
太陽光発電を運用するとき、はじめに気になるのは初期費用や維持管理費用かもしれない。確かに設置費用を抑えることは大切だが、太陽光発電を選ぶ際は発電量に着目して選ぶというやり方もある。
太陽光発電の発電量を知る方法とは。発電システムの設置エリアにおける発電量は、計算で予測できる。
ここでは、太陽光発電の発電量を計算する方法を解説する。東京都で10kW太陽光発電の全量売電した場合について、収入の目安を計算してみよう。
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太陽光発電の年間発電量を計算する方法
太陽光発電の発電量は、以下の計算式で算出できる。ただし、太陽光発電を設置する環境によっても発電量は変わるので、あくまでも目安として参考にしたい。
Ep(年間予想発電量)= H(設置面の1日あたりの年平均日射量)× K(損失係数)× P(システム容量)× 365 ÷1(標準状態における日射強度)
H(設置面の1日あたりの年平均日射量)は、NEDOの「日射に関するデータベース」を参考にすることができる。
日射量は、緯度、天候によって変化するが、年間平均値である年間平均日射量を用いることで発電量を算出できる。
K(損失係数)は、パワーコンディショナーや昇圧ユニット、配線を介する際に発電した電気が損失されるため、係数をかけることで発電量を算出する。また、太陽光パネルの表面温度が上昇した場合でも損失する。
K(損失係数)は、太陽光パネルやパワーコンディショナーの各メーカーが作成する太陽光パネルのパンフレットで確認でき、一般的には0.75で計算される。
この計算式は複雑に見えるかもしれないが、システム容量を1kWとした場合の計算方法は分かりやすくなり以下のような式で表される。
東京の例で10kWあたり年間発電量を計算した

では、10kWあたりの年間発電量を、東京都の実際の日射量で算出してみよう。年間日射量は、NEDOのデータベースから調べられる。
東京都の場合、真南で傾斜30度の年間平均日射量は3.74kWh/m2である。得られる年間平均日射量は、ソーラーパネルの方角や傾斜角度によって変わることに注意が必要だろう。
東京都に10kWの太陽光発電を設置した場合の年間発電量は、以下の計算方法で算出できる。
年間発電量=3.74(年平均日射量)×0.75(損失係数)×10 (システム容量)× 365÷1=約1万238kWh/年間
なお、太陽光パネルの設置角度によって発電量は変わる。例えば、真南で傾斜30度に太陽光発電を設置するのと、90度方位を変えて傾斜角度を40度にするのでは、年間予想発電量は2割以上も違ってくる。
太陽光発電は、設置する環境によって得られる電力量が変化することが分かるだろう。
発電量の予想は難しい部分もあるため、シミュレーションソフトを使用したり施工店による試算結果を調べた数値にした方が、収支目標を達成しやすい。
もっと簡単な計算方法:1kWあたりの年間発電量を求める
太陽光発電は気候によって成績が変わる。エリアごとの発電量を計算するのに、最も簡単な計算式をご紹介しよう。
Ep(1kWあたりの年間予想発電量)=H(設置面の1日あたりの年平均日射量)×0.75(損失係数)
設置面の1日あたりの年平均日射量は、NEDOの「日射に関するデータベース」で入手する。損失係数はあらゆる機器の性能による影響が強いため、一般化した数値の0.75で計算しよう。
設置面の1日あたりの年平均日射量が3.74だとすると、1kWあたりの年間発電量は2.805kWhだ。
もちろん、この計算方法は分かりやすい代わりに、様々な要素を排除したものだ。太陽光発電の発電量に影響する条件とは、どのようなものかを紹介しよう。
発電量に影響する条件とは
太陽光発電において発電に影響する条件としては、ソーラーパネルの性能を示すモジュール変換効率や設置する地域、天候などがあげられる。
太陽光発電における発電量は、ソーラーパネルの出力と枚数、変換効率で決まる。ソーラーパネルに合わせて、パワーコンディショナーの出力と台数も増やさなければならない。ソーラーパネルの枚数だけ増やしても、パワーコンディショナーの出力以上の発電量は生まれないため注意が必要だ。
逆に、パワーコンディショナーの出力を大きくしても、ソーラーパネルの枚数が少なければ発電量は増えない。
太陽光発電の発電量が多くなるのは南で、傾斜角度は30度が理想とされる。設置する地域の日照時間の違いも影響するため、発電量には差が出る。さらに、その年の天候によっても発電量は左右されるだろう。
10kWの太陽光発電で全量売電した場合は何年で元が取れる?

それでは、具体的に10kWの太陽光発電で全量売電した場合をあげて、何年で元が取れるのかを解説していこう。長期運用する太陽光発電には欠かせない計算方法なので、理解しておくと選択する際の比較材料となる。
年間でどのくらいの収入になるのか
はじめに、太陽光発電で1年間に得られる収入を計算してみよう。1kWあたり1086kWhの太陽光発電の場合、10kWの年間売電量は以下の計算方法で求められる。
10kW×1年間に得られる電力量1086kWh/kW=年間1万864kWh
2018年現在、10kW以上の売電価格は18円/kWhであることを計算式に当てはめると、1万864kWh×18円=19万5552円の年間収入になる。
これで、太陽光発電で得られる1年間のおおよその収入を把握することができた。次は、この額をもとにして利回りを計算してみよう。
発電量と初期費用のバランスで利回りを計算
たとえば、太陽光発電で10kWの設置費用が200万円とすると、年間約20万円分の電力を売電すれば10年で設置費用の元がとれる計算になる。太陽光発電の耐用年数は20年以上なので、10年目以降は年間20万円の収入が得られることが期待される。
この場合、年間の利回りは以下のように計算される。
20万円(年間収入)÷ 200万円(設置費用)× 100 = (利回り)10%
ただし、太陽光発電を運用するには、メンテナンス費用や土地の税金、利用料なども売電収入から差し引かれることに注意しなければならない。
利回りを上げるためには、設置費用をできるだけ下げることも重要だろう。そのため、発電量と初期費用のバランスを考慮して利回りを計算する必要がある。
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