少額・短期で太陽光発電投資 太陽光発電ファンドの基本

空き地などに設置された太陽光発電は、発電した電気を20年間も買い取ってもらえる固定価格制度(FIT制度)があります。FIT制度を利用した売電事業で収益を狙う太陽光発電投資は、利回りの高さとリスクの低さで大変な人気を集めました。しかし、太陽光発電を自分で所持するには、1000万円を超える高額な初期費用がかかります。

そこで、注目されるようになったのが「ファンド(投資信託)」という投資方法です。少ない資金で太陽光発電投資を始められること、土地も手間も必要ないことが特徴です。

太陽光発電ファンドとは何か、仕組みや利回りについて解説します。

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太陽光発電ファンドとは再生可能エネルギー(再エネ)への投資信託

太陽光発電投資信託

ファンドとは、他者から集めた資金を使って事業や投資を行うことです。事業や投資で収益などが発生すれば、投資家へ分配される仕組みになっています。主に、企業などが投資のための合同会社(ファンド)を設立し、投資家を募集します。

太陽光発電ファンドは、企業や自治体が運営者が設立したファンドで出資者を公募し、太陽光発電投資を行うものです。「太陽光発電で資産運用をする投資信託」と言えるでしょう。出資者がたくさん集まれば一人あたりの負担額を少なくできることと、資産運用にかかる作業をプロに委託できることが主なメリットです。

太陽光発電投資をは初期費用の高額さがネックになりがちですが、出資者が複数人いることで、個々の負担額を少なくできます。さらに、太陽光発電投資のプロが代表を務めると、土地や施工業者えらびで失敗するリスクを減らせるのです。

とくに出資額の低さ、用地を持っていなくても参加できるのが特徴的で、太陽光発電投資を最も手軽に始められる方法といえます。

太陽光発電ファンドのお金の流れ

次に、太陽光発電ファンドのお金の流れを見ていきましょう。太陽光発電投資は、太陽光で発電した電気を電力会社に売り(売電)、収益を得ます。重要なお金の流れは「太陽光発電所を運営する費用」と、「電力会社に電気を売った収益(売電収入)」の2つです。

ファンドの仕組み

太陽光発電に関するあらゆる手続きなどは、「営業者」と呼ばれる、ファンドの中心となる企業が行ないます。投資家の出資金は営業者(ファンド)に託され、太陽光発電所の運用費用に使われます。

そして、ファンドの太陽光発電で発電した電力は電力会社に買い取られ、売電収入が毎月発生します。売電収入は営業者が受け取り、メンテナンス費などの必要経費を除いた営業利益を出資者の出資割合に応じて分配します。分配金は営業者から出資者の口座に振り込まれます。支払い頻度は、1年に1回が一般的です。

太陽光発電ファンドの事例で見る 具体的な投資費用・利回り

太陽光発電ファンドの投資費用や利回りについて解説します。実際にあったファンドの情報を例に見てきましょう。

ファンドA ファンドB ファンドC
申込単位 ※1(1口) 10万円 10万円 50万円
出資募集総額 ※2(口数) 2700万円(270口) 3200万円(320口) 3億9600万円(792口)
目標利回り ※3 5.0% 5.6% 9.2%
運用期間 ※4 1年 5年 20年

※1 申込単位:出資額のこと。
※2 出資募集総額:ファンドが募集する総額のこと。(1口の金額✕出資口数)
※3 目標利回り:実際の利回りとは異なる可能性があります。
※4 運用期間:資産運用の期間。ファンドにより異なります。

太陽光発電ファンドへの出資金は1口10万円が一般的ですが、1口50万円というファンドも存在します。なかには、1口10万円以下で投資できる太陽光発電ファンドもありますが、稀なケースです。

運用期間はファンドによって異なります。1年、5年で運用するファンドは、運用期間が終われば出資金などの最終的な精算が行われ、投資はそこで終わりです。

20年で運用するファンドは、FIT制度で電気を売れる期間が終わったあと、太陽光発電を売却あるいは廃棄することになります。あるいは、経済性が良ければ太陽光発電投資を続けようとする可能性も。いずれにしても、最終的には営業者が方針を決定します。売却益が出た時の分配については、契約内容に盛り込まれているケースが多いです。

それから、20年運用するファンドを選ぶときは、分配率(分配金の額を、元本に対する年利回りに換算したもの)の長期的な目標をチェックしてください。太陽光発電に使われている太陽光パネル、パワーコンディショナーなどの機器には寿命があり、どこかのタイミングで買い換える必要があるからです。

※太陽光パネルで作った電力を売電できるように調整する機材

太陽光パネルの寿命 20年〜30年
パワーコンディショナーの寿命 10年

とくに、パワーコンディショナーの寿命はFIT期間よりも短いので、大きな故障がなくても買い替え交換が発生します。交換費用は50万円以上かかりますので、分配率に影響が出る可能性があります。

ファンドに出資する方法と手続き

太陽光発電ファンドは、以下の流れで運営されます。投資家は、インターネットなどから太陽光発電ファンドを見つけ、応募するところからスタートします。

営業者が太陽光発電に適した場所を調達し、発電所建設計画を立てる

  1. その太陽光発電所で売電事業をするための合同会社(ファンド)をつくる
  2. ファンドの出資者を募集する
  3. 出資者から預かった資金で太陽光発電を設置する
  4. 太陽光発電した電力を電力会社に売り、収益を得る(最大20年間)
  5. 売買収益から必要経費を控除した金額を出資者に分配する
  6. 20年後、FIT制度が終わった太陽光発電を廃棄あるいは売却する

太陽光発電ファンドの3つのメリット

太陽光ファンドのメリット

太陽光発電投資は、ファンドは、投資先としての魅力に富んでいます。

  • 少額で太陽光発電投資ができる
  • ローリスクで利回り平均5%を実現
  • 環境改善に参加できる

電気の買い取り価格と買い取り期間があらかじめ約束されるため、先の読めない金融商品に投資するのが不安な人に向いています。

1. 少ない資金で投資ができる

太陽光発電ファンドは1口10万円から出資できるケースが多く、少ない資金からでも太陽光発電投資が可能です。

その上、太陽光発電ファンドの当初の想定よりも発電量が多く、売電収益が増えた場合も、投資家に分配されます。つまり、リターンが大きくなる可能性を十分に持っています。

2. ローリスクなのに平均利回り5%以上!

太陽光発電ファンドは、目標分配率が5%以上とするケースがとても多いです。銀行の金利よりも効率がよく、ローリスク・ローリターンの長期投資が実現できます。

3. 環境問題に貢献できる

CO2排出量の削減や再生可能エネルギーの普及は、国家・地球規模で取り組むべき問題です。太陽光発電ファンドに出資することは、太陽光発電の増加につながります。つまり、分配金という経済的メリットを得ながら社会貢献ができる、貴重な投資方法なのです。

太陽光発電ファンドの3つのデメリット・リスク

リスク

太陽光発電ファンドのデメリットやリスクは、以下の3つがあります。

  • 日射量によって収益が左右される
  • 大災害は保険適用外、収益低下に直結する
  • 途中解約できない

投資の上で見逃せないデメリットやリスクについて解説していきます。

1. 日射量によって収益状況が左右される

太陽光発電は天候によって発電量が左右されるため、売電収益は毎月変動します。よって、配当額は一定ではありません。また、太陽光発電投資はローリスクと言われるものの、元本保証や配当保証がある太陽光発電ファンドは基本的に存在しません。

日射量が少ないと、売電収益も減少します。日射量は発電シミュレーションは控えめに設定されているケースが多く、実際にはシミュレーションを上回ることがほとんどのようです。

太陽光発電は自然のエネルギーで発電する仕組みです。大規模災害や極端な異常気象が起これば、想定通りの発電量が得られずに元本割れする可能性も出てきます。

2. 地震や台風などの災害が最大の懸念

太陽光発電の大きなリスクに、災害があります。太陽光発電の設備に大きなダメージがあった場合は、復旧するまで発電できなくなり、その分は減収となってしまいます。太陽光発電ファンドも、火災・落雷・風災などの自然災害や、盗難などの人災に備えた保険に加入しているケースがほとんどです。

ただし、ファンドは太陽光発電向けの保険に入っているのが一般的です。太陽光発電の保険には、故障した機器の修理費用の補填や、売電収益を補償するものもあります。ファンドが加入する保険の内容は、契約前にチェックしておきましょう。

また、太陽光発電ファンドは出資者と営業者が「匿名組合出資契約 」を結ぶかぎり、太陽光発電にトラブルが起きたときも、投資家は追加出資の義務を負いません。この契約を結ぶ限り、想定外の支出で痛手を負うリスクはほとんどありません。

※匿名組合出資契約とは、組合員となる出資者が営業者(合同会社)に出資をして、利益配分を受け取る契約のことです。事業に直接関与せず、一切の所有権と処分権を持っていません。組合員が持つのは、利益の配当請求権と、出資額の範囲内での責任(金銭の配分に影響を受ける)だけです。特別に定められない限り、事業の資金が不足しても、追加の出資義務は一切ありません。

3. 運用期間の途中で解約できない

太陽光発電ファンドは、運用期間が1年〜20年です。運用期間中の中途解約と払い戻しは、ほとんどの場合不可能です。まれに、手数料や何らかの条件付きで相談に応じるとするケースもあります。注意事項や重要事項として記載してありますので、出資する前に確認しておきましょう。

運用期間が長い投資が不安なときは、運用期間が1年などの短期的な太陽光発電ファンドを試してください。

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