太陽光FIT申請の手順と書類

太陽光発電を始めるためには電力会社への申し込みだけではなく、別途多くの書類を用意して申請を行う必要がある。また、書類が多いだけでなく、複雑な申請手続きも済ませなければならない。

資源エネルギー庁は2018年8月、審査実態を踏まえてFIT制度に係る標準処理期間を見直した。太陽光発電の申請は2ヶ月〜3ヶ月かかる見通しとされたが、各々の手続きでつまづけばさらに長引いてしまうことだろう。

そこで、この記事では太陽光発電の申請を迷いなく行えるよう、必要書類や電子申請の手順について解説する。

事業計画の認定申請 全体の流れ

まずは、太陽光発電の申請の流れと必要書類について概要を説明する。

太陽光発電を開始するにはまず、経産省に対して「事業計画認定申請」を行わなければならない。事業計画書を経産省に提出し、申請内容を認めてもらわないと売電ができないためである。

事業計画認定の申請手続きに関する大まかな流れは、以下の通りだ。

1.事業計画認定申請書の作成

事業計画認定申請書に、発電所の規模や太陽光パネルの設置場所といった必要事項を記入する。

2.必要書類の添付・申請書類提出

必要書類を添付し、申請書類を提出する。設備規模、設置場所、申請者によって必要な書類が異なる点に注意が必要である。

3.設置者の承諾

申請が終わると、設置者のもとに確認のメールが届く。そこで承諾をすることにより、はじめて審査に進むことが可能となる。承諾をしないでいると審査が始まらないため、メールの確認を怠らないようにすべきである。

4.審査・認定

申請内容の審査が行われ、特に問題がなければ太陽光発電事業者として認定され、売電できるようになる。

なお、実際に売電を行うためには「電力会社との接続契約締結」が別途必要になる。申し込むタイミングについては認定前であれば特に決まりはなく、申請と同時に申し込むような形でも問題はない。

設備規模が10kW未満の申請に必要な書類

住宅用太陽光FIT申請の方法

設備規模が10kW未満の申請に必要な書類は以下の通りである。

1.土地の取得を証する書類

屋根でなく地面に立てる「野立て」で設置する場合には、土地の取得を証明する書類が必要となる。自己所有地であれば土地の登記謄本を提出することが求められる。他者所有地であれば土地の登記簿謄本と賃貸借契約書、または地上権設定契約書、または権利者の証明書が必要となる。

2.建物所有者の同意書類

屋根上に設置する場合は、建物所有者の同意書類が必要である。自己所有建物の場合は建物の登記謄本か、建築確認済証・売買契約書もしくは請負契約書、または土地の登記謄本を提出する。他者の所有する建物の場合は、建物の登記簿謄本と建物所有者の同意書、または建築確認済証と建物所有者の同意書が必要になってくる。

3.構造図、配線図

標準の構造図・配線図と異なる場合は、構造図や配線図も提出する必要がある。

4.接続の同意を証する書類の写し

電力会社から接続の同意があったことを証明する書類の写しが必要となる。例えば接続契約の締結を証明する書類(工事費負担金通知書、太陽光契約確認書など)、工事費負担金の請求書といったものがあてはまる。

5.委任状、印鑑証明

設置者本人ではなく、業者が代行で申請する場合には本人の委任状や印鑑証明も必要となる。

設備規模が10kW以上の申請に必要な書類

10kW以上太陽光のFIT申請手順

設備規模が10kW以上の申請に必要な書類は以下の通りである。

1.戸籍謄本または住民票

設置者の戸籍謄本または住民票が必要となる。

2.申請者の印鑑証明

3.土地の取得を証する書類

野立ての場合、自己所有地であれば土地の登記謄本。他者所有地であれば土地の登記謄本、賃貸借契約書・地上権設定契約書・権利者の証明書のいずれかが必要になる。

4.建物所有者の同意書類

屋根上に設置する場合は建物所有者の同意書類を準備する。自己所有の場合は建物の登記謄本、または建築確認済証・売買契約書・請負契約書、もしくは土地の登記謄本のいずれかを準備する。

他者所有の場合には、建物の登記簿謄本・建物所有者の同意書・所有者の印鑑証明、または建築確認済証・建物所有者の同意書・所有者の印鑑証明を用意しておく。

5.発電設備の内容を証する書類

太陽光パネルやパワーコンディショナーの仕様書が該当する。

6.構造図、配線図

標準の構造図・配線図と異なる場合のみ必要となる。

7.接続の同意を証する書類の写し

8.事業実施体制図

事業計画を実施するための事業体制(保守点検会社等の事業実施関連会社など)を明らかにする書類の添付が必要である。

9.関係法令手続状況報告書

事業を実施するために必要な、関係法令の手続状況が分かる書類も必要となる。

10.委任状

業者が代行で申請する場合、かつ設置者のメールアドレスがない場合には委任状が必要である。

太陽光発電の申請「新規事業計画」の電子申請手順

太陽光発電の申請は電子申請で行うのが一般的である。ここでは、具体的な電子申請の手順について解説する。

電子申請は、再生可能エネルギー電子申請ページ(https://www.fit-portal.go.jp/)から行うことが可能である。

まず、申請者が行う手続きから紹介する。

1.「電子申請マイページ」にログインする。未登録の場合はまず「新規登録」を行ってから手続きに進む。

2.メニューから「設備申請入力」をクリックする。

3.「発電設備区分」の中から該当するものを選択する。

4.各申請項目を入力する。

5.申請内容を確認し「保存して次へ進む」をクリックする。

6.必要書類の添付を行う。

7.申請が完了すると、申請IDが表示される。今後の手続きに必要となるため、この時点で忘れずに控えておく。

ここから先は、設置者が行う手続きだ。

8.申請が終了すると、あらかじめ登録した設置者のメールアドレスに承諾コードが届く。

9.承諾コードを入力し、内容に問題がなければ「承認」をクリックする。もし内容に間違いがあった場合には「拒否」をクリックし、修正しよう。

以上で審査前にやるべき手続きは終了となり、あとは認定が降りるのを待つのみとなる。

1日でも早く売電するため!太陽光発電の申請は正確に

今回のコラムで紹介してきた通り、太陽光発電の申請は必要書類も多く、また申請方法も複雑である。

また電子申請では入力した内容に不備があったとしても、後から編集できない仕組みになっている。万が一入力内容に誤りがあった場合には、設置者に内容を拒否してもらうか、問い合わせ窓口に電話して修正できるようにしてもらうなど、余計な手間がかかってしまう。

太陽光発電の申請から認定まではもともと時間のかかる手続きだが、申請数の増加に伴い、審査が終わるまでの期間がさらに長期化している傾向にある。申請から認定までに3~6カ月かかってしまうことも珍しくない。

入力内容や書類の不備などのミスがあれば、さらに時間がかかることが予想される。

太陽光発電の買取価格や関連制度は毎年のように変更があるため、現在の買取価格や太陽光発電関連の補助金が来年度以降も続くかは不透明な状況と言える。つまりは、太陽光発電を始めると決めたら、1日でも早く始めたほうが有利になるだろう。

そして、差し戻しを防ぐために、各手続きを慎重に確認することが重要だ。

せっかくの太陽光発電、なるべく有利な状況で始めたいものだ。単純なミスでタイムロスをしないよう、正確な申請を心がけるべきである。

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