこしずつ変動します。さらに、発電設備は経年劣化が起こります。発電量は毎年すこしずつ低下します。太陽光パネルの場合、1年間の劣化率は0.47%〜0.75%とされておりますが、メーカーなどにより異なります。

しかし、年間想定売電収入は、投資用の太陽光発電を設計した企業が、日射量や経年劣化も加味した金額を算出しています。天候などの発電量の低下要因を厳しく評価してシミュレーションしているため、実際の売電収入が想定値より高くなるケースが多いです。

太陽光発電の投資物件を実費で購入した場合、売電収入からランニングコストを引いた金額が利益です。シンプルな計算で、経済的メリットを予想できます。

一部ローンを借りる場合

ローン

自己資金500万円と、銀行ローンの1000万円で、販売価格1500万円・利回り10%の太陽光発電物件を購入したケースをシミュレートしてみます。銀行の利息は1.5%で、地方銀行などの一般的な利率を採用し、返済期間は20年と仮定します。年間の利息は、ローンの残額に対して発生する契約内容(元金均等返済)と仮定します。

そうすると、1000万円を金利1.5%で借りる場合、1年目の年間利息は15万円(1000万円の1.5%)です。ローンの残高は毎年50万円減っていくため、年間利息も7500円(50万円の1.5%)ずつ減っていきます。

つまり、1年間に返済する金額は、50万円+利息(利息額は15万円からスタートし、返済と共に減っていく)ということです。

物件の購入費用には、太陽光発電設備、土地、各種工事費用など、太陽光発電投資を始めるのに必要な費用が全て含まれていることとします。また、年間のランニングコストには、発電設備のメンテナンス(点検)費用を含めることとします。

●シミュレーション条件

  • 自己資金:500万円
  • ローンの金額:1000万円
  • 金利:1.5%
  • 物件の購入費用:1500万円
  • 年間ランニングコスト:10万円
  • 年間想定売電収入:150万円
  • 表面利回り(※):10%

※ 表面利回り(想定利回り)の算出方法は、「年間想定売電収入÷販売価格×100」です。

1年目 2年目 3年目
ローン残額 950万円 900万円 850万円
年間売電収入 150万円 150万円 150万円
年間利息 15万円 14万2500円 13万5000円
年間の返済額 50万円 50万円 50万円
ランニングコスト 10万円 10万円 10万円
毎年の収益 75万円 75万7500円 76万5000円
10年後 20年後
ローン残額 500万円 0万円
年間売電収入 150万円 150万円
年間利息 8万2500円 7500円
年間の返済額 50万円 50万円
ランニングコスト 10万円 10万円
毎年の収益 81万7500円 89万2500円

年間の収益を計算

150万円(年間売電収入)ー10万円(年間ランニングコスト)ー50万円(年間の元金返済金額)ー15万円〜7500円(年間利息)=75万円〜89万2500円

元金50万円を返済するにつれて、年間利息が毎年7500円ずつ減っていきます。そのため、毎年の収益は年間7500円ずつ増えるのです。

一部ローン・実費購入の収益差を比較

販売価格が1500万円の太陽光発電投資物件を、20年間運用した収益の差を比較しました。

パワーコンディショナー(※)が10年で寿命を迎えるため、補修費用が11年目に発生します。(グラフ内白丸部分)販売価格が1500万円の投資物件の場合、補修費用は150万円程度です。その支出を加味した収益額をシミュレーションします。

実費・ローン利用時

ローンを利用しない場合、20年後の総収益は2650万円です。

500万円を実費で支払い、1000万円を金利1.5%のローンで支払う場合、20年後の総収益は1424.5万円です。

ローンの有無で収益額は1225.5万円もの差がでます。ただし、積極的に繰り上げ返済をすれば、ローンを組む場合の収益はこれよりも大きくなります。

ローンを借りるメリットとデメリット

メリットとデメリット

太陽光発電投資のために、ローンを借りるのはメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 投資用の資金が0円からでも太陽光発電投資を始められる
  • 手元に資金を残しておけば他の投資も併用できる

デメリット

  • 太陽光発電に異常が起こり、発電が止まったらローンを返済できない可能性がある
  • 最終的な収益が減る

投資の原則として、手持ちの余剰資金を全て投資費用に当ててはいけません。突発的な支出にも耐えられるように、ローンを組んで手元にお金を残しておくほうが良いでしょう。猶予期間があるローンを組めば、太陽光発電の稼働予定日に変更があっても、返済開始時期を遅らせることが可能です。

利息の支払いを含めても十分な利益を得るためには、利回りが高い投資物件を選ぶことをオススメします。太陽光発電の投資物件は、平均的に10%前後です。それ以上の高利回り物件も多数存在します。

土地付き太陽光・風力発電の投資物件はタイナビ発電所へ。
特に人気のある物件は会員様限定のご案内です。

※会員限定物件が多数あります。