太陽光FIT申請の手順と書類

太陽光発電を始めるには、多くの書類を用意して申請を行う必要があります。書類が多いだけでなく、複雑な申請手続きも済ませなければなりません。

太陽光発電の申請にかかる期間の目安は2〜3ヶ月ですが、各種手続きでつまづけばさらに長引いてしまうことでしょう。申請後にごたついて補正期限に間に合わないと、認定が取り消しになってしまう可能性もあります。

この記事では、太陽光発電の申請を迷いなく行えるよう、必要書類や電子申請の手順について解説します。

FIT認定の手続き概要

まずは、太陽光発電の設備認定の概要について確認しておきましょう。

FIT認定を受けるには事業計画の認定が必要

固定価格買取(FIT)制度を利用して太陽光発電の電力を売るためには、要件を満たして認定を受ける必要があります。

2016年4月からは、設備だけでなく太陽光発電所を運用するにあたっての「事業認定」が必要です。

国は、太陽光発電を中心とする再生可能エネルギーの利用促進のために、確実性の高い事業計画を認定していく方向です。なので、きちんと稼働し、法や安全性を守れる計画だとアピールしていきましょう。

ガイドラインもありますし、太陽光発電の販売会社が手続きをサポート・代行するケースもあります。

ポイントはルールを守り、メンテナンスできる体制

設置する場所に対しては、地域ごとに定められた法令や条例、ガイドラインなどを守り、住民の事業への理解を得るために適切なコミュニケーションを取る必要があります。

長期に渡り運用する事業であるため、事業者が太陽光発電を安定して効率的に維持できることも求められています。設備の適切な維持管理や保守点検を事業計画に盛り込みますので、メンテナンスについても予め考えておきましょう。

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事業計画認定 全体の流れ

まずは、太陽光発電の申請の流れと必要書類について概要を説明します。

太陽光発電を開始するにはまず、経産省に対して「事業計画認定申請」を行わなければなりません。事業計画書を経産省に提出し、申請内容を認めてもらわないと売電ができないためです。

事業計画認定の申請手続きに関する大まかな流れは、以下の通りです。

1.事業計画認定申請書の作成

事業計画認定申請書に、発電所の規模や太陽光パネルの設置場所といった必要事項を記入します。

2.必要書類の添付・申請書類提出

必要書類を添付し、申請書類を提出します。設備規模、設置場所、申請者によって必要な書類が異なる点に注意が必要です。

3.設置者の承諾

申請が終わると、設置者のもとに確認のメールが届きます。承諾すると、審査に進めるようになります。承諾をしないでいると審査が始まらないため、メールの確認を怠らないようにしてください。

4.審査・認定

申請内容で特に問題がなければ太陽光発電事業者として認定され、売電できるようになります。

なお、実際に売電を行うためには「電力会社との接続契約締結」が別途必要です。申し込むタイミングは認定前であれば特に決まりはなく、事業認定と同時でも問題ありません。

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事業計画認定を申請する方法

事業計画認定の申請は、電子申請システムを利用できます。ただし、太陽光発電の容量が50kW未満と50kW以上で異なる点があるので注意してください。

太陽光発電設備が50kW未満

「再生可能エネルギー電子申請ホームページ」からWeb申請ができます。事業者が直接、または代行事業者に依頼して「代行申請機関」への手続きを行い、経済産業局への申請が完了するシステムです。

太陽光発電設備が50kW以上

「再生可能エネルギー電子申請ホームページ」のWeb上で申請内容を入力したものをプリントアウトし、経済産業局へ郵送または持参します。その後、経済産業局が申請内容を閲覧して確認します。

事業計画認定は、事業者が自分で申請手続きをする場合には費用はかかりません。ただし、代行業者へ申請手続きを依頼する場合には、手数料が発生するため、事前に確認しておくといいでしょう。

申請に必要な書類 10kW未満/以上

太陽光発電設備が10kW未満

住宅用太陽光FIT申請の方法

設備規模が10kW未満の申請に必要な書類は以下の通りです。

1.土地の取得を証する書類

屋根でなく地面に立てる「野立て」で設置する場合には、土地の取得を証明する書類が必要となる。自己所有地であれば土地の登記謄本を提出することが求められます。他者所有地であれば土地の登記簿謄本と賃貸借契約書、または地上権設定契約書、または権利者の証明書が必要となる。

2.建物所有者の同意書類

屋根上に設置する場合は、建物所有者の同意書類が必要です。自己所有建物の場合は建物の登記謄本か、建築確認済証・売買契約書もしくは請負契約書、または土地の登記謄本を提出します。他者の所有する建物の場合は、建物の登記簿謄本と建物所有者の同意書、または建築確認済証と建物所有者の同意書が必要です。

3.構造図、配線図

標準の構造図・配線図と異なる場合は、構造図や配線図も提出する必要があります。

4.接続の同意を証する書類の写し

電力会社から接続の同意があったことを証明する書類の写しが必要となる。例えば接続契約の締結を証明する書類(工事費負担金通知書、太陽光契約確認書など)、工事費負担金の請求書といったものがあてはまる。

5.委任状、印鑑証明

設置者本人ではなく、業者が代行で申請する場合には本人の委任状や印鑑証明も必要となる。

設備規模が10kW以上の申請に必要な書類

10kW以上太陽光のFIT申請手順

設備規模が10kW以上の申請に必要な書類は以下の通りです。

1.戸籍謄本または住民票

設置者の戸籍謄本または住民票が必要となる。

2.申請者の印鑑証明

3.土地の取得を証する書類

野立ての場合、自己所有地であれば土地の登記謄本。他者所有地であれば土地の登記謄本、賃貸借契約書・地上権設定契約書・権利者の証明書のいずれかが必要になる。

4.建物所有者の同意書類

屋根上に設置する場合は建物所有者の同意書類を準備します。自己所有の場合は建物の登記謄本、または建築確認済証・売買契約書・請負契約書、もしくは土地の登記謄本のいずれかを準備します。

他者所有の場合には、建物の登記簿謄本・建物所有者の同意書・所有者の印鑑証明、または建築確認済証・建物所有者の同意書・所有者の印鑑証明を用意しておく。

5.発電設備の内容を証する書類

太陽光パネルやパワーコンディショナの仕様書が該当します。

6.構造図、配線図

標準の構造図・配線図と異なる場合のみ必要となる。

7.接続の同意を証する書類の写し

8.事業実施体制図

事業計画を実施するための事業体制(保守点検会社等の事業実施関連会社など)を明らかにする書類の添付が必要です。

9.関係法令手続状況報告書

事業を実施するために必要な、関係法令の手続状況が分かる書類も必要となる。

10.委任状

業者が代行で申請する場合、かつ設置者のメールアドレスがない場合には委任状が必要です。

太陽光発電の申請「新規事業計画」の電子申請手順

太陽光発電の申請は電子申請で行うのが一般的です。ここでは、具体的な電子申請の手順について解説します。

電子申請は、再生可能エネルギー電子申請ページから行うことが可能です。

申請者が行う手続きがこちらです。

  1. 「電子申請マイページ」にログインします。未登録の場合はまず「新規登録」を行ってから手続きに進む。
  2. メニューから「設備申請入力」をクリックします。
  3. 「発電設備区分」の中から該当するものを選択します。
  4. 各申請項目を入力します。
  5. 申請内容を確認し「保存して次へ進む」をクリックします。
  6. 必要書類の添付を行う。
  7. 申請が完了すると、申請IDが表示されます。
  8. ※ 今後の手続きに必要となるため、この時点で忘れずに控えておく。

ここから先は、設置者が行う手続きです。

  1. 申請が終了すると、あらかじめ登録した設置者のメールアドレスに承諾コードが届く。
  2. 承諾コードを入力し、内容に問題がなければ「承認」をクリックします。
  3. ※ 内容に間違いがあった場合には「拒否」をクリックして、修正しよう。

以上で審査前にやるべき手続きは終了となり、あとは認定が降りるのを待つのみとなります。

事業計画認定を受けるために必要な基準

事業計画認定を受けるために知っておきたい、具体的な基準について解説します。

まず、発電設備には適切な保守点検や、メンテナンスを行う体制があることが求められています。設置時に機器に対する維持管理の計画を立てることで、長く運用していく見通しを持つことができます。

安定した発電量を確保するために、特定計量器を使って売電量を計測することも必要とされます。機器の不具合や発電量の低下などを早期に発見し対処するためには、発電性能を適正に計測することが欠かせないのです。

また、太陽光パネルには、種類ごとに定められている規定の変換効率以上でなければなりません。具体的には、シリコン単結晶やシリコン多結晶系の太陽光パネルは13.5%以上、シリコン薄膜系の太陽光パネルは7.0%以上、化合物系のパネルは8.0以上とされています。

事業計画の申請手続き時には、発電設備の型番などの具体的な記載も必要です。そのため、申請準備の段階では、機器のメーカーや型番についても確認しておきましょう。

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平成29年のFIT法改正により追加された基準

平成29年4月、再生可能エネルギーのさらなる拡充と、再エネ賦課金による国民負担を抑制するため、改正FIT法が施行されました。この改正で追加された基準について解説します。

長期間の事業計画

再生可能エネルギーの発電事業は、20年間という長期に渡る調達期間が定められています。そのため、「長期間の安定した発電事業が可能」と判断できるような事業計画が必要になるのです。

保守点検と維持管理

長期に渡って安全に太陽光発電設備を運用するには、機器類のメンテナンス欠かせません。そのため、事業計画には、設備の適切な保守点検や維持管理ができる運用体制を明確に盛り込まなければならないとしています。

標識の掲示

20kW以上の太陽光発電設備の場合には、事業者情報を記載した標識を掲示しなければなりません。これは、近隣の住民が見やすい場所に掲示し、責任の所在を明らかにすることで事業に対する不安へ対処するためです。

発電設備廃止に伴う取り扱い

事業計画には、発電設備を廃止する際に機器を撤去する内容も記載する必要があります。リサイクルやリユース、廃棄といった設備の処分方法や費用について、発電事業を廃止する際の取り扱い計画が明確でなければなりません。

3年以内の運転開始計画

10kW以上の太陽光発電に関しては、事業計画認定後3年以内に運転開始が可能な計画であることが定められました。

運転開始が遅れた場合、事業計画時の買取価格で想定した事業コストが年々下がっていきます。そのため、事業者が高いFIT価格を持ったまま、抵コストで事業を行うのを避ける必要があります。

法令の遵守

再生可能エネルギー発電事業には、関連する法令や条例の規定があり、事業者はこれを遵守しなければなりません。設備の設計時には「電気事業法」、設置する際には「建築基準法」などがあります。

太陽光発電に関する法令は多岐に渡るため、遵守すべき法令・条例については、設置する自治体に問い合わせて確認する必要があります。

接続契約の締結

改正前のFIT制度では、太陽光発電設備の設置後に送配電業者と接続契約を締結することが認められていました。しかし、改正後の事業計画認定制度では締結後に申請することが基準となったため、事前に接続契約を締結しておかなければなりません。

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事業計画認定の手続きに関する注意点

事業計画認定の手続きは、正しく行わないと認定されません。予定通りに進められるよう、手続き時の注意点を確認しておきましょう。

事業計画認定には2カ月以上かかることも

通常の場合では、事業計画認定には1~2カ月程度かかると考えられます。しかし、認定手続きや審査が複雑になったため、認定されるまで2カ月以上かかるケースも多いです。

改正前の設備認定では発電設備だけで申請できましたが、改正後は事業者や土地などに関する確認事項も増えたからです。

さらに、申請内容に不備があれば、指摘された箇所の補正が必要になります。そうなれば、認定までの期間がさらに長引いてしまうでしょう。期限ギリギリを避けて、早めに事業計画を作成し、申請しておくのがベターです。

事業計画認定には申請期限があることにも注意

買取価格が下がらないうちに認定を受けたいという申請者が多く、事業計画認定の申請は、年度末に集中していました。そのため、2018年度からは、年度内に申請期限が設けられています。

もし、期限を過ぎてから申請した場合、年度内の案件として認定が受けられず、次年度のFIT価格が適用されることになります。

申請内容に不備があり補正依頼があった場合にも「補正期限」が設けられているため、期限内に再申請しなければなりません。補正依頼の可能性も視野に入れて、早めに申請すると安心です。

【新型コロナ】2020年度申請分の救済措置を発表

2021年1月7日に発出された新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に伴い、認定遅れでFIT価格が変わってしまう案件への救済措置が出ています。

要件に合う案件については認定が2021年度4月以降に伸びても2020年度のFIT価格が適用されます。

詳細はこちらの発表資料をご確認ください。
太陽光発電・風力発電の 2020 年度新規・変更認定に関する経過措置について(お知らせ)

事業計画認定の変更のしかた

事業計画認定を受けられたあとも、事業計画の内容に変更があった場合はその都度変更手続きが必要です。ここでは、事業計画の変更手続きの方法について説明します。

変更内容の大きさによる2種の手続き

変更手続きには「変更認定申請」「事前変更届出」「事後変更届出」の3種類があります。

事業計画に大幅な変更がある場合は「変更認定申請」。軽微な変更の場合は「事前変更届出」または「事後変更届出」を行います。

変更内容によっては調達価格が変わることもあるため、事前に確認しておきましょう。

変更認定申請が必要な大幅な事業計画の変更例

発電設備の区分変更、移設に伴う設置場所の変更、事業譲渡などが挙げられます。

軽微な変更に該当する変更内容

社名変更や相続、接続契約締結先の変更などです。事前変更届出や事後変更届出をします。

事業計画認定の変更手続き方法

事業計画認定の変更手続きは、50kW未満の場合「固定価格買取制度 再生可能エネルギー電子申請」から行います。

手続きがweb上で完結するため、準備ができたらすぐに申請しておきたいですね。

50kW以上の場合は、必要な書類を用意してから、発電所がある都道府県を管轄する経済産業局へ郵送で申請します。変更の申請をしてから認定されるまでには3カ月程度かかるため、早めに進めることが大切です。

事業計画認定の変更手続きが受理されれば、経済産業局から「変更認定通知書」または「受理印が捺印された届出書」が郵送されます。

1日でも早く売電するため!太陽光発電の申請は正確に

太陽光発電の申請は必要書類も多く、また申請方法も複雑です。

また電子申請では入力した内容に不備があったとしても、後から編集できない仕組みになっています。もし入力内容に誤りがあった場合には、設置者に内容を拒否してもらうか、問い合わせ窓口に電話して修正できるようにしてもらうなど、余計な手間がかかってしまうのです。

太陽光発電の申請から認定まではもともと時間のかかる手続きですが、申請数の増加に伴い、審査が終わるまでの期間がさらに長期化している傾向にあります。申請から認定までに3~6カ月かかってしまうことも珍しくありません。

入力内容や書類の不備などのミスがあれば、さらに時間がかかることが予想されます。

太陽光発電の買取価格や関連制度は毎年のように変更があるため、現在の買取価格や太陽光発電関連の補助金が来年度以降も続くかは不透明な状況と言えます。つまり、太陽光発電を始めると決めたら、1日でも早く始めたほうが有利になるでしょう。

そして、差し戻しを防ぐために、各手続きを慎重に確認することが重要です。

せっかくの太陽光発電、なるべく有利な状況で始めたいものです。単純なミスでタイムロスをしないよう、正確な申請を心がけるべきです。

https://www.tainavi-pp.com/investment/solar/36/

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