風力発電投資では、風力発電の売電価格がどのようになるかがポイントです。ここでは、現在の売電価格の55円は高いのか、それとも安いのか?今後の風力発電の売電価格はどうなるのか?売電価格の推移と予想、について見ていきましょう。
1.現在の売電価格の55円は高いのか、それとも安いのか?
現在の売電価格・風力発電の55円は高いのでしょうか?それとも安いのでしょうか?固定価格買取制度は、太陽光発電とこれ以外の風力発電などの自然エネルギーとのバランスのために、2017年度に改正が一部行われます。 この改正が行われると、現在の売電価格・風力発電の55円は、儲けを考慮すると買電より下がったものになり、太陽光発電の2016年度の33円からさらに下がってくることが予想されます。一概には言えませんが、太陽光発電などに比べると現在の売電価格の55円は高いと言えます。
2.今後の風力発電の売電価格はどうなるのか?売電価格の推移と予想
国の固定価格買取制度は、自然エネルギーの風力発電等の電気を電力会社に一定の期間、固定価格で売るものです。この制度は、2012年から始まりましたが、売電価格が高いため風力発電事業に発電事業者が多く進出しました。
また、一年ごとに売電価格は見直しされて、毎年下がってきています。そのため、発電事業者は売電価格が高い間に進出したい考えから、自然エネルギーの普及が活発になってきました。
では、売電価格の推移は実際にどのようになっているのでしょうか?ここでは、風力発電の売電価格をメインにご紹介しましょう。
売電価格・風力発電は、洋上風力発電以外の場合は、
20kW以上では、
2012年度から2016年度まで、売電価格が22円(税別)、売電期間が20年間、
20kW以下では、
2012年度から2016年度まで、売電価格が55円(税別)、売電期間が20年間になっています。
一方、2014年度から新しく設けられた洋上風力発電の場合は、
2014年度から2016年度まで、売電価格が36円(税別)、売電期間が20年間になっています。
風力発電以外の自然エネルギーの売電価格の推移
固定価格買取制度の場合には、自然エネルギーとしては、風力だけでなく、太陽光、水力、バイオマス、地熱等も対象になっています。売電価格はそれぞれ毎年見直しされていますが、だんだん下がってきている太陽光以外については変化がありません。
3.どのようにして売電価格は決定されるか?
売電価格・風力発電が将来的にどのようになるか予想するためには、固定価格買取制度の場合に、どのようにして売電価格は決定されるか把握することが必要です。
売電価格は、国の調達価格等算定委員会での結論をもとにして、国によって決定されます。売電価格が決定される考え方は、効率良く発電事業が運営されることを想定し、このための費用や適正な儲けを考慮されます。
太陽光発電の場合には、だんだん普及するにつれて設備価格が下がることが想定されるので、売電価格にこの下がる分も反映されます。なお、風力発電の場合などについても、売電価格はそれぞれの電源の性質によって決定されます。
また、風力発電の売電価格は、太陽光発電のケースのように、基本的には毎年見直しされることによって下がってくる傾向があります。そのため、風力発電の場合も、これまでは売電価格は下がっていませんが、将来的には下がることが想定されます。
また、売電価格・風力発電が下がる理由の一つとしては、不公平感を先に導入した人が持たないようにということがあります。もし、将来的に、設備価格はだんだん下がって、売電価格は従来と同じになれば、導入するのをほとんどの人はさらに価格が下がってからにしたいと思うでしょう。これでは、風力発電はいつまでも普及しません。
そのため、風力発電の売電価格は、設備価格を考えて決定されています。売電価格の推移と同時に固定価格買取制度の内容を確認しておくことは、風力発電投資でリスクを少なくするためには必要でしょう。
4.固定価格買取制度は2017年度に改正が一部行われる
固定価格買取制度は、急に多くなりすぎた太陽光発電とこれ以外の風力発電などの自然エネルギーとのバランスのために、2017年度に改正が一部行われます。2016年度までは、前の年度の設備価格やメンテナンス費等をベースにして、売電価格が毎年決定されました。そのため、マーケットの変化に細かく対応することができたので、利用する人にとっては非常にメリットがありました。
一方、2017年度からは、どの程度下げるかが数年ごとに決定されます。事前にどの程度下げるかを決定することによって、設備価格を安くしたり、発電効率のアップを図ったりする等の努力をメーカー等に促します。また、売電価格のための費用が増えているのを食い止めたいこともあります。
太陽光発電の場合には、2019年度を目途に、10kW未満の家庭用の場合は17円から18円、10kW以上の企業向けの場合には24円に下げ、現状の売電を重要視することから、自己消費を中心にしたいと国では考えています。
どうして2019年度に変更になるのか?
太陽光発電の余った電力を買取する現在の固定価格買取制度の施行が2009年であり、10年間の期間になっていました。そのため、2019年度は、この固定価格買取制度の期間が終わる年度にあたります。
固定価格買取制度の期間が終わった後は、もともと国と各電力会社等がお互いに話し合いをして売電価格を決定することにしていました。この制度の基本である再エネ賦課金が少なくなれば、電力会社が赤字になるため、売電価格はいい場合でも買電と同じくらい、儲けを考慮すると買電より下がったものになることは簡単に予想できます。
売電価格の方が買電価格より高い場合には、自宅で消費するより売電する方が儲けになります。しかし、売電価格が下がると、売電するより、自宅で消費する方が儲けになり、売電するよりもできるだけ蓄電池等を設置して売電を少なくし、自宅で消費するようになるでしょう。
この機会に、国としては固定期間が終わる家庭以外にも、太陽光発電を今から導入する家庭についても、売電よりも自宅で消費することを促進したい考えです。
5.ドイツの固定価格買取制度
風力発電の将来的な売電価格を予想するためには、先に固定価格買取制度を導入したドイツのケースを参考にするのがいいでしょう。ここでは、ドイツの固定価格買取制度の推移についてご紹介しましょう。
日本では自然エネルギーの固定価格買取制度が2012年に始まりましたが、ドイツでは日本より先に始まりました。そして、ドイツでは積極的に自然エネルギーが活用されてきました。しかし、ドイツでも、固定価格買取制度の問題があり、見直しが2014年に大幅に行われました。
固定価格買取制度ができた経緯
ドイツの自然エネルギー政策は、公共系統に自然エネルギーの電力を供給することについての法律が1991年にできたことが始まりになります。
この法律は、環境問題の地球温暖化等についての対応策の一つであり、ドイツでの環境政策のメインのものです。この法律で、自然エネルギーを買取することが最初に決定されました。
そして、売電価格のレベルも決定された結果、安定した儲けが発電事業者にとっては見込めるため、リスクも少なくなりました。その後、この法律は2回1998年までに改正されて、ドイツでの自然エネルギーの普及に貢献しました。
その後、この法律に変わって2001年に「再生可能エネルギー法」が施行され、自然エネルギーがさらに普及するようにはっきりと目標が決定されました。また、売電価格は従来は変わっていましたが、この新しい法律では固定価格買取制度になり、20年間固定されることになりました。
固定価格になったため、自然エネルギーによる発電事業がさらに安定することになり、売電価格の低減率も同時にはっきりと決定されました。その後、この法律は改正が何度も行われ、ドイツでの自然エネルギーがより一層普及しました。
日本における固定価格買取制度は、このようなドイツのケースを見ながら見直しされるでしょう。そのため、今後も自然エネルギーを活かすには、ドイツのケースを知っておくと良いでしょう。
6.太陽光発電の売電価格の予想
風力発電の売電価格を予想するために、同じ自然エネルギーの太陽光発電の売電価格が参考になります。そこで、太陽光発電の売電価格の予想についてご紹介しましょう。
10kW未満の家庭用の太陽光発電の売電価格は、
2009年度・2010年度は48円、
2011年度・2012年度は42円、
2013年度は38円、
2014年度は37円、
2015年度は35円、
2016年度は33円
になっています。
固定価格買取制度は、最初の自然エネルギーの太陽光発電を普及させるために非常に貢献しました。また、安い設備も外国から多く輸入されてきて、以前に比較すると日本のメーカーの設備価格も非常に下がっています。
10kW以上の太陽光発電の全量買取が2012年より始まったことなどもあり、太陽光発電の売電価格は非常に下がり、これからもさらに下がると予想されます。
7.まとめ
風力発電投資では、風力発電の売電価格がポイントです。そのため、ここでご紹介した現在の売電価格の55円は高いのか、それとも安いのか?今後の風力発電の売電価格はどうなるのか?売電価格の推移と予想、などを参考にしながら、風力発電投資について見極めていきましょう。
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