小型風力発電メーカーとシェアを解説の説明画像その1

一般企業だけでなく、個人でも投資することを模索することも珍しくない小型風力発電。発電容量10-20kWで1500万円-3000万円ほどの本体費用となり、これまで強かった巨大な風力発電のイメージとは大きく異なっています。

また、風力発電と聞くと大手のメーカーによって製造されるイメージも強いものですが、小型風力発電に関しては参入業者もかなり多くなってきています。大手企業の100%子会社のケースもあります。
小型風力メーカーと言えば、海外メーカーの値段が安く・世界的に発電実績が豊富です。
また、既に日本での発電実績も日本メーカーよりも海外メーカーのほうがあります。
特に投資家の間で人気な海外メーカーをいくつかご紹介しましょう。

シーアンドエフ(C&F アイルランド)

C&Fグループは自動車などの部品(設計・製造)を中心に世界の大手自動車メーカーに部品を供給しています。約10年前より風力発電の開発をスタートしており、EU諸国を中心に1000台以上の実績があります。その内の9割が小型風力発電です。

エネラ(Ennera スペイン)

エネラは本社がスペインで、スペインの鉄道メーカーであるCAF社のエネルギー部門から2007年に100%子会社として独立した会社です。親会社が時価総額1000億以上会社であり、財務体質が健全な風力メーカーになります。日本での設置実績も増えております。

エグザラス(xzeresアメリカ)

エグザラスは全世界に約10000件以上の設置実績を誇る大手の小型風力発電メーカーです。
日本支社もあり、アメリカの証券取引市場にて上場しています。主力製品xzeres442SRは2年以上前にNK認証を取得しており、日本での設置実績も豊富です。

日本は、国が風力発電をあまり推進してこなかったこともあって、先進国の中では普及がとても遅れていますが、海外メーカーばかりが独占していると思われている中で日本メーカーは、かなり多くの小型風力発電機器を製造しています。その中でも、今回は特に実績のある日本メーカーをご紹介しています。

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1.作動時における環境配慮を重視した小型風力発電メーカー

小型風力発電メーカーとシェアを解説の説明画像その2

最初にご紹介するのは、風力発電時の環境配慮をかなり重視している日本メーカーです。風力発電は騒音が出にくいと思われていますが、実際は風の振動などで不快な音などを感じることもかなりあります。

小型風力発電機器に関しても決して御多分に漏れず、設置する場所によって超音波のような極端に低い音を感じやすくなるのです。特に音に敏感な日本人は、ストレスを得やすくなります。
ここでは、日本でも特に騒音に配慮している小型風力発電機器メーカーを取り上げています。

ゼファー(Zephyre)

まずは、ゼファーと呼ばれる小型風力発電メーカーです。ゼファーは日本の小型風力発電機器に関して、まさにパイオニアの存在といっても過言ではありません。そして、現在の国内による売電事業が存在する前から、住宅用の小型風力発電機器を提供し続けてきたのがこのメーカーになります。

ゼファーの風力発電機器は一般住宅だけでなく、企業や公共機関向けにも多く販売実績があります。彼らの製品ラインアップは主に2つに分けられ、エアドルフィンとZephyr9000と呼ばれるタイプになります。

エアドルフィンは、500W程度の発電容量を持つ家庭用に適した小型風力発電機ですが、2mに満たないコンパクトさもあって多くの企業での導入実績があります。一方のZephyr9000は、約5kWと比較的発電容量が大きく、売電用の効率的な発電についてかなり適している機器です。

風況の良好な北海道や東北地方北部などへの供給実績も豊富で、現在でも名実ともに日本の小型風力発電機器のトップメーカーと言えるでしょう。

グローバルエナジー(Globalenergy)

次にご紹介するのが、グローバルエナジーと呼ばれるメーカーです。このメーカーにおける風力発電機器の最大の特徴が、発電効率性と周囲への環境的影響を同時に考慮できていることです。それが、彼らが自信をもって販売しているベルシオンと名の付いた風力発電機器になります。

このベルシオンには、さらに2つのタイプが存在し、プロペラ型と垂直型のとてもユニークな形をした風力発電機器を提供し続けています。通常の風力発電機器はセスナ飛行機のような形をしていますが、ベルシオンに使われるものは全く異なるのです。

プロペラ型は、換気扇で使うような回転翼を取り入れており、5枚の羽を使用しています。羽の枚数を増やす代わりに、回転翼の長さを極力短くしたことで騒音を抑えながらも発電効率を上げています。

また、垂直型のものは筒形で縦方向に回転翼が回るようになっていて、羽の数は両脇2枚と少ないのですが縦方向に長い面積を持ち、これも騒音を消しながら発電を進める仕組みを持っています。

中西金属工業

3つ目は、中西金属工業になります。この会社は金属加工を専門とする比較的大きな企業で、海外拠点を数多く有しています。金属ベアリングやコンベアシステム、住宅用のパーツや鋼材など金属に関しては、多岐に製品提供しています。

その中で彼らは、環境製品の開発と製造にも力を入れていて、小型風力発電機器に関してもいくつかのラインナップを持っております。彼らの小型風力発電機器は、先述のグローバルエナジーの垂直型風力発電機とほぼ同じ形状をしているのです。

ただ、彼らの製品はこれに太陽光パネルを付けて、電源を独自で賄うことができるハイブリッド型の小型風力発電機器も提供しています。遠隔監視機器などを設置する場合は、通常の電源だけでは万が一停電に陥った場合にはコントロールが効きませんので、独立型の電源方式はとても重宝します。

彼らの風力発電機器は、200Wから5kWまで目的に応じて選べるので幅広いユーザー層に支持されています。

2.風の強い地方の都市に本社を置く小型風力発電メーカー

小型風力発電メーカーとシェアを解説の説明画像その3

さて、ここからは地方都市でも、比較的風の強いエリアに本社を置く風力発電機器メーカーをご紹介しましょう。

日本における基本的に風力発電の盛んなエリアといえば、激しい北風を一気に受ける北海道や東北地方になります。しかし、日本は地形が複雑なので風の強いところは意外に多く存在しています。
ここでは、北海道や東北地方以外の場所に本社を持つ小型風力発電機器メーカーを見ていきます。

WINPRO

1つ目にご紹介するのが新潟県に本社を置く、WINPROと呼ばれる会社です。彼らは再生可能エネルギーに特化した製品メーカーで、小型風力発電機器だけでなく太陽光発電などの蓄電システムに関しても製品を提供しています。

新潟県は広く海に面しているエリアですので、風を使ったビジネスが非常に育ちやすい場所です。これにより、WINPROは再生可能エネルギーの中でも小型風力発電の機器の提供に力を入れています。
彼らの小型風力発電機器は大変商品バリエーションが多く、垂直型風力発電による電源確保用、売電専用、街路灯用の個人や企業そして自治体などのニーズにも対応できる商品力を持っているのです。

特に投資家からの評価が高い発電容量20kWのタイプは、高さが約40mという比較的大きな対応の小型風力発電機器になります。発電効率を25%維持できる能力の高さは、今後も新たな投資家に受け入れられることは間違いありません。

松村機械製作所

さて、2つ目にご紹介するのは冬の風が強い群馬県太田市に本社のある松村機械製作所と呼ばれる機械メーカーです。1999年に独自開発した小型風力発電機を販売開始しました。彼らのメインプロダクトはパイプ加工機器になりますが、その技術ノウハウを生かして安定感のあるセスナ型の風力発電機器の開発に成功しています。

松村機械製作所では、風力発電システムと呼ばれる製品の機器の提供を行っており、一般的に独立電源をセットにした風力発電を提案しています。この独立電源は、太陽光パネルを用いた典型的なものです。

ただ、他社が販売しているような中規模な小型風力発電機器ではなく、発電容量が130Wと低い家庭用タイプの販売に徹しています。それでも、この製品は2016年に入って2700台以上を売り上げていて、コストパフォーマンスの高さにとても定評があります。

MECARO

最後にご紹介するのは、MECAROと呼ばれる秋田県に本社を置く風力発電機器メーカーです。このメーカーは、スパイラルマグナスという独自技術を使って、風力発電機器を開発して提供しています。

この技術は、回転翼の円柱型の羽の部分がまず風を受けて回転し、その勢いで回転翼を回転させるという連動式の風力発電メカニズムを持っているのです。この構造により、風を受けながらも抵抗力が弱く、発電時に不快な音を出しにくい設計になっています。

この風力発電機器は中規模の小型風力発電機器になり、高さ11m程度で発電容量も12kWと売電収益を維持することに大変適した機器となります。秋田県の大学や高専と共同で開発したということで、ある意味秋田県民にとっては誇りとなる製品かもしれません。また、現在は新製品も開発中です。

3.小型風力発電メーカーの販売シェアはどうなっているの?

小型風力発電メーカーとシェアを解説の説明画像その4

ここまで、日本の小型風力発電メーカーについて紹介してきましたが、日本における各メーカーの販売状況は非常に気になるものです。現在、大型の風力発電は海外製の圧倒的なシェアが国内外でありますが、小型風力発電機器に関しては日本メーカーがかなり有利かもしれません。

ただ、20年前と比べて新規メーカーの数も増え、さらに既存のメーカーが新たに風力発電のような再生可能エネルギー分野に参入してきたこともあって、競争構造は大きく変化してきたのではないでしょうか?

2000年代前半まではゼファーによるシェア独占だった

2000年前半くらいまでは、小型風力発電のゼファーがシェアを8割占める状況が実際に存在していました。2011年の福島での原発事故もあって、再生可能エネルギーの必要性が一気に広まりを見せたのです。

そして、国内主導の売電事業が太陽光発電で先行し、その後風力発電事業に投資の対象が移ったことで、近年は一層競争激化の兆しを見せています。現在でもゼファーの小型風力発電機器は日本国内でトップシェアを誇りますが、年々シェアが減少してきているのは言うまでもありません。

また、近年はメーカーでなくとも販売元が海外ブランドを輸入取り扱いするケースが多くなっていますので、小型風力発電事業は家庭用タイプを中心に本格的な価格競争に突入していると言えるでしょう。

現在新規参入のその他メーカーもシェアを伸ばしてきている

さらに、現在は国内メーカーのうち、ゼファーに負けないほどシェアを伸ばしているところもあり、その中の1つに松村機械製作所があります。その他、中西金属工業も勢いが強く、他分野メーカーからの新規参入組の成長が目立ってきています。

ただ、シェアについては今後急速に入れ変わりが激しくなることが予想され、この要因の1つに海外メーカーの国内参入が激化することが挙げられるのです。

それでも、日本メーカーの場合は日本人によっての使いやすさを追求していることもあって、この部分を見失わなければ今後のシェア競争にも勝てる見込みがあるでしょう。

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