FIP制度

2020年を目安として、中規模以上の太陽光発電設備に関するFIT制度が廃止される可能性が高まっているといわれている。そして、FIT制度に替わる太陽光売電制度として選択肢に挙げられているのがFIP(フィップ)制度だ。

この記事では、太陽光発電投資をしている人、したい人が気になるであろうFIP制度の内容を紹介する。さらに、従来のFIT制度との違いや、既にFIP制度が実施されているヨーロッパで導入後にどのような影響や変化があったかについても解説する。

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FIP(フィップ)制度は市場価格に割増金を上乗せする方式

FIPとは「Feed-in Premium(フィード・イン・プレミアム)」の略で、太陽光発電など再生可能エネルギー発電事業者が、市場価格で売電する場合に、割増金(プレミアム価格)として補助金を上乗せする方式を意味する。

FIP制度の主な特徴としては2つある。まず、発電した電気を市場で販売すること。次に、発電量によって割増金(プレミアム分)を受け取ることが可能なことである。

FIT(固定価格買取制度)とは異なり、FIP制度には以下の3種類が存在する。

FIP制度の事例がある欧州の導入国

ここではFIP制度を導入したヨーロッパの事例を簡単に紹介する。詳しい内容は「 FIT(フィット)制度の見直しで注目のFIP(フィップ)制度とは? 欧州での事例を解説」をご覧いただきたい。

【プレミアム固定型FIP】

電力の市場価格が変動した場合でも固定されたプレミアムを付加する方式。スペイン、チェコ、スロベニアで実施事例がある。

【プレミアム変動型FIP】

電力卸市場価格の変動に応じて、付加されるプレミアムも変動する方式。

プレミアム変動型FIPには売電価格の下限を設定するタイプやプレミアムを付加した売電価格に上限を設けるタイプ、卸電力価格に対するプレミアムの割合を設定するタイプなどがある。

スペインでは卸電力価格に下限を設けると同時に、プレミアムを上乗せした場合の売電価格に上限を設けて実施した例がある。

デンマークでは、卸売電力価格の下限・プレミアム付加後の売電価格の上限にくわえて、卸電力市場における売電価格にも上限を設定している。オランダやスイス、ドイツは売電価格の下限を設定し、その価格を補償するために必要なプレミアムを設定した。

また、卸電力価格に応じて上乗せされるプレミアムの割合が変わる方式については、スペインで実施された例がある。

FIT制度とFIP制度は「目的」が大きく異なる

FIT制度とFIP制度は、そもそも目的が異なるものだ。以下に、両者の違いをあげていこう。

FIT制度の目的とは、再生可能エネルギーの普及を促すことである。固定価格での買い取りを保証することにくわえて、発電事業者が早期に設備投資分を回収できる売電価格が設定されるなど、発電事業者が保護されていることが特徴だ。

FIP制度の目的は、再生可能エネルギーの自立を後押しし、完全自由競争にすることだ。

また、FIP制度が実施された場合は、再生可能エネルギー発電に関する補助金を削減できるなど、政府の制度負担も削減できるだろう。それによる制度の長期安定化や、市場競争の促進といった効果も期待できそうだ。

FIP制度が発電事業者に与える影響

この段落では、FIP制度が実施された場合、発電事業者にどのような影響が予想されるかについて紹介する。また、FIT制度打ち切りの対象となる発電設備の規模についてもおさらいしておこう。

FIP制度は事業者の負担が増す可能性も

FIT制度は発展途上の産業である再生可能エネルギー事業を保護していたため、資本が少ない個人でも参入しやすいというメリットがあった。しかし、FIP制度の場合、発電事業者は市場競争に参入しなければならず、設備開発費など事業者の負担が増大する可能性があるだろう。

また、FIP制度では電力の卸市場価格がポイントとなるため、FIT制度と比較すると収益の予想が困難であることから、新規で参入する際のハードルが上がることも懸念される。

FIT廃止対象になりそうなのは「10kW以上」「全量売電」の太陽光発電

2020年頃にFIT制度の対象から除外される発電設備の規模は、10kW以上で全量売電を行う中~大規模の事業用太陽光発電と考えられている。

それに対して、余剰売電の場合は、10kWを超える規模であっても継続してFIT制度を利用できるという見方が強い。

また、10kW以下の家庭用太陽光発電設備に関しては、発電開始から10年間と定められたFIT制度が継続する。FIT制度の適用期間が満了した「卒FIT」設備も出てきているが、新電力会社を中心として、卒FIT設備による余剰電力の買い取りを推進する電力会社も増加しているのだ。

つまり、大規模な太陽光発電設備についてはFIT制度の廃止に向かうとはいえ、再生可能エネルギー電力の需要自体がなくなったわけではない。

FIP制度で収益を上げるには?

Q&A

FIP制度の適用下で全量売電をする場合でも、効果的に収益を得る可能性を秘めた方法として、太陽光発電設備と蓄電池の併用が挙げられる。その理由は以下の通りである。

産業用の太陽光発電設備では一般的に約150~200%の過積載を行うが、パワーコンディショナーの総容量を総発電量が上回った場合、超過した電力はピークカットされて失われてしまう。ピークカットによる損失金額は年間売電収入の数%から十数%にも及ぶと試算される。

しかし、蓄電池と太陽光発電設備を併用することによって、パワーコンディショナーの総容量を超えて発電した分も無駄にならず、蓄電池に充電して蓄えておくことが可能になる。また、発電量が減る夕方以降には蓄電池から放電して売電できる。

このように、太陽光発電設備だけではロスになる分の発電量が蓄電池の活用によって収益化できるのだ。

先行き不明なFIP制度、収益用の太陽光投資を始めるには

まだ確定していないとはいえ、2020年頃までにFIT制度が見直され、FIP制度に切り替わる可能性は高い。

しかし、FIT制度が終了する前に売電権を持つ投資用の太陽光発電物件を購入して投資を始めておく場合は、これからも収益を上げられる。10kWまでの個人用発電設備なら10年間、10kWを超える事業用発電設備なら20年間はFIT制度の対象とされ、固定価格での買い取りが保証されるためだ。

よって、FIT制度の終了を含む法改正がされる2020年頃までに太陽光発電投資を始めることをおすすめする。

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