FIP制度

2022年4月にスタートする新たな売電制度「FIP」はFIT制度に替わる太陽光発電の売電制度として大変注目されております。2022年現在は、新規FITは低圧に関しては買取単価11円/kwhとなっており、ソーラーシェアリングや自家消費のみが対象となり、高圧(50kw~250kw)に関しては買取単価10円/kwhとなります。 2022年はそれぞれ、1円/kwhずつ下がる事が既に発表されており、多くの投資家にとっては新たなFIT制度に替わる魅力的な太陽光売電制度として挙げられているのがFIP(フィップ)制度だ。

特に2020年末に起きた電力卸売市場であるJEPXで取引単価が通常の10倍(100円/kwh)の価格が付いたり、2022年1月現在でも高い時間帯では30円/kwh~40円/kwhで取引されていることから、市場連動型で買取価格が決定するFIPには高い買取価格が期待できるのでは?多くの人が考えていますが、実際はどうなるのでしょうか?

この記事では、太陽光発電投資をしている人、したい人が気になるであろうFIP制度の内容を紹介する。さらに、従来のFIT制度との違いや、既にFIP制度が実施されているヨーロッパで導入後にどのような影響や変化があったかについても解説する。

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FIP制度の導入が決定した背景とは?

日本では2012年にスタートしたFIT(全量固定買取制度)により飛躍的に太陽光発電所が増え、国の目標として再エネ電源の導入拡大が実現しましたが、一方で電力会社が電気を買い取る費用の一部は再エネ賦課金として国民の電気料金に上乗せされている問題が大きな議論となりました。

日本は全世界に向けて2030年までに温室効果ガス46%削減するという野心的な目標を掲げており、その目標達成には再エネの更なる導入が求められています。国民負担をこれ以上増やさずに、再エネ導入を拡大する方法の1つとしてFIP制度の導入が決まりました。

国民の負担を増やさない方法としては、FITのように固定価格で長期間買い取るのではなく、電気の受給バランスによって変動する電力価格で買い取り価格が決定するFIP制度は中長期的に再エネ電源の拡大に貢献すると考えられています。将来的には電力市場と統合が検討されております。

FIP(フィップ)制度は市場価格に割増金を上乗せする方式

FIPとは「Feed-in Premium(フィード・イン・プレミアム)」の略で、太陽光発電など再生可能エネルギー発電事業者が、市場価格で売電する場合に、割増金(プレミアム価格)として補助金を上乗せする方式を意味する。

FIP制度の主な特徴としては2つある。まず、発電した電気を市場で販売すること。次に、発電量によって割増金(プレミアム分)を受け取ることが可能なことである。

FIT(固定価格買取制度)とは異なり、FIP制度には以下の3種類が存在する。

FIP制度の事例がある欧州の導入国

ここではFIP制度を導入したヨーロッパの事例を簡単に紹介する。詳しい内容は「 FIT(フィット)制度の見直しで注目のFIP(フィップ)制度とは? 欧州での事例を解説」をご覧いただきたい。

【プレミアム固定型FIP】

電力の市場価格が変動した場合でも固定されたプレミアムを付加する方式。スペイン、チェコ、スロベニアで実施事例がある。

【プレミアム変動型FIP】

電力卸市場価格の変動に応じて、付加されるプレミアムも変動する方式。

プレミアム固定型FIPには売電価格の下限を設定するタイプやプレミアムを付加した売電価格に上限を設けるタイプ、卸電力価格に対するプレミアムの割合を設定するタイプなどがある。

スペインでは卸電力価格に下限を設けると同時に、プレミアムを上乗せした場合の売電価格に上限を設けて実施した例がある。

デンマークでは、卸売電力価格の下限・プレミアム付加後の売電価格の上限にくわえて、卸電力市場における売電価格にも上限を設定している。オランダやスイス、ドイツは売電価格の下限を設定し、その価格を補償するために必要なプレミアムを設定した。

また、卸電力価格に応じて上乗せされるプレミアムの割合が変わる方式については、スペインで実施された例がある。

FIP制度を導入している国で一番使われているタイプが、プレミアム変動型FIPであることがわかる。

日本のFIP制度は?具体的にどのように価格が決まるのか?

まず、FIP制度もFITと同じように電力会社が電気を調達する単価が存在します。それが、FIP価格『基準価格』となります。

それだと、FITと同じではないか?と思う方もいるでしょう。FIP価格『基準価格』とは別で『参照価格』が決定されます。この価格は市場価格と連動して、 毎月見直しされる価格となります。

FIP価格『基準価格』-『参照価格』※市場連動価格=「プレミアム」

つまり、発電事業者は「基準価格」と「参照価格」どの差分を「プレミアム価格」として再エネ発電事業者が得る事になり、収入としては電気を売った価格にプレミアム分が上乗せされた合計を収入として受け取ります。

市場連動する「参照価格」は具体的にどのように決まるのか?

どのような市場と連動するのかという点は、JEPXという『卸電力市場』や非化石価値の取引市場と連動するような形です。非化石価値とは、石油や石炭などの化石燃料ではなく、再エネ・原発によるつくられた電源から発電された電気の環境価値となります。また、参照価格はインバランスコストの影響も受けます。詳しい、計算式はここでは詳しく説明しておりませんが、参照価格がどのような市場や項目の影響を受けて連動するか知っておく必要があるでしょう。

FIT制度とFIP制度は「目的」が大きく異なる

FIT制度とFIP制度は、そもそも目的が異なるものだ。以下に、両者の違いをあげていこう。

FIT制度の目的とは、再生可能エネルギーの普及を促すことである。固定価格での買い取りを保証することにくわえて、発電事業者が早期に設備投資分を回収できる売電価格が設定されるなど、発電事業者が保護されていることが特徴だ。

FIP制度の目的は、再生可能エネルギーの自立を後押しし、完全自由競争にすることだ。

また、FIP制度が実施された場合は、再生可能エネルギー発電に関する補助金を削減できるなど、政府の制度負担も削減できるだろう。それによる制度の長期安定化や、市場競争の促進といった効果も期待できそうだ。

https://www.tainavi-pp.com/investment/solar/83/

FIP制度が発電事業者に与える影響

この段落では、FIP制度が実施された場合、発電事業者にどのような影響が予想されるかについて紹介する。また、FIT制度打ち切りの対象となる発電設備の規模についてもおさらいしておこう。

FIP制度は事業者の負担が増す可能性も

FIT制度は発展途上の産業である再生可能エネルギー事業を保護していたため、資本が少ない個人でも参入しやすいというメリットがあった。しかし、FIP制度の場合、発電事業者は市場競争に参入しなければならず、設備開発費など事業者の負担が増大する可能性があるだろう。

また、FIP制度では電力の卸売市場価格がポイントとなるため、FIT制度と比較すると収益の予想が困難であることから、新規で参入する際のハードルが上がることも懸念される。

ただ、近年は電力卸売市場価格が10倍以上の100円/kwhとなったり、2021年12月現在も20円~30円/kwhで取引されていることから、来年度のどのような価格になるのか、市場では注目されている。

FIT廃止対象になりそうなのは「10kW以上」「全量売電」の太陽光発電

2020年にFIT制度の対象から除外される発電設備の規模は、10kW以上で全量売電を行う中~大規模の事業用太陽光発電となりました。 ただ、2022年現在もソーラーシェアリング型については10kw~50kw未満の低圧FITが継続しており、50kw~250kw未満の太陽光発電設備についてはFITが継続しております。ただ、価格は極めて低いFIT価格となっているのが現状です。

それに対して、余剰売電(自家消費用件)の場合は、10kWを超える規模であってもFIT制度が継続しております。

また、10kW以下の家庭用太陽光発電設備に関しては、発電開始から10年間と定められたFIT制度が継続する。FIT制度の適用期間が満了した「卒FIT」設備も出てきているが、新電力会社を中心として、卒FIT設備による余剰電力の買い取りを推進する電力会社も増加しているのだ。

つまり、大規模な太陽光発電設備についてはFIT制度の廃止に向かうとはいえ、再生可能エネルギー電力の需要自体がなくなったわけではない。

現に、多くの電力会社がNON-FIT型(FIT価格で売電しない)の野建て太陽光発電を買い漁る動きがでている。これは、太陽光発電所を購入して、オフサイト型のPPAモデルで需要家に電気を供給するスキームが普及し始めているからである。

https://www.tainavi-pp.com/investment/solar/105/

FIP制度で収益を上げるには?

Q&A

FIP制度の適用下で全量売電をする場合でも、効果的に収益を得る可能性を秘めた方法として、太陽光発電設備と蓄電池の併用が挙げられる。その理由は以下の通りである。

産業用の太陽光発電設備では一般的に約150~200%の過積載を行うが、パワーコンディショナーの総容量を総発電量が上回った場合、超過した電力はピークカットされて失われてしまう。ピークカットによる損失金額は年間売電収入の数%から十数%にも及ぶと試算される。

しかし、蓄電池と太陽光発電設備を併用することによって、パワーコンディショナーの総容量を超えて発電した分も無駄にならず、蓄電池に充電して蓄えておくことが可能になる。また、発電量が減る夕方以降には蓄電池から放電して売電できる。

このように、太陽光発電設備だけではロスになる分の発電量が蓄電池の活用によって収益化できるのだ。

https://www.tainavi-pp.com/investment/wind/35/

先行き不明なFIP制度、収益用の太陽光投資を始めるには

まだ確定していないとはいえ、2023年以降はFIT制度がなくなり、完全にFIP制度に切り替わる可能性は高い。但し、FIP型の買取制度に対して金融機関が融資をしてくれるのかが、鍵である。融資がつかなければ、普及はしないだろう。

しかし、FIT制度が終了する前に売電権を持つ投資用の太陽光発電物件を中古で購入して投資を始めておく場合は、これからも収益を上げられる。10kWまでの個人用発電設備なら10年間、10kWを超える事業用発電設備なら20年間はFIT制度の対象とされ、固定価格での買い取りが保証されるためだ。

よって、FIT制度の終了を含む法改正がされる2022年頃までに中古太陽光発電投資を始めることをおすすめする。

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