
脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーへの投資が拡大する中、電気工事・土木などの建設・工事の需要は急激に高まっています。このような中小の施工会社は人材不足や事業継承といった課題を抱えている一方で、成長戦略を描く大手再エネアセット企業からの引き合いは大きなチャンスとなり得ます。
再エネアセットだけでも、投資用太陽光発電所以外にもFIP転モデルを活用した蓄電池導入・系統用蓄電池や需要家の施設に設置する自家消費型太陽光など多岐にわたり、その他省エネ対応・スマートインフラ構築といった新しいニーズも拡大していますので、建設施工会社に求められる範囲も増えています。
このような背景からも、プロマネ機能に優れた再エネアセットマネジメント企業からのM&Aは加速し、施工・開発・アセット保有を自社グループで取り込む企業が増えてきております。
では、建設・施工会社はM&Aにどう向き合うべきでしょうか?
本記事では、再生可能エネルギー分野で14年以上の実績を持つ「タイナビ」シリーズを展開する株式会社グッドフェローズが、 買い手が求める建設会社の特徴やM&A戦略をわかりやすく解説します。
インフラ維持と再エネ推進によって建設業界へのM&Aニーズが拡大

日本中には多くのインフラ設備が建設されていますが、今後、人口減少や地方の過疎化によって、老朽化したインフラ設備の維持が難しくなると懸念されています。一方、再エネ関連設備は電気を作り出す発電所であり、国が高い導入目標を掲げていることからも、今後も建設の需要は続くと考えられます。
また、日本全国には既に稼働中の太陽光発電所が約50万箇所あり、これらの維持・管理も同時に行う必要があります。
そして、FIT太陽光発電所は、蓄電池を設置してFIP制度への移行が進んでおり、多くの建設済みの発電所は形を変えて存続し続けることから、アセット保有・管理するような企業にとっては、日本全国の施工会社を買収するニーズがより高まると考えられています。
経産省は、日本国内のFIT電源の25%程度(現在は2%程度)をFIP化電源に早期に変更を計画しており、そのために蓄電池の活用を後押ししています。特に九州・四国・中国のエリアは太陽光発電所に対して電気需要が少ないことから、FIP制度への移行に伴う蓄電池設置ニーズが今後3年間で急速に拡大すると予測されており、この波は西日本エリアから起こる可能性が高いです。
買い手側の3つの狙いとは?

建設・施工会社の企業経営者は、買収側のニーズや狙いを事前に知っておく必要があります。
プロマネ主導型のM&A戦略
アセットマネジメントに強みを持つ企業が、自社単独での開発・施工体制の内製化に向け、施工・電気工事を担う実行部隊のような施工会社を求めています。施工会社の買収により、案件推進のスピードアップとプロジェクトの自社内完結力の向上を図る事が可能となります。
今までは開発マネジメントを主体としてきたものの、再エネ市場の競争が激化する中で、外注依存からの脱却が急務となっており、 M&Aを通じて即戦力となる施工会社をグループ傘下に置き、現場対応力と組織的実行力を確保する狙いです
M&Aによって強化される収益基盤とアセットポートフォリオ
再エネアセットを大量に補充したい企業(RE100等の大手・金融・不動産・電力)は、長期的な保有により安定的な収益を見込める事から、このようなアセットを管理・再開発できる企業をターゲットとしており、アセット保有と運営・開発ノウハウの融合により、収益性のさらなる向上が期待できます。これにより、強固なストック型ビジネスモデルの構築と、収益ポートフォリオのさらなる強化が期待されます。
時代に多様化する電気事業モデルに対応した組織力の再構築
太陽光はFIT制度開始されて以来、NONFIT(オンサイト・オフサイトPPAモデル)やFIP・系統用蓄電池に移行します。そして、その制度も毎年変わり続けており、その変化(制度変更・申請・許認可)に対応するためには、自社で開発許認可・地権者交渉・設計施工といった一連のプロセスを内製化することは不可欠です。
これは、脱FIT時代に求められる競争優位性となり、特に各地域との関係性や自治体ノウハウを持つ企業が高く評価されるでしょう。
売り手である建設・施工会社にとってはチャンスなのか?

買い手は、地域や自治体と連携した持続的なインフラサービスを構築する構想を持ち、M&Aによって得られる現場力とプロマネ機能を融合し、アセットマネジメントを核とした地域密着型のインフラビジネスを拡大していく考えも持っています。
再エネ関連の工事が可能な企業は多くの工事引き合いがあり、会社売却を検討していない企業が大半だと思いますが、今後の人材確保や後継者問題、業界の変化に対応ができない場合は売却も1つの出口と考えられます。大手の買い手には限りがある事から、マーケットのタイミングを逃すと買い手が見つからなくなる可能性もあるでしょう。
ただ、特定地域に密着した実績(施工・認可・自治体ネットワーク)を持ち電気・土木分野に施工ノウハウがある施工会社は大手からの一定のニーズがあり、高い評価を得られる可能性はありますので、売り手企業にとっても、絶好の機会といえるでしょう。
業界特化型M&A会社のメリットとは?

今後M&A(企業買収・売却)を検討している企業や、事業の出口戦略を模索している再生可能エネルギー関連の事業者は、どのようなM&A支援先を選ぶべきでしょうか。
現在、M&A業界には多数の仲介会社やアドバイザーが存在し、選択肢が多いために、どこに依頼すべきか迷ってしまうこともあるかと思います。
そうした中でおすすめなのが、「業界に特化したM&A会社」に相談することです。特に、再エネのように専門性が高く、市場が比較的狭い業界では、専門特化した支援会社の存在が大きな強みとなります。
業界特化型M&A会社に依頼する5つの具体的な利点
業界に特化したM&A会社に依頼することで、業界事情に即した企業価値の算出が可能となるだけでなく、M&A取引全体のスピードアップも期待できます。専門性の高い支援を受けることで、M&Aをスムーズに成功に導く可能性が高まります。
● 専門知識と豊富な経験
再エネ業界ならではの規制や事業モデルに精通しており、的確かつ現実的なアドバイスを受けることができます。
● 業界内ネットワークの強み
業界内の買い手・売り手との独自ネットワークを有しており、精度の高いマッチングが可能です。
● 案件価値の正確な評価
業界特有の収益構造やリスク、市場性を考慮したうえで、適切な企業価値評価(バリュエーション)を行うことができます。
● 高度な交渉力
これまでの多数の実績を背景に、買い手・売り手双方にとって有利となる条件での交渉を実現しやすくなります。
● 契約・法務の的確な支援
業界特有の法律や規制に対する深い理解があり、契約締結までのプロセスを円滑に支援します。
●業界特化型ならではのスピードと精度
再エネ業界に特化したM&A仲介会社は?
エネルギー業界でM&A(買収・売却)を検討中の方へ – タイナビM&Aの活用

再生可能エネルギーや電力分野でM&Aを検討している企業の方におすすめなのが、株式会社グッドフェローズが運営する「タイナビM&A」です。
グッドフェローズは、再エネ業界向けに「タイナビ」シリーズをはじめとしたWebプラットフォームを展開しており、太陽光・蓄電池・PPA・新電力・NONFIT・蓄電所・風力・バイオマスなど幅広い分野の関連企業とのネットワークを全国規模で築いており、なかでも、日本全国の太陽光発電事業者の約20%を自社の会員データベースとして保有しており、業界でも屈指の情報網を誇ります。
タイナビM&Aが選ばれる理由
- ● 再エネ業界最大級のネットワーク
メーカー・商社・大手EPC・電力会社など、1,000社以上のエネルギー関連企業とつながりを持っています。 - ● 実績豊富な専門チーム
10年以上の経験を持つM&Aのプロフェッショナルが、案件ごとに丁寧に対応します。 - ● 着手金・相談料は完全無料
成功報酬型の料金体系を採用しており、安心してご相談いただけます。 - ● 高精度なマッチングと成約率
エネルギー業界に精通しているため、企業価値を的確に評価でき、成約率は33%と高水準を誇ります。 - ● 契約・法務対応のサポート
業界特有の法規制に精通し、スムーズな契約締結をサポート。
★ 「タイナビM&A」では、専門知識を持ったスタッフが対応し、事業ポートフォリオの最適化や収益向上に向けたM&A戦略を全力でサポートします。