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風力発電の故障はある?自然災害(落雷・台風・地震・積雪・ひょう)は大丈夫?投資の場合の保障はある?
風力発電は、自然災害や故障はあるのでしょうか?風力発電投資の場合の落雷・台風・地震・積雪・ひょうに対して保障について解説します。
1.風力発電の故障・事故の状況
故障・事故の発生割合
平成16年度~平成19年度における風力発電の故障・事故が起きた件数はトータルで498 件で、故障・事故が起きた平均の割合は1基あたり年に約0.14回でした。この数値から、故障・事故によって1年間に風力発電の約14%が3日以上停っていることが言えます。
最も発生割合が大きかったのは、平成16年度で、1基あたり年に約0.21回でした。この年は、台風が10個という観測史上最も多く日本に上陸しました。一方、 最も発生割合が小さかったのは、平成18年で、1基あたり年に約0.11回でした。この年は、台風が日本に上陸したのは2個でした。このように、風力発電の故障・事故発生割合は、日本に台風が上陸する数と非常に関係しています。

故障・事故の発生原因
平成16年度~平成19年度において、故障・事故の発生原因別では、自然現象と原因不明等がほとんど同じで約35%、次に風力発電の中の部品等の故障が約27%、これ以外には系統故障と人的原因が合計で約4%でした。なお、風力発電の中の部品等の故障では、風向風速センサーが台風によって壊れ、この原因によってプロペラが壊れたなどの間接的なものが含まれているケースもあります。そのため、自然現象が原因の故障・事故は、広い意味では半分になると考えられます。
原因が分かったものを見てみると、約25%が自然現象の落雷、約13%が風力発電の設計不良、約11%が製造不良であり、この3つで約半分になります。
また、故障・事故の原因において、約20%が原因の分からないものであることと、約5%が台風の原因であることが特徴として挙げられます。故障・事故の原因が分からないのは、再発を防ぐ上においては問題になるため注意が必要です。
なお、これ以外の原因としては、ほとんどが摩耗等の経年劣化によるもので、この中の約6割が運転を始めてから5年以上経っているものです。
なお、自然災害・風力発電の地震・積雪・ひょうについても、プロペラ等の損傷のリスクが想定されますが、調べた限りでは目につくような故障・事故はありませんでした。
故障・事故の発生箇所
故障・事故の発生原因の中で多い落雷、原因が分からない、設計・製造不良、台風について、平成16年度~平成18年度のデータをベースに故障・事故の発生箇所を調べてみました。この結果、落雷の場合には、故障が多いのはプロペラと制御装置で、特にプロペラは全体の8割近くを占めています。
また、原因が分からないものは、いろいろな箇所で発生しており、特に発電機、ピッチ制御装置、制御装置、油圧装置、電気装置等の故障が割合多くなっています。設計不良が原因の故障は、台風が平成16年に上陸した際に風速がプロペラの設計基準以下で故障したケースです。
これ以外に、設計不良が原因の故障としては、ベアリング、発電機、主軸の故障も割合多くなっています。製造不良が原因の故障は、電気装置、制御装置、外装材等の故障が多く、台風が原因の故障で最も多いのは、プロペラの設計基準をオーバーした風速によって損壊した風向風速計のケースで、次に外装材の損壊が挙げられます。
平成16年度~平成18年度において、故障が最も多かった箇所は、66件の風向風速計で、次に58件の制御装置、52件のプロペラ、39件の電気装置、35件のピッチ制御装置でした。なお、風向風速計のほとんどは、台風が上陸した際に故障したものです。
このようなことを考慮すると、国内において風力発電の故障・事故の発生箇所で多いのは、制御装置、プロペラ、電気装置、ピッチ制御装置であると言えます。
故障・事故の発生回数と停止時間
故障・事故が1回発生した場合の平均の停止時間について見てみると、プロペラが約1,610時間、ベアリング、主軸が約1,620時間、ギアボックスが約1,470時間、発電機が約2,210時間、ヨーク装置が約2,400時間、センサー類が約1,520時間になっています。
一方、電気装置が約970時間、制御装置が約660時間になっており、多く発生していますが1 回発生した場合の平均の停止時間はプロペラ等に比較すると短くなっています。
このようなデータから、プロペラ等のように多く発生回数があり、しかも長い停止時間の箇所が最も稼働率の低下に影響します。一方、ヨーク制御、ベアリング、主軸、発電機、ギアボックス等のように発生回数が多くなくても長い停止時間の箇所も、稼働率が低下する要因になるため注意する必要があります。

2.風力発電の損害保険
風力発電投資をする場合の保障としては、風力発電に関係する包括補償制度があります。この制度の特徴は、企業総合保険であるため規模の大きさによるメリットがあるため割安の保険料である、風力発電のための保険であるため、補償が安定して長期間に確保される、いろいろなトラブルでの損害に対して補償されるため安定して経営できる、損金処理が保険料はできる、ことが挙げられます。
包括補償制度の内容
故障・事故につながる風力発電について、第三者の目で風力発電の事業リスクと点検診断を行うサービスを利用できます。不具合が見つかった場合には、改善することによって故障・事故が起きるのを防いで予防保全を行います。
故障を防いで停っている時間を短くすることによって、風力発電の事業を安定して運営することができます。損害保険のみでなく、風力発電の事業全体に対する制度です。
包括補償制度のメリットは、有償の点検診断サービスで早く不具合が見つかることで故障が防止できる、故障・風力発電の防止によって安定した保険料になる、故障の防止によってCSR面において風力発電事業をする企業にプラスになる、などが挙げられます。点検診断サービスの内容としては、過去3年間の運転状況、保守点検データ、落雷のチェック、主な部品の状況の診断です。
屋外にある風力発電は、自然環境が厳しく、また多くの部品があるため急に災害・風力発電によって故障が起きる恐れがあり、非常にリスクがあります。このようなリスクが実際に起きた場合には金銭面での補償があるだけでなく、リスクが起きるのを防ぐことも必要です。
包括補償制度は、このような要望に対応するため、風力発電の診断サービスと保険を組み合わせたものです。風力発電投資を検討する場合には、大きなリスクを防ぐためにも、ぜひこの包括補償制度を検討してみましょう。なお、この制度の詳しいことについては、風力発電に係る包括補償制度(http://jwpa.jp/catalog/)を確認してみましょう。
3.まとめ
風力発電投資の場合は、風力発電投資の場合の落雷・台風・地震・積雪・ひょうに対するリスクがあります。そのため、風力発電投資のリスクを保障するためにも、包括補償制度などの損害保険を検討しておきましょう。
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