住宅ローンを組む時には、物件購入にかかる諸経費がどの程度かかるのか知っておく必要があります。
住宅を購入する場合は、どうしても土地と建物の価格のみに目が行きがちです。契約段階になって高額な諸経費が用意できず、断念することは避けたいものです。
住宅ローンや物件購入の諸経費とは何か、どのくらいかかるのかを具体的に解説します。さらに、費用を抑えるコツも紹介するので、自分の目的に合う方法で取り入れて諸経費を節約しましょう。
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住宅を購入する際の諸経費とは?
住宅購入の諸経費とは、一般的に建物や土地以外に購入時にかかる費用のことです。意外と高額になるため、想定外の支出とならないよう目安くらいは事前に知っておくべきでしょう。
諸経費に含まれるものとは何か、それぞれの金額の目安を紹介していきます。
諸経費の項目と費用とその目安
住宅購入にかかる諸経費には、以下のような項目があるので、金額の目安は以下の表を参考にしてください。
項目 | 目安 | 内容 |
---|---|---|
保証料 | 0~70万円 | 契約者が返済不能になった場合に、保証会社が弁済するための費用。保証料がない場合、事務手数料が高い、審査が厳しいこともあります。 |
収入印紙代 | 2万円程度 | 契約書に貼る印紙代。購入金額によって変わります。 |
登録免許税 | 4~9万円 | 登記の際に支払う税金 |
不動産取得税 | 原則として不動産価格(課税標準額)の4% | 土地や建物などの不動産を取得した際にかかる税金。軽減措置が受けられるため、非課税になることが多いです。 |
登記手数料 | 5~10万円 | 登記を司法書士に依頼した場合にかかる報酬 |
団体信用保険料 | 10~12万円 | 契約者の死亡や高度障害により、住宅ローンの支払いができなくなった時のために加入する生命保険料 |
火災保険料 | 15~40万円 | 住宅火災に備えて加入する保険の費用 |
合計 | 50~210万円程度 | - |
住宅ローンの諸経費は、新築マンションの場合で物件価格の3~5%前後、建売住宅や中古住宅は6~8%前後、注文住宅は土地・建物の総額の10~12%前後が目安とされています。
項目の多い諸経費を試算するには、シミュレーションツールを利用する方法もあります。たとえば、住宅保証機構株式会社のシミュレーションツールなどがあり、概算で諸経費を把握することができます。
住宅保証機構株式会社のシミュレーションツール住宅ローンや諸経費はどのように支払うべき?
次に紹介する記事を読んでから最適な支払いタイミングを決めましょう。
諸経費を全額現金で支払う
諸費用を全額現金で支払えば、ローンにした場合の利息を支払わなくても済みます。手持ちの資金で賄えるなら、住宅ローンに追加される費用が抑えられます。ローンの支払い期間の長さを考えると、現金で支払って借入金額を減らしておくことで安心できるでしょう。
たとえば、将来的には転職などで収入が減るなどの変化が起こる可能性もあります。現金で支払うことは、将来へのリスク対策になるという考え方もあります。
一方で、諸経費を支払うと手元に残る現金は減ってしまいます。将来的に必要となる教育費や生活費など、出費が増えた際には生活が厳しくなる可能性もあるのです。
現金で払う場合は、あらかじめ諸経費がいくらかかるのかを把握し、計画的に貯蓄して準備しておく必要があります。
諸経費を住宅ローンに含める、あるいは別のローンを組む
諸経費を支払うための現金を用意できない場合には、諸経費を住宅ローンに組み込むことも可能です。または、住宅ローンとは別に諸費用ローンを組むなどの選択肢もあります。
諸経費を住宅ローンに組み込むメリットは、同じ金利で借りられる可能性があることでしょう。一般的に、諸経費のローン金利は住宅ローンよりも高いものです。ただし、金融機関によっては、含めることが可能な諸経費の項目が異なるため注意が必要になります。
諸費用分のローンを、物件購入費とは別のローンを組む方法もあります。住宅ローンの融資実行日よりも先に、諸費用の支払い日が来てしまう場合に有効です。
住宅ローンとは別に審査や手続きを行うため手間がかかります。また、金利が高いというデメリットも押さえておきたいですね。
諸費用ローンは、住宅ローンを借りる金融機関の指定で借りるのが一般的です。ほかの金融機関を利用すると、住宅ローンの審査に影響することもあるので要注意です。
住宅ローンや購入にかかる諸経費を抑えるコツ
住宅購入にかかる諸経費は、できるだけ安く抑えたいものです。税金など金額が定められているものは節約できません。
ただし、金融機関へ支払う手数料や保証料、不動産会社へ支払う入会手数料などは、安くできる項目もあることに注目しましょう。
諸経費が安い金融機関を選ぶ
住宅ローンの事務手数料や保証料は、金融機関によって差があります。
たとえば、事務手数料が固定で3万円台に設定されていることもあれば、融資額の2%程度に設定されている場合もあるのです。融資額が3000万円の場合、2%の設定で60万円程度の手数料になります。手数料は金融機関によって、かなりの差があることに注意しましょう。
保証料はネット銀行では0円としているところが多く、一方、都市銀行では40~200万円台と幅があり、審査結果の信頼度によって金額が変わってきます。諸経費だけで見た場合、ネット銀行のほうが安くなる可能性が高いでしょう。
ただし、金融機関によっては、手数料は安いが金利が高いというケースもあります。単に手数料が安いというだけでなく、金利も含めたトータル金額で判断しましょう。
仲介手数料が安い不動産会社を選ぶ
不動産購入の中で経費に占める割合が最も高くなるのが、不動産会社に支払う仲介手数料です。仲介手数料は、法律によって「物件金額の3%+6万円」が上限額と決められています。
たとえば、3000万円の物件なら96万円程度が目安となるでしょう。上限額を目安にして、できるだけ仲介手数料が安い不動産会社を選ぶようにするのがポイントです。
仲介手数料は不動産会社の報酬や諸経費になるため、仲介手数料が無料あるいは半額になるようなことはほとんどありません。ただし、まれに不動産会社が自社物件を販売していることもあるため、その場合は仲介手数料が安くなる可能性もあるでしょう。
また、差別化を図りたい不動産会社が、条件付きで手数料半額プランを実施している売買サービスもあります。
手数料の安い司法書士に依頼する
不動産登記を司法書士へ依頼した場合にかかる費用は、登録免許税と司法書士の報酬を合わせた額になるので10万円以上は必要になります。住宅ローンを利用する場合には抵当権設定登記も必要となり、借入額の0.4%の費用がかかります。
登録免許税は、住宅ローンや固定資産税の金額で決まるため、どの司法書士に依頼しても同じです。
しかし、司法書士に支払う報酬には差があります。たとえば、司法書士の相場は10万円前後ですが、大都市よりも地方の方が安いことがほとんどです。不動産会社から高い報酬の司法書士を紹介されないように、自分で安い司法書士を探すという方法もあります。
登記手続きは自分で行うこともできますが、不動産売買においては専門的な知識がないと難しいものです。一般的には、司法書士へ依頼することが多く、スムーズにミスなく手続きを進めるためには必要な経費と言えます。
住宅ローンや物件購入の諸経費は1割以上を見込んでおきましょう!
住宅ローンや住宅の購入の諸経費は、物件購入価格の3~8%程度かかると見ておいたほうがよいでしょう。たとえば、3000万円の物件購入なら、おおよそ90~240万円が目安となります。さらに、手付金も含むと1割以上準備しておく必要があるでしょう。
諸経費を抑えるには、金融機関や不動産会社、司法書士に支払う手数料や報酬の額がポイントです。諸経費のうち税金などの必要経費は額が決まっていますが、手数料は依頼先によって差があります。
事前に複数の業者の費用を比較し、できるだけ諸経費を抑えましょう。
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