再生可能エネルギーの普及が進む中、産業用太陽光発電への投資を考えている人も居るかもしれない。しかし、太陽光発電には起こりがちなトラブルというものがあり、それによって思わぬ損害を受けることもある。
損害を防ぐには、トラブルにどう対処すればよいのだろうか。様々な対処法や、利用できる保険の種類について解説する。
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産業用太陽光発電の保険の重要性とは
あらかじめ保険へ加入しておくということも、トラブルへの備えのためには大切である。万が一、トラブルによって損害が出てしまった場合、産業用太陽光発電に適用できる保険に加入しておけば、損害分の補償が出る。
しかし、保険に加入していなければ損害費用の補填をすることができずに、最悪は事業を辞めなければならない可能性も出てくる。
保険に加入しているかいないかは、大きな差となるのである。
産業用太陽光発電のトラブル①施工
産業用太陽光発電でよくあるトラブルの1つに、施工トラブルがある。工事基準が遵守されていなかったり、太陽光発電設備が適切に設置されていないといったことが主だ。
なぜこのような事態が起こってしまうのだろうか。そこには、太陽光発電をめぐる現在の状況がある。
再生可能エネルギーを普及させるために、政府はFIT制度などを導入してきた。結果として、太陽光発電が広がりを見せたまでは良かったのだが、それがあまりにも急速であったため、実績の少ない施工業者が増えてしまったのである。
また、設置工事を行う業者には、資格の保持が義務づけられているのだが、それは1週間程度で取得できる、比較的簡単な資格であるということも理由の1つである。
このように、施工実績や経験の少ない業者に工事を依頼してしまった時に、設置時のミスなど、施工トラブルにつながりやすくなってしまうのである。
産業用太陽光発電のトラブル②天災
天災も、産業用太陽光発電でよくあるトラブルである。落雷や雪、台風などでケーブルなどが傷つくことによって、漏電などの危険性が高まる。近年の不安定な気象状況では注意が必要だ。
また、天災ではないが、雑草によるトラブルも増えている。雑草対策をしないままだと、太陽電池モジュールに影ができてしまい、発電量に影響が生じる。
雑草で日陰になることによる発電効率の落ち方は、曇天や雨天時の落ち方よりも大きいとされているので、雑草対策も疎かにしてはならない。
産業用太陽光発電に利用できる保険の種類
トラブルへの対処のために保険に加入しようとしても、実際に産業用太陽光発電に適用できる保険にはどのようなものがあるのか、分からないという人も多いのではないだろうか。ここからは利用できる保険の種類と、その主な補償範囲について紹介する。
火災保険
産業用太陽光発電で生じうるトラブルに適用できる保険として、火災保険がある。何らかの原因による火災は勿論だが、落雷や風災、雪災などの自然災害による損害を広くカバーする。また、自然災害だけではなく、電気的・機械的事故によるトラブルも補償の範囲内となる。
火災保険は補償範囲が広いが、対象を絞り込むことで保険代金を下げることができる場合が多いので、設置場所の環境などを良く考えて決めると良いだろう。
動産総合保険
動産総合保険も産業用太陽光発電設備に利用することができる。火災保険と同様に、自然災害による損害を幅広くカバーしている。飛来物や、いたずら、突発的な事故などによる損害も範囲内である。
しかし、もともとの設備の欠陥によって生じた損害や、摩耗・さびや腐食などの自然に使用することで生じる劣化による損害は、補償の範囲外である。
動産総合保険による補償は、火災保険と補償範囲がほぼかぶっている。しかし、設置場所による違いや、保険会社によっても補償内容に若干の違いがある。基本的には動産保険の方が火災保険よりも補償範囲が広い場合が多いが、必ず確認するようにしよう。
休業補償保険
休業補償保険というものもある。火災や天災、突発的な事故などの理由で、発電所が停止し発電できなくなってしまった場合に、得られるはずであった売電収入を補填する保険である。
火災保険や動産総合保険の場合、損害を受けた設備に対しての補償はなされるものの、得られるはずの収入の補填まではされない。加入していれば、万が一の時にはかなりの助けになる保険である。
賠償責任保険
これは、自身が所有する太陽光発電設備に関連するものが、他人に損害を与えてしまった時のために備える保険である。
例えば、発電設備が火事となり近隣住宅にまで燃え広がってしまったり、太陽電池モジュールが風で飛んで住宅を直撃し、破損させてしまったなどの場合に適用する。
太陽光発電が普及するにつれて、近隣住民とのトラブルも増えつつある。損害を受けた時だけではなく、損害を与える側になってしまった時に備えることも必要である。
産業用太陽光発電向けの保険プラン事例
産業用太陽光発電に適用できる火災保険や動産総合保険、休業補償保険などを、いくつか組み合わせてプランとして提供している保険会社もある。ここからはそのプランのうちのいくつかについて、具体的な内容を紹介する。
損保ジャパンの売電収入補償特約
損保ジャパンは、太陽光発電事業者向けに「売電収入補償特約」というプランを用意している。これは火災保険とセットにして付ける事のできる特約だ。
火災や自然災害によって発電がストップしてしまい、得られるはずの売電収入が得られなくなった場合に、その分を補償するものである。
三井住友海上火災のメガソーラー総合補償プラン
三井住友海上火災には「メガソーラー総合補償プラン」というものがある。火災保険と賠償責任保険という災害時の補償にプラスして、日照時間の不足による売電収入の減少に対する補償がセットになったプランである。
日照時間不足の補償はオプションとして提供されており、事業者のニーズによってプランの設計が可能である。リスクの診断結果によっては保険料が割引となることもある。
産業用太陽光発電でよくあるトラブルの対処法
工事ミスにしても、天災にしても、トラブルがもとで太陽光発電事業から撤退せざるを得なくなるような事態を招かないために、しっかりとした対策方法を考えておく必要がある。ここからはよくあるトラブルへの対処法について解説する。
施工トラブルを避けるために施工業者を適切に選ぶ
まずは、信頼のできるしっかりした施工業者を選ぶということが、何よりも大切である。施行実績がどのくらいあるのか、業者について一通り調べて確認しよう。
また、自らもある程度の知識は備えておくことが重要だ。業者と話をしてみて、太陽光発電に関する知識がどの位あるのか、矛盾したことを言っていないかどうか、その知識をもとに判断しよう。
日頃のメンテナンスを怠らない
メンテナンスを怠らないということも、トラブルを未然に防ぐための方法として非常に有効である。
メンテナンスにも日常メンテナンスと、定期メンテナンスがある。日常メンテナンスでは、発電設備周りの清掃とチェックを行うようにする。これによって、天災などによる不具合にもすぐに気づけるようになる。
定期メンテナンスは、業者に依頼すると良いだろう。まれに、太陽光発電はメンテナンスフリーと謳っている業者がいる。しかし、メンテナンスを行わないと設備の劣化が早くなるので、そのようなことを謳う業者には注意が必要である。
そもそも、改正FIT法によりメンテナンスが義務化されている。知識のあるしっかりとした業者であれば、施工の段階でメンテナンスの提案があるはずだ。
メンテナンスを行っているのは施工業者だけではなく、太陽光発電専門のメンテナンス会社もあるので、色々と比較検討してみると良いだろう。
現在では法律も整備されてきて、契約と運用を適切に行わなければ、売電権利が剥奪される可能性もある。この点については、施工業者だけではなく、発電事業者側も意識をしておきたいところだ。
保険料を支払った上で利回りを確保するなら、一括見積りが設置費用の削減に有効だ。施工品質をチェックするためには、施工店以外の第三者による、太陽光発電所のセカンドオピニオンも欠かせない。
施工トラブルを避け、トラブル時の支出に備えることで、太陽光発電投資のリスクのほとんどに対応できるのだ。
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