太陽光発電投資

太陽光発電投資を検討する際、どのくらいの利益が得られるのか、できるだけ正確に把握しておきたい。しかし、物件情報に示されている「利回り」は大まかな収益指標であるため、これだけで収益性を計ることはできない。

そこで、着目したいのが内部収益率を示す「IRR」だ。投資物件の収益性を把握する指標の一つとして活用したい。

IRRとは何か、利回りとの違い、計算方法などを紹介するので、太陽光発電とほかの投資先を比較してみよう。

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IRRは投資判断の参考にできる指標

IRRとは投資家が投資判断をする際に参考にする指標の一つである。

IRRとは、投資に必要な現在価値と将来のキャッシュフローの現在価値が同じになる時の割引率のことである。

難しく考えてしまいがちなIRRだが、定期預金の利子を例に挙げると分かりやすい。

たとえば、3000万円の定期預金で毎年の「利子」が15万円の場合では、5年満期ならIRRは0.500%となる。

ただし、これだけの解説では、利回りとIRRの違いは何だろうか、と疑問を抱くことになる。次に、利回りとの違いを挙げて比較しながら、IRRについて解説していこう。

IRRと利回りの違いは?

定期預金の固定金利のように、毎年同じ利益が得られる投資の場合は、利回りとIRRは同じである。

だが、多くの投資先は利益が不安定だ。空室が起こり得る不動産賃貸や、発電量が日照に影響される太陽光発電は、毎月のキャッシュフローが同額ではないとイメージしやすいだろう。

その上、運用期間が異なる投資商品もある。太陽光発電投資はFIT期間の20年が区切りとなるが、投資信託はもっと短く設定されるものもあるだろう。

毎月の利益と運用期間がバラバラな投資対象を比較し、収益性の高さを判断できるのが、IRRだ。さらに言えば、IRRは収益を得るまでの期間に価値を置く考え方でもある。

一方、利回りは投資額に対する年間の利益の割合だ。

たとえば、3000万円の株式を購入した場合のIRRと利回りの違いを見ていこう。

1年目の利益が45万円、2年目で30万円、3年目が30万円、4年目が10万円、5年目が20万円とする。5年後に3000万円で売却したと仮定した場合のIRRは、0.90%だ。

利回りの場合、計算結果は年0.50%となる。利回りとIRRは、これだけ異なる指標であると分かるだろう。

IRRの指標の役割は、限りある資金を効率よく回すことだ。

投資にあてられる資金には、限りがあるはずだ。投資回収が早ければ、獲得した利益を次の投資にあてられる。つまり、投資先に選ぶべきはIRRが高い投資商品なのだ。

肝心のIRRが高い投資商品を誰でも見分けられるようになる方法について見ていこう。

エクセルで計算してみよう!IRRの算出方法

グラフ

あらゆる投資商品をIRRの値で比較すると、投資する際に検討しやすい。だが、数式はやや難しくてハードルが高く、手が出しづらい。

そこで、Excelの「IRR関数」を使えばカンタンに算出してみよう。あらゆる投資先をIRR関数で計算し、投資先を比較・検討できるのだ。

IRRをエクセルで計算する方法

エクセルのIRR関数で計算するために必要なのは、この数値だ。

  • 初期投資額
  • 投資期間
  • 毎年の利益

計算に必要な数字が集まったら、以下の手順で計算してみよう。

  1. エクセルに初期投資額を入力する。初期投資額はマイナスで入力すること。
  2. 毎年のキャッシュフローを入力する。支払額と収益額の入力順序を正しくしなければならない。
  3. 関数の「IRR」を選択し、範囲を指定する。この範囲は、初期投資額から毎年のキャッシュフローとなる。推定値は、ほとんどの場合で入力不要である。
  4. 計算結果を「%」表示にして小数点第2位まで表示すると、IRRの値を見ることができる。

太陽光発電のIRR計算方法

太陽光発電所の物件情報から、IRRの計算に必要な数値を集めよう。計算に必要な数値は初期投資額、投資期間、年間想定売電収入だ。ここでは、以下の例で太陽光発電のIRR計算方法を解説する。

初期投資額 1199万円
投資期間 20年
年間想定収入 144万円
  1. エクセルに初期投資額を入力する。初期投資額はマイナスで入力する。
  2. 20年目までのキャッシュフローを入力する。
  3. 関数の「IRR」を選択し、範囲を初期投資額から20年間のキャッシュフローを選択する。推定値は入力しなくてよい。
  4. 計算結果を「%」表示にして少数第2位まで表示すると、IRRの値を見ることができる。

この条件では、太陽光発電のIRRは10.33%となった。ただし、このデータには経年劣化による発電量や売電収入の減少は反映されていない。また、機器のメンテナンス費用や、10年程度に1回のパワコン交換の支出も含まれないことを考慮しよう。

太陽光発電と他の投資先とのIRRを比較してみよう

比較

太陽光発電のIRRは、ほかの投資先と比較してどうなのかを知っておきたい。ここでは、ワンルームマンション投資や投資信託と比較する。それぞれ、具体的な数値を挙げて計算することで、おおよそのIRRが得られるので参考にしよう。

ワンルームマンションへ投資した場合のIRR

投資家はIRRで投資の収益性を判断することが一般的だ。なかでも、不動産投資の収益性は、IRRにより判断しやすい。 以下の条件でワンルームマンションへ投資した場合のIRRについて解説する。

初期投資額 2500万円
投資期間 20年(20年後に2500万円で売却したと仮定)
年間想定収入 127万円(表面利回りで計算)

上記の条件でIRRを計算すると、5.08%となった。ただし、不動産価格は変動するため、売却時に安くなった場合は、IRRも低くなる可能性がある。計算上のマンションの空室率と、実際の入居者の状況も異なるだろう。

表面利回りではなく実質利回りで計算した場合は、数値がさらに低くなることにも注意したい。

投資信託で運用した場合のIRR

投資信託で運用した場合のIRRはどのくらいなのか。ここでは、300万円の投資額を毎年5%で運用した場合のIRRを計算していく。

初期投資額 300万円
投資期間 20年(20年後に300万円で売却したと仮定)
年間想定収入 15万円(平均利回りで計算)

毎年同じキャッシュフローがあったと想定した場合、IRRは利回りと同じ5.00%になった。

ただし、実際には投資信託の利回りは毎年変動するため、IRRの数値も変わるだろう。投資信託の場合にも、実質利回りが低くなる可能性を考慮したい。

IRR比較結果 → 太陽光発電のIRRはやっぱり高い!

太陽光発電の売電価格は年々引き下げられてきたものの、IRRの数値はほかの投資と比べて高いことが分かった。

投資信託のIRR 5.00%
ワンルームマンションのIRR 5.08%
太陽光発電(FIT14円)のIRR 10.33%

2019年以降も、安定感のある収益性が期待できる投資先と言える。多くの投資家が参考にするIRRで、投資物件の比較をしていくことが大切だ。

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