
再エネ主力電源化の流れを受け、新たな収益源やエネルギー調整の手段として、系統用蓄電池ビジネスへの参入を検討する法人が増加しています。
投資判断の要となる導入コストを分析すると、2024年のデータでは、系統用蓄電池のシステム単価は1kWhあたり5.4万円です。 ※出典:経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」
しかし、この表面上の数字だけで収支計画を立てるのは早計です。
実際には、工事費やランニングコストなどが積み重なり、最終的な見積もりが当初の想定から数億円単位で上振れするケースも珍しくありません。
こうした総コストの上振れリスクを避ける手段のひとつが、すでに用地確保や系統接続の権利取得が済んだ「権利付き案件」の活用です。
条件が整った案件であれば、ゼロから蓄電池事業を進めるよりも導入費用の見通しが立てやすくなります。
本記事では、系統用蓄電池の単価や容量別の総額シミュレーション、補助金の活用法などを網羅的に解説します。
「相場感をつかみたい」「見積もりの妥当性を判断したい」という方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
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系統用蓄電池の導入にかかる価格相場
系統用蓄電池の導入費用は、原材料の市況や円安の影響を受けながら推移しています。
ここでは、価格の全体像を以下の2つの観点から詳しく解説します。
- 1kWhあたりの単価と市場の価格推移
- 容量規模別のkWh単価
導入規模や時期によって価格は大きく変わるため、まずは相場感をつかむところから始めましょう。
1kWhあたりの単価と市場の価格推移
系統用蓄電池のシステム単価(工事費を除く)は、1kWhあたり5.4万円が2024年度時点の相場です。
ただし、この価格は一定ではなく、原材料の市況や為替の動きに左右されながら年度ごとに変動しています。
三菱総合研究所が経済産業省の検討会でまとめた補助事業ベースのデータでは、直近3年間の推移は以下のとおりです。
| 年度 | システム単価(工事費を除く) |
|---|---|
| 2022年度 | 4.9万円/kWh |
| 2023年度 | 6.2万円/kWh |
| 2024年度 | 5.4万円/kWh |
価格を大きく左右しているのは、蓄電池の核心部品である「リチウムイオン電池セル」の原料相場です。
資源価格が上がればシステム単価も上昇し、下がれば低下するという構造になっています。
容量規模別のkWh単価
系統用蓄電池は、導入する容量が大きいほど1kWhあたりの単価が安くなる傾向があります。
一度に大量の機器を調達することで、1単位あたりのコストを削減できるスケールメリットが働くためです。
三菱総合研究所の調査に基づいた、容量区分別の設備費と工事費の内訳を以下の表にまとめました。
| 容量区分 | 設備費 | 工事費 | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| 10MWh未満 | 6.0万円/kWh | 1.5万円/kWh | 7.5万円/kWh |
| 10〜50MWh | 5.7万円/kWh | 1.5万円/kWh | 7.2万円/kWh |
| 50MWh以上 | 4.9万円/kWh | 1.1万円/kWh | 6.0万円/kWh |
10MWh未満の小規模案件と50MWh以上の大規模案件を比較すると、設備費だけで1.1万円/kWhの差が生じています。
工事費についても同様に、容量が大きくなるほど1kWhあたりの負担が軽くなっています。
初期投資の総額は大きくなりますが、1kWhあたりのコストパフォーマンスを重視するのであれば、一定以上の規模で導入することを検討してみましょう。
系統用蓄電池の導入費用内訳|本体とそれ以外にかかるコスト
三菱総合研究所の補助事業ベースのデータによると、2024年度の系統用蓄電池にかかる主な費用の内訳は、以下のとおりとなっています。

※出典:経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」
このように、系統用蓄電池の導入費用は、蓄電池本体の価格だけでは把握できません。
実際には、以下のような複数の費目が積み重なって総額が決まります。
- 蓄電池システム費用
- 設置工事費用
- 工事費負担金・専用線敷設費用
- ランニングコスト
それぞれの項目が具体的にどのような内容を含んでいるのか、詳細を順番に確認していきましょう。
蓄電池システム費用
蓄電池システム費用とは、電力を貯めて取り出すために必要な機器一式にかかるコストのことで、導入費用全体の約50〜60%を占めています。
主な構成要素とそれぞれの役割・価格目安は、以下のとおりです。
| 構成要素 | 役割 |
|---|---|
| 蓄電池本体(電池セル) | 電力を貯める・放出する中核部品 |
| PCS(パワーコンディショナー) | 蓄電池の直流電力と電力系統の交流電力を変換する装置 |
| BMS(バッテリーマネジメントシステム) | 電池セルの充放電制御・温度管理・異常検知を行い、安全性と長寿命化を支える制御装置 |
| コンテナ・空調設備 | 蓄電池やPCSなどの機器を収納し、温度を適切に保つための設備 |
このうち最もコストに影響するのが蓄電池本体であり、使用する電池の種類やメーカーの選定が総額を大きく左右します。
PCSも出力規模・変換効率・搭載機能などによって価格に幅があり、高効率・高機能な製品ほど価格が上がる傾向にあります。
導入を検討する際は、各構成要素の仕様と価格を個別に確認し、全体のコスト構造を把握したうえで比較検討するとよいでしょう。
設置工事費用
設置工事費用は、蓄電池を実際に現地へ据え付けるための一連の作業にかかるコストで、導入費用全体の約15〜20%を占めます。
具体的には、用地の土木造成や基礎工事などが含まれており、設置場所の条件や導入規模によって数百万円から数千万円まで幅があります。
工事費を抑えるには、平坦で地盤が安定した土地や、もともと工場の跡地や駐車場として整備されていた土地を選ぶのが有効です。
反対に地盤が弱かったり傾斜があったりする土地を選ぶと、大がかりな補強が必要になり、その分コストも跳ね上がってしまいます。
工事費は設備費と比べて見落とされがちですが、土地の状態次第で大きく膨らむ可能性があるため、用地選定の段階から工事コストを意識しましょう。
工事費負担金・専用線敷設費用
蓄電池を電力系統に接続して電気を売り買いするためには、設置工事とは別に「工事費負担金」と「専用線敷設費用」という2つのコストが発生します。
工事費負担金とは、蓄電池を送電網につなぐ際に、電力会社側の設備を増強・整備してもらうために支払う費用です。
導入費用全体の約2〜14%を占め、設置場所と最寄りの電柱や鉄塔(接続点)との距離が遠いほど金額は大きくなります。
一方の専用線敷設費用は、一般送配電事業者からの発動指令を受け取るために、自前の敷地から接続点まで専用の通信回線を引くコストです。
全体の約10〜15%を占め、一次調整力や二次調整力を扱う場合には設置が必要となりますが、簡易指令システムを活用すると不要になる場合もあります。
どちらの費用も土地選びの段階でほぼ決まってしまうため、事前の入念なシミュレーションが不可欠です。
ランニングコスト
系統用蓄電池は導入して終わりではなく、稼働を続ける限り毎年一定の維持費用がかかります。
年間のランニングコストの目安は建設費の約2〜3%であり、各項目の内訳は以下のとおりとなっています。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 保守点検費 | 蓄電池やPCS、制御装置などの定期点検・性能診断にかかる費用 |
| PCS交換費 | PCSが寿命を迎えた際にかかる交換費用 |
| アグリゲーター(※)利用料 | 卸電力市場や需給調整市場での売買を代行するアグリゲーターへの手数料 |
| 通信線維持費 | 一般送配電事業者からの発動指令を受け取る専用線や通信設備の維持にかかる費用 |
| 保険料 | 火災・自然災害・設備故障などに備えるための損害保険料 |
このうち特に注意が必要なのがPCSの交換費用で、稼働10〜15年目に交換が必要になる場合があります。
蓄電池本体は20年程度の運用が見込まれますが、運用途中で数百万〜数千万円の交換費用が発生する可能性があることを考慮しておきましょう。
事業計画を立てる段階から、初期投資だけでなく運用期間全体のコストを見積もっておくと、収益計画の精度が格段に向上します。
【容量別】系統用蓄電池の総額シミュレーション
系統用蓄電池の導入総額は、「1kWhあたりの単価 × 蓄電容量」でおおよその目安を算出できます。
ここでは2024年度の補助事業ベースの単価をもとに、代表的な3つの容量規模でシミュレーションを行いました。

※参考:経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」の容量区分別単価に基づき試算
容量が大きくなるにつれて1kWhあたりの単価が下がるため、大規模なプロジェクトほど投資効率が高まる傾向にあります。
なお、上記の金額には工事費負担金・専用線敷設費用・土地取得費などは含まれていません。
このシミュレーションはあくまで「設備費+工事費」の概算であり、実際は付帯費用やランニングコストまで含めた総額で判断する必要があります。
見積もりを取る際は、何が含まれていて何が別途費用なのかを必ず確認するようにしましょう。
系統用蓄電池の見積もり価格を左右する5つの要因
系統用蓄電池は、同じ容量でも見積もり金額が数千万円〜数億円単位で変わることがあります。
その差を生み出しているのは、蓄電池そのものの性能だけでなく、設置場所の条件や導入方法、市況といった複合的な要因です。
- 系統用蓄電池の種類とメーカー
- 用地条件
- 系統連系の距離と空き容量
- 導入スキーム
- 原材料市況と為替
予算を最適化するために、価格を変動させる主な要因を正しく把握しておきましょう。
系統用蓄電池の種類とメーカー
現在、系統用蓄電池の主流となっているのはLFP(リン酸鉄リチウムイオン電池)で、安全性の高さとコストの抑えやすさから多くの案件で選されています。
蓄電池には他にもいくつかの種類があり、用途や目的に応じて以下のように使い分けられています。
| 種類 | 特徴 | コスト傾向 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| LFP(リン酸鉄リチウムイオン電池) | 熱安定性が高く発火リスクが低い。サイクル寿命が長く、原材料コストも安価 | 安い | 系統用の主流。大容量化に適している |
| NMC(三元系リチウムイオン電池) | エネルギー密度が高く、同じ容量でもコンパクトに設計できる | やや高い | 設置スペースが限られる案件向き |
| NAS(ナトリウム硫黄電池) | 大容量・長時間の放電に対応可能。長期エネルギー貯蔵に強みがある | 高い | メガワット級の大規模貯蔵向き |
また、メーカー選定においては、特に海外メーカーが価格面で強い競争力を持っています。
海外製のシステムを導入する場合、特に中国系の大手メーカー製品では、国内メーカーに比べて1kWhあたり数万円規模で費用を抑えられる場合があるとされています。
ただし、蓄電池は長期運用が前提となるため、初期費用の安さだけで決めるのは禁物です。
故障時のメンテナンス対応や、運用支援の体制が整っているかまで含め、総合的な視点で比較検討しましょう。
用地条件
系統用蓄電池を設置する場所の条件は、導入費用を数百万円単位で左右する非常に重要な要素です。
系統用蓄電池は大型設備であり、蓄電池本体やコンテナなど非常に大きな荷重がかかるため、地盤が不安定な土地では大がかりな補強工事が避けられません。
傾斜地に設置する場合も、平坦な場所と比べて土地を整えるための造成コストが割高になる傾向にあります。
また、機器の稼働に伴う騒音対策として、近隣環境によっては防音壁の設置費用が必要になる点にも注意しましょう。
地盤・傾斜・周辺環境の3つを事前にチェックしたうえで土地を選定することが、想定外のコスト増を防ぐポイントです。
系統連系の距離と空き容量
系統用蓄電池を電力網へつなぐ際にかかる工事費負担金は、設置場所と送電設備との距離によって大きく変動します。
敷地内やそのすぐ近くに電柱・鉄塔・架空線などの設備がない場合、これらを新たに建設するための費用を負担しなければなりません。
また、接続先の系統に空き容量がない場合も、増強工事が追加で必要になることがあります。
送電線には一度に流せる電気の量に上限があり、すでに太陽光発電所などで空き容量が埋まっている地域も少なくありません。
インフラ整備が必要になると、接続費用だけで数百万円から数千万円単位のコストが上乗せされる可能性があります。
逆に言えば、既存の電力インフラがすでに整っている土地を優先的に選ぶことで、接続工事にかかる金銭的な負担を大幅に抑えられるはずです。
導入スキーム
系統用蓄電池をどのような方法で導入するかによっても、初期費用や長期的な総コストは変わります。
主な導入スキームには「購入」「リース」「アグリゲーター活用」の3つがあり、それぞれにメリットと注意点があります。
| 導入スキーム | 長期コスト | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 購入 (自社保有) |
最も抑えやすい | 設備を自社で保有するため、補助金の活用や即時償却など税制上のメリットを受けやすい |
| リース契約 | 購入より割高になる場合あり | 初期費用を抑えて導入できるが、長期間利用すると総支払額が購入費を上回ることがある |
| アグリゲーター活用 | サービス料が上乗せされる | 用地選定・工事・運用までを一括で支援してもらえる反面、管理・運用の長期契約が求められる |
購入(自社保有)は、数億円規模の初期投資が必要になりますが、設備が自社資産となるため、長期的には総コストを抑えやすい方法です。
リース契約は初期資金を抑えて導入できる一方、金利や手数料が含まれるため、リース期間全体の総額と購入した場合の総額を比較しておきましょう。
アグリゲーター活用は、自社にエネルギー事業のノウハウがない場合に有力な選択肢です。
用地選定から運用までワンストップで支援を受けられますが、サービス料がかかり続けるため、契約条件をしっかり確認しておきましょう。
原材料市況と為替
蓄電池の価格は原材料の国際相場と為替レートの影響を強く受けるため、同じ製品でも購入時期によって価格が大きく変わることがあります。
特に影響が大きいのが、リチウムイオン電池の主要原料である炭酸リチウムの価格です。
炭酸リチウムは2022年後半に国際価格が急騰し、2023年上半期にピークを迎えた後、急速に下落しました。
その影響で、系統用蓄電池のシステム単価も、2022〜2023年度には4.9万円/kWhから6.2万円/kWhまで上昇しています。
原料価格が落ち着いた2024年度には、5.4万円/kWhまで低下しました。
また、系統用蓄電池の主要部品は海外メーカー製が多く、円安や円高といった為替の動きもコストに直結します。
見積もりや契約のタイミング次第で総額が数千万円単位で変わることもあるため、世界情勢や市場の動向を常に注視しておきましょう。
系統用蓄電池に活用できる補助金一覧
系統用蓄電池は数億円規模の初期投資が必要ですが、国や自治体の補助金を活用すれば、実質的な負担を大幅に圧縮可能です。
系統用蓄電池に使える補助金を、以下の2つに分けて紹介します。
- 国の補助金
- 自治体独自の補助金
補助金には予算の上限や申請期限が設けられているため、早めに最新の公募情報を確認し、計画的に準備を進めるようにしましょう。
国の補助金
国の代表的な補助金は、経済産業省(資源エネルギー庁)の「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」(年度により名称は変わる場合あり)です。
補助率は、事業内容に応じて1/3〜2/3の範囲で設定されています。
仮に補助率2/3が適用された場合、総額6億円の導入費用であれば約4億円が補助され、実質負担は約2億円まで圧縮できる計算です。
国は系統用蓄電池を再生可能エネルギーの普及を支える「次世代のインフラ」として強く推進しており、多くの予算が投じられています。
令和8年度(2026年度)の予算案では350億円が計上されており、前年度の150億円から約2.3倍に大幅増額されています。 ※出典:経済産業省「令和8年度予算案の事業概要」
採択される案件数が増えることを意味するため、新規参入を検討する事業者にとっては活用のチャンスが広がっている状況です。
最新の公募要件や申請期間は経済産業省の公式サイトで随時確認し、公募スケジュールに合わせて事業計画を組み立てましょう。
自治体独自の補助金
国の補助金に加えて、一部の自治体では系統用蓄電池の導入を支援する独自の補助金制度を設けています。
制度によっては国の補助金と併用できる場合もあり、活用すれば実質的な負担をさらに抑えることが可能です。
代表的な例として、東京都の「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」があります。
電力系統に直接接続する大規模蓄電池の導入経費を助成するもので、東京都内に限らず東京電力管内に設置する案件も対象となっている点が特徴です。
※ただし申請者は都内に登記簿上の本店または支店を持つ法人に限られる
なお、自治体ごとの支援策は地域や年度によって内容が異なり、予算の規模も国の制度ほど潤沢なわけではありません。
公募期間が短かったり、先着順で締め切られたりすることも多いため、検討している地域の最新情報を早めに収集しましょう。
系統用蓄電池の導入費用を最小限に抑える方法
系統用蓄電池は数億円規模の投資を必要とするため、コストを削減する工夫が事業の収益性に直結します。
機器の価格交渉はもちろん、以下の3点を意識すれば、不必要な支出を大幅に削ることが可能です。
- 工事費負担金や造成費がかさみにくい土地を選定する
- 複数社への相見積もりで妥当性を比較する
- 「権利付き案件」で価格を抑える
初期投資を賢く抑え、長期的な事業の成功につなげましょう。
工事費負担金や造成費がかさみにくい土地を選定する
導入費用を抑えるうえで効果的な方法のひとつが、工事費負担金と造成費がかさみにくい土地を選ぶことです。
工事関連の費用は土地の条件次第で数千万円単位の差が生じるため、用地選定がコスト削減の鍵を握っています。
工事費負担金を抑えるには、電柱や鉄塔などの送電設備がすでに敷地の近くにある土地を選びましょう。
接続点までの距離が短いほど新たに建設する設備が少なくて済み、電力会社に支払う工事費負担金を低く抑えられます。
また造成費を抑えるには、大がかりな地盤改良や整地が不要な平坦地を選ぶことが有効です。
好条件の土地はすでに太陽光発電所として使われていることも多いですが、スペースや日射量の都合でまだ空いている場合があります。
複数社への相見積もりで妥当性を比較する
蓄電池メーカーや施工会社によって見積もり金額は大きく異なるため、最低でも3社から見積もりを取り、提示された金額が妥当か比較検討しましょう。
見積もりを比較する際は、総額だけを見るのではなく、システム費用・工事費・保証条件・メンテナンス体制をしっかりチェックすることが大切です。
システム費用が安くても工事費が割高だったり、保証期間が短かったりすれば、長期的な総コストではかえって高くつく場合があります。
「何が含まれていて、何が別途なのか」を項目ごとに揃えたうえで比較しなければ、正確な判断はできません。
また、施工会社を選ぶ際には、設計から施工、保守管理までを自社で一貫して行っているかという点に注目しましょう。
外部業者への委託による「中間マージン」がない事業者を選ぶことで、コストを抑えやすくなります。
「権利付き案件」で価格を抑える
系統用蓄電池の導入費用を抑える方法として、すでに系統接続の権利が確保されている「権利付き案件」を取得する選択肢があります。

系統用蓄電池を新規で導入する場合、用地の選定や電力会社による審査・工事を経て系統に接続するまでに、1年以上かかるのが一般的です。
接続までの期間が長引けば、その間に資源価格や為替が変動し、当初の見積もりから費用が膨らむリスクも生じます。
権利付き案件は、自社でゼロから開発した場合にかかる時間・人件費・リスクを削減でき、総コストを予想しやすい点が魅力です。
「タイナビ発電所」では権利付き案件を多数掲載しているので、公式サイトで案件情報をチェックしてみてください。
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系統用蓄電池を導入する前に知っておくべき注意点
系統用蓄電池は「導入すれば必ず利益が出る」というわけではなく、電力市場の価格変動や運用のノウハウによって収益が大きく左右されます。
事業として成立させるためには、導入前の段階で以下のポイントを押さえておくと安心です。
| 市場リスクを織り込んだ 収益計画を立てる |
蓄電池ビジネスの収益は、電力市場における電力価格の差を利用した取引に大きく左右されます。 市場の価格変動が小さい時期が続くと、想定していた利益を得られないリスクが生じます。 |
|---|---|
| 価格の安さだけで 選ばない |
初期費用が安くても、蓄電池の耐用年数が短かったり、海外製品でメンテナンスが難しかったりすると、長期的にはコストが膨らんでしまいます。 価格だけで判断するのではなく、初期費用+ランニングコスト+期待収益を含めたLCOS(均等化貯蔵コスト)で評価しましょう。 |
| 補助金のルールを 正しく理解する |
国や自治体の補助金は導入費用を大幅に圧縮できますが、交付決定前に着工すると補助金を受け取れません。 また、採択後には導入効果の報告義務が課される場合もあるため、公募要件や事後手続きまで含めて事前に確認しておきましょう。 |
系統用蓄電池は数億円規模の投資であり、20年間という長期にわたる事業です。
初期費用の安さだけに目を奪われず、市場リスク・ランニングコスト・保証条件・補助金のルールまで含めた総合的な視点で判断しましょう。
系統用蓄電池の価格や費用に関するよくある質問
系統用蓄電池の導入を検討する中で、価格や収益性に関する疑問を持つ方は少なくありません。
そこでここでは、系統用蓄電池の価格や費用に関してよく寄せられる3つの質問にお答えします。
- 系統用蓄電池は儲かる?
- 最低いくらあれば系統用蓄電池事業を始められる?
- 系統用蓄電池の投資回収は何年でできる?
いずれも事業計画を立てるうえで欠かせないポイントなので、導入を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
系統用蓄電池は儲かる?
系統用蓄電池は運用次第で十分に収益を見込める事業ですが、市場価格や運用能力によって収益が大きく左右される点は理解しておきましょう。
主な収益源は、以下の3つの電力市場です。
| 収益源 | 仕組み |
|---|---|
| 卸電力市場(JEPX) でのアービトラージ |
電力価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電して売買差益を得る |
| 容量市場 | 電力の供給力を確保する対価として、kWあたりの固定報酬を受け取る |
| 需給調整市場 | 電力の需給バランスを調整する「調整力」を提供し、その対価を得る |
たとえばJEPXでは、夜間に1kWhあたり10円で充電し、夕方に20円で放電すれば、1kWhあたり10円の粗利益が生まれます。
8MWhの蓄電池でこれを毎日繰り返した場合、年間の粗利益は約2,900万円になる計算です。
ただし、電力取引価格の差が縮小する時期が重なれば、当初の予測よりも収益が伸び悩む可能性もあります。
導入前に複数のシナリオで収益シミュレーションを行い、楽観的なケースだけでなく保守的なケースでも事業が成り立つかを確認しておきましょう。
最低いくらあれば系統用蓄電池事業を始められる?
実用的な系統用蓄電池事業を行うには、最低でも2,000kWh(2MWh)以上の容量が望ましいとされており、設備費と工事費だけで約1億3,600万円が目安となります。
この金額は、2024年度の平均的なシステム価格(5.4万円/kWh)と工事費(1.4万円/kWh)を合計した約6.8万円/kWhに、2,000kWhを掛けて算出したものです。
※参考:経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」
ただし、あくまで蓄電池システムと据付工事のみの費用であり、実際にはこれ以外にもさまざまなコストが加わります。
諸費用を合算すると、最低でも数億円から、規模によっては十数億円規模のまとまった予算が必要になると考えておきましょう。
系統用蓄電池の投資回収は何年でできる?
系統用蓄電池の投資回収期間は、導入時のコストや電力市場の価格変動、どのような運用戦略を立てるかによって大きく左右されます。
三菱総合研究所が行った収益性分析によると、シナリオ別のIRR(内部収益率)は以下のとおりです。
アップサイド(市場環境が良好):4.2%
ベース(標準的な市場環境):-0.7%
ダウンサイド(市場環境が悪化):-8.1%
※出典:経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」
注目すべきは、ベースシナリオでもIRRがマイナスであり、アップサイドシナリオでようやくプラスになる点です。
しかし、補助金を活用して建設費の実質負担を引き下げれば、IRRの大幅な向上が見込めます。
とはいえ、電力市場の将来予測は難しいため、収益が伸び悩む最悪のシナリオも想定して事前に検証を行うことが欠かせません。
予期せぬ損失に対する耐性が十分にあるか、あるいは資本計画に無理がないかまで含めて、多角的なシミュレーションを徹底しましょう。
系統用蓄電池は価格だけで判断せず、総コストと収益性を考慮しよう
系統用蓄電池は、再エネの普及を支える「次世代のインフラ」として注目されており、電力取引を通じた長期的な収益確保が期待できる設備です。
ただし、導入費用には蓄電池本体だけでなく工事費負担金などがあり、ランニングコストまで含めると総額は数億〜十数億円規模に達します。
系統用蓄電池は長期にわたる事業であるため、シミュレーションをしっかり行ったうえで判断することが、成功への第一歩です。
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新設のプロジェクトはもちろん、早期の収益化が期待できる中古物件や権利付き案件まで、投資目的に合わせた幅広い選択が可能です。
コストを抑えつつ、収益性の高い系統用蓄電池事業をスタートさせたい方は、タイナビ発電所をご活用ください。
本記事に記載の補助金制度・予算額・市場価格は2026年5月時点の情報です。最新情報は経済産業省・資源エネルギー庁・各自治体の公式サイトをご確認ください。
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