太陽光発電の出力抑制(出力制御)とは、電力会社が発電事業者に対し発電設備からの出力停止または抑制を要請し、出力量を管理する制度のことを指します。

発電した電気は貯められず、使う量と発電する量の需要バランスを保たなければいけないため、発電設備からの送電出力をコントロールしなければいけません。

そのため、出力停止や抑制が管理されれば安定性のある電力を作ったり、売ったりする事が出来ます。

太陽光発電を導入しようとしている方や、現在システムを導入中という方は、2015年1月に改定された出力抑制(出力制御)のルールが変わりましたので要チェックです。

太陽光発電を自宅の屋根に取り付けて発電した電気を使ってみたい、取り付けたいけど仕組みがイマイチ理解できないという方にとっては、今不安な気持ちで一杯でしょう。

・出力抑制(出力制御)の意味が分からない
・新しい出力抑制(出力制御)ルールの内容を知りたい
・どの部分が変更されたのか分からない

太陽光発電に関わる方のために、どのように制度が変わるのかわかりやすく解説します。

1.基本的に出力抑制(出力制御)は電気の送電をコントロールすること

出力抑制(出力制御)とは2015年1月26日に再エネ特措法が改正された制度で、太陽光発電設備などから発電された電気を送電する際に、電力会社の容量がオーバーになる前に、パワーコンディショナがコントロールして送電を抑えたりしなければならない制度です。

2.どうして出力抑制(出力制御)が必要か?

電力は使う分と発電する分のバランスが必要です。
なぜなら、発電された容量が大きくても、使わない分の電力は貯める事が難しいからです。

そのため、発電しながら消費もしなくてはならないのです。

電気を使う行為と作る行為のバランスを常に良い状態にするための仕組みが「出力抑制(出力制御)」なのです。
このバランスが崩れると、以下のようなリスクが起きやすくなります。

3.大規模停電や発電所の出力が不安定

現在急ピッチで太陽光発電や風力発電など、再生エネルギーの普及が進んでいますが、再生エネルギーは自然の力で発電するため、天候などの影響が大きく、発電量が不安定になりがちです。ただ、太陽光発電や風力発電は発電が天候により不安定だからこそ、国はその発電がピークの時期を考慮しています。

簡単に説明すると、太陽光発電が一番発電するのは5月になります。5月は暖房/冷房も使わない過ごしやすい時期になり、電気消費量が一番低い時期になります。

つまり、抑制される時期としては5月のピーク時に一時的にかけられる程度でしょう。1年中抑制されるわけではありません。さらに、大規模発電所を軸に抑制がかけられるので、規模の小さい発電所ほど抑制がかけられる確率は低いといえます。

私たちが安心して毎日電気を使えているのも、電気が安定的に供給されているからで、出力抑制(出力制御)は大切な役割を担っているといえます。

4.2015年1月に出力抑制(出力制御)の内容が変更された

家庭用設備はこれまで出力制御の対象ではありませんでしたが、再エネ特措法の改正により出力制御の対象になりました。
また出力制御する上限も、1年で30日という条件から、太陽光発電なら1年で360時間という条件に変更になりました。

5.出力抑制(出力制御)の新ルールは4つ

1.家庭用太陽光発電も出力抑制(出力制御)の対象に!

2015年1月以前まで、太陽光発電の出力制御は500kW以上が対象でしたが、家庭用太陽光発電を含む500kW未満でも対象になります。ただ、住宅用の太陽光発電は規模が小さく自家消費+余剰売電の為に、抑制対象にはなっておりますがかなり低い確率で抑制されると考えられております。 将来的には抑制されるタイミングで蓄電池に電気を貯めるように自動制御されるでしょう。

2.単位が1日から時間単位の360時間に

以前は1年の中で30日を上限として電力会社が供給電力を制御要請ができるルールでしたが、現在は1年で360時間を上限とする「360時間ルール」に変更されました。 1日単位だった条件が時間単位に変更になっています。

3.東京、関西、中部、中国電力管内は「無制限ルール」も

50kW未満の場合、東京、関西、中部、中国電力管内は「360時間ルール」が適用にならず、360時間を超えても出力制御が可能のため、無制限ルールが対象になります。 50kW以上の発電に関しては「360時間のルール」が適用になります。

4.遠隔出力抑制(出力制御)導入の義務化

遠隔出力制御をするためのシステム導入の設置が義務化されました。 出力制御対応機器の設置にかかる費用は、各発電事業者が負担しなくてはなりません。家庭用タイプは5,000円程度で購入できます。

5.出力抑制(出力制御)の新ルールは4つ

住宅用(家庭用)太陽光発電は、出力制御の影響が少ないとされています。
1:規模が小さい
2:自家消費型
3:電気需要が高い

周りに電気を使う施設が多ければ多いほど、出力抑制がかけられるリスクは低いでしょう。誰も住んでいない場所に設置されているメガソーラーなどは電気需要が高い場所へ電気を運ぶために変電所に電気は運ばれますが、需要がなければ抑制されます。

出力抑制(出力制御)がかかる対象となる発電所は3種類あり、1番目は大規模で広大な土地に設置されているメガソーラーのような500kW以上ある高圧発電所です。

2番目は10kW以上、500kW未満の中規模タイプの低圧発電所が対象です。

ご家庭で10kW以上の発電所を構えるのであれば、出力抑制(出力制御)の対象になりやすいですが、住宅用での割合は少ないと考えられています。

3番目が10kW未満の住宅用の太陽光発電が対象のため、出力抑制(出力制御)の影響はあまりないでしょう。出力抑制(出力制御)の影響があるのは10kW以上の発電所の場合だと覚えておくとよいかもしれません。

7.電力発電所によって条件が違う

東京電力、中部電力、関西電力管内

東京電力、中部電力、関西電力の場合に限り、50kW未満の発電設備に対し出力抑制(出力制御)の対象外です。
発電設備が50kW以上であれば出力制御の対象となり、360時間ルールが適用になります。

北陸電力、中国電力管内

50kW未満の発電設備に対し360時間ルールが適用で50kW以上には指定ルールになります。

四国電力、沖縄電力管内

10kWまでが360時間ルールでそれ以上が指定ルールになります。

九州電力、北海道電力、東北電力管内

10kWまでが360時間ルールで超過分は指定ルールが適用になります。

8.出力制御をされやすいエリアにはバラツキが

2011年の場合を例にすると、出力抑制(出力制御)が多いのは東北電力管内の29日、次に北陸電力管内の23日でした。

2012年では北陸電力管内の28日、次に中国電力管内の14日、2013年では北海道電力管内の26日、次が東北電力でした。

毎年、出力抑制(出力制御)が多いエリアにはバラツキが生じているのがわかります。

あまりエリアは関係なく、すべてのエリアが平均して対象になると考えて良いでしょう。

出力制御が心配なら保険に加入も検討

出力抑制(出力制御)が発電量に大きく影響する発電所は、全体のわずかといわれており、あまり心配はないようですが、発電所を大規模に構える場合は、心配だと思う事業者の方も少なくはないでしょう。

出力抑制(出力制御)により、抑制が大きくかかる場合は出力制御保険に加入し、収益を安定させる方法もひとつの手段です。出力制御保険の加入は融資が受けやすいというメリットもあり、出力抑制(出力制御)で損を少なくする方法も検討されてみてはいかがでしょうか。

近年では、出力抑制の対策として蓄電池を設置して夜間売電するという方法やパワコン出力の2倍以上の太陽光パネルを設置してより多くの発電量を稼ぐという方法もでてきております。太陽光システムの価格自体が4年前の半額程度に落ちている為に、できる方法として注目されております。

電力需要が多い少ない、または時期や天候で左右されやすい再生エネルギーの需要と供給バランスを考慮し、自動で接続可能量がコントロールされるシステムの仕組みを理解し、発電設備を暮らしやビジネスで上手に活用してみてはいかがでしょうか。

今後は小型風力発電やバイオマス発電◇小水力発電などの再生可能エネルギー普及が見込まれていますので、太陽光発電所+風翌発電のセット購入も増えてくるでしょう。