固定資産税が市町村ごとに変わる! 生産性向上特別措置法とは

現在、太陽光発電への投資を検討している中小企業も多いかもしれない。実際に投資を行うことになれば、少しでも自社にとって得になる制度を利用したいというのが本音だろう。

しかし、太陽光発電を取り巻く税制度は目まぐるしく変化している。

ここでは太陽光発電で使える「生産性向上特別措置法」の概要や特徴、他に利用できる現行の税制度について紹介する。

生産性向上特別措置法とは?

制度を利用することで、お得に太陽光発電を導入できるのではないかと注目を集めているものに、「生産性向上特別措置法」がある。中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に、太陽光発電が該当するのだ。

ただし、全ての太陽光発電が本税制を使えるのではない。設置形態や用途によって、判断が分かれるケースがあるので、少々厄介だ。

まずは生産性向上特別措置法の概要や特徴について解説していこう。

生産性向上特別措置法の概要

生産性向上特別措置法は、新規に取得した設備投資について中小企業が市区町村の認定を受けた場合、固定資産税が最大で3年間0円になるという内容で、太陽光発電などへの投資を支援している。

2018年6月に施行された「生産性向上特別措置法」の中で、2018年から2020年までの3年間が「生産性革命・集中投資期間」として位置づけられた。中小企業の設備投資を後押しし、最終的には設備投資額を2016年より10%増加させることが目標だ。

対象となる具体的な設備や事業・業種、特例率は自治体によって異なるため、自治体ごとに定められる「導入促進基本計画」を参照することが必須である。太陽光発電に関しては、対象とする設備の状態が自治体によってまちまちだ。

例えば、長野県佐久市の導入促進基本計画においては、「所有する建物に設置する太陽光発電が対象・固定資産税はゼロ」としている。空き地に建てるものは明確に対象外とされた。

一方、同じ長野県でも箕輪市の導入促進計画では「太陽光発電による売電を主たる業務にする者が設置する太陽光発電設備」と「自家消費用に設置される太陽光発電」が対象とされている。

同じ県内であっても、措置の対象となる太陽光発電の規定にはこのように差異が出てくるため、注意が必要である。また、対象事業であっても申請して認められるとは限らないため、各自治体の方針をよく理解し、自治体の担当課へ問い合わせることが大切である。

2018年時点の各自治体の方針を見ると、対象になることが多いのは自社の事業に太陽光発電の電気を使う自家消費、余剰売電、そして自己所有の建物に設置する場合である。

一方で対象外になりがちなものは、全量売電、土地付き太陽光発電や遠隔地に設置する太陽光発電などの土地に自立して設置するもの、中古資産である。全量売電に関しては、ごく一部の自治体で容認されるように解釈できるところもあるが、確認が必要である。

生産性向上特別措置法の対象企業と設備

「生産性向上特別措置法」の対象となる企業は、中小企業である。例えば、資本金が3億円以下、もしくは従業員が300人以下の製造業や建設業の企業が対象となる。税制支援の対象となる中小企業とはまた規模要件が異なるため、注意が必要だ。

基本的には自治体内全域の全業種が対象となるが、この措置法のポイントは生産性を向上させることであるから、年率で3%以上の労働生産性の向上が見込める企業や、導入することで生産性が上がる機械・設備というものが、より具体的な対象として定められている。

生産性向上特別措置法の問い合わせ先

生産性向上特別措置法」を利用する場合には、事業所のある市区町村の役所の担当課に問い合わせるのが良いであろう。「自治体の名前+生産性向上特別措置法」で調べると自治体の問い合わせ先が分かる。

自治体によって内容が異なる本税制は、疑問点があればすぐに各窓口へ問い合わせてしまうほうが良いだろう。

生産性向上特別措置法の手続き方法

実際に制度を利用するためには、申請書類に記入して、その他の必要書類と共に役所に申請を行うことが必要だ。申請書類には「先端設備等導入計画」というものがあり、この計画について認定を受けることが要件となる。

申請書類は窓口でも受け取ることができるが、中小企業庁のホームページからダウンロードもできる。申請自体は窓口に持参でも良いし、郵送での申請も可能だ。

中小企業が太陽光発電に投資するメリット

中小企業が余剰売電の太陽光発電へ投資を行うことのメリットと、新たに設備投資を行うことによる費用とを天秤にかけて迷っている企業も多いかもしれない。

ここからは中小企業が太陽光発電投資を行うメリットを紹介する。

メリット①税制優遇が受けられる

太陽光発電は生産性を向上する機械と認められるため、国の節税制度を利用することができる。前項まで述べてきたような「生産性向上特別措置法」や、他にも「中小企業経営強化税制」という優遇税制が国によって用意されていることが、太陽光発電のメリットである。

メリット②電気料金の削減

発電量の予測精度は年々上がっている。何よりも、多くの企業が金融機関からの融資を受けて太陽光発電を導入している状況を見るに、太陽光発電は信頼性の高い設備投資と言えるのだ。化石燃料由来の電気と太陽光由来の電気を置き換えることによるCO2削減効果は、企業PRに活用できる。

注意すべき点として、全量売電については殆どが税制優遇の対象外となることだ。自治体によっては、発電事業を目的とした太陽光発電も固定資産税低減の対象に含むと解釈できるケースもある。生産性向上特別措置法や導入促進基本計画の知識をもつ太陽光発電事業者などと連携し、よく確認しながら事業計画を立てよう。

太陽光発電が対象となる税制一覧

施工業者が増えて価格競争が起こり、コストも下がってはきたが、まだまだ太陽光発電には初期投資額が一定程度かかる。利用できる税制などがあれば賢く利用しておきたい。

ここからは、太陽光発電が対象となる税制度を一覧で紹介していく。

中小企業経営強化税制の固定資産税の特例

「中小企業経営強化税制の固定資産税の特例」というものが、太陽光発電に利用できる。ただし、FITを適用した設備は対象外になるため、自家消費で電力コストを削減し、環境の付加価値をつける方向で計画を立てよう。

本税制は取得から3年間は、償却資産税が2分の1に減免されるという内容だ。期間は2019年度末までとなっている。

この優遇措置を受けられるのは、資本金が1億円以下の中小企業である。旧モデル比で生産性が1%以上向上している設備が対象で、メーカーから証明書を入手し、さらに「経営力向上計画」を経済産業局に申請して認定を受けることが要件だ。

中小企業経営強化税制

「中小企業経営強化税制」も利用が可能な制度である。前項と似ているが、こちらは電気事業者は対象外である。従って、全量売電は対象とならない。対象事業に太陽光発電の電気を用いる余剰売電、FITを使わない自家消費用太陽光発電が対象だ。

電気事業者以外で、資本金が3000万円から1億円以下の中小企業が、企業の生産性向上や収益力向上が見込める設備を取得した際に利用ができる。その設備費用について、減価償却せずに100%を経費にするか、あるいは7%の税額控除が受けられるようにするか、どちらかを選べるというのが優遇内容だ。

また、資本金3000万円以下の中小企業や個人事業主も対象となる。その場合に税額控除を選ぶと、10%の優遇になる。優遇措置を選べるのがメリットだが、即時償却ができるのはFIT制度を使わない設備に限る。

制度期間は2019年度末までだ。旧モデル比で生産性が1%以上向上している設備か、あるいは投資収益率が年平均5%以上となる計画の設備についてメーカーから証明書を入手し、「経営力向上計画」を経済産業局に申請して認定を受けることが要件となる。

グリーン投資減税

グリーン投資減税は2018年度末までの制度である。中小企業の発電設備について、30%の特別償却か7%の特別減税措置が受けられる。

しかし、2016年度の税制改正によって、FIT制度を使用している太陽光発電設備は対象外になった。つまり、全量売電・余剰売電共に対象外である。企業の運営に必要な電力を補うことが目的の、自家消費型設備だけが対象となっている。

生産性向上特別措置法と中小企業経営強化税制の違い

ここで改めて、生産性向上特別措置法と中小企業経営強化税制の優遇措置の違いについて簡単にまとめておく。

まず、生産性向上措置法においては、期間は2018年から2020年度末までで、優遇対象者は資本金が1億円以下の中小企業である。固定資産税が3年間にわたって0円か、2分の1にまで減免されるという優遇を受けることができる。

その措置を受けるためには、「先端設備導入計画」を提出して認定を受けることが要件となる。

一方の中小企業経営強化税制は、期間は2017年から2019年度末までで、資本金が3千万円以下の中小企業・個人事業主か、3千万円から1億円以下の中小企業が対象となる。100%の即時償却か、税額控除のいずれかを優遇措置として選ぶことができる。

税額控除の場合、資本金が3千万円以下の場合には10%、3千万円から1億円以下の場合には7%の控除となる。

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太陽光発電を巡る税制は、ほとんど毎年変更が加えられている。発電規模や用途によって適用できる税制度や内容が異なるため、税理士に依頼するのを強くおすすめする。

さらに、施工店の税制に対する知識も求められるだろう。複数社から一括見積りを取るときには、価格面と共に知識についてもチェックするべきだ。

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