小型風力発電のクレーム検証!気になる騒音・低周波音などの運用リスク

風力発電は環境に対して優しいといわれていますが、騒音・低周波音に関するクレームが過去にありました。多数の問題があった背景から、風力発電の設置は自治体のガイドラインで厳しく定められています

この記事では、投資商材に適した小型の風力発電に重点を置き、騒音・低周波音など、小型風力発電にはどんな問題があるのか、対策などはされているのかを解説します。

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小型風力発電の騒音性は博物館内ほどです

風力発電を導入する上での懸念点として、騒音を気にする方は多いのではないでしょうか。事実、大型の風力発電なら風切音(風車のブレードが旋回する音)や稼働音がうるさく、問題になったこともあります。

その点、投資商材として一般的な小型の風力発電なら大型の風力発電よりも騒音性が低く、風が強いときでも43~59dB(デシベル)ほどといわれています。

※dB(デシベル)とは騒音性を表す単位であり、風力発電機の種類によって、騒音レベルは変動します。では43~59dBがどの程度の騒音なのか、以下のイメージ図を参考にしてみましょう。

静音性に優れている風力発電機(騒音レベル:43dB)なら、昼間の霊園のような騒音レベルです。静音性がそれほど良くない風力発電機(騒音レベル:59dB)なら、博物館内や銀行の窓口周辺ほどの騒音レベルです。

静音性に優れている機器ならばそれほど気にならず、良くなければ多少気になるかどうかというラインです。

ただ、この43~59dBという数値は、風力発電の中心から25m離れていると仮定した数値です。小型風力発電と住宅地との距離は、一般的に250~300m以上離すよう各自治体のガイドラインで定めているため、住宅地からではより一層騒音レベルが低下します。

●騒音発生源と騒音レベルの関係性

距離 減衰量
2m 6dB
4m 12dB
8m 18dB
16m 24dB
32m 30dB
50m 34dB

小型風力発電の騒音レベル一覧

小型風力発電と住宅地は十分に距離をとって設置していますが、それでも可能な限り静かな小型風力発電を導入したいという方も多いことでしょう。そこで、小型風力発電の騒音レベルが低い機種をピックアップしてみました。

登録者名称 型式番号 基準騒音レベル
ジャパンライフ株式会社 WINDSPOT3.5KW 43dB
TECO Electric & Machinery Co.Ltd. H3000 44dB
株式会社Looop LP-H3000 44dB
Ennera Energy and Mobility S.L. Windera S 49dB
TOZZI NORD s.r.l. TN 535 49dB
Solid Wind Power A/S SWP19.8-14TV20 49dB

風力発電の低周波音による健康影響は、実は科学的な根拠がありません

風力発電

一般的な騒音とは異なりますが、風力発電により発生する「低周波音」についても懸念する声が少なくありません。低周波音は、私たちの話し声や動物の鳴き声と同じ音の一種です。周波数が100Hz(ヘルツ)以下の音のため、人間の耳には音ではなく振動として感知されます。

※Hz(ヘルツ)とは、音の高さを表す単位です。値が低いほど、聞き取りづらくなるといわれています。

どういう音が低周波音かというと、ボイラーの稼働音、バス・トラック・列車のエンジン音、滝の水が滝つぼに落ちる音など。風力発電の場合は、稼働音とは別にモーターなどから発せられる振動が低周波音に当たります。

個人差が激しいですが、強い低周波音なら、寝不足や頭痛などさまざまな症状を引き起こします。ただ、私たちが生活している環境下で発生する程度の低周波音では、健康に害を及ぼすようなことはまずありません。

多くの低周波音の発生源は、対策が施されていることがほとんどだからです。そのため、健康を害するような大きな低周波音は、まれにしか発生しません。では、風力発電はどうなのかいうと、環境省から健康被害との関連性は確認されていません

以下は環境省のHPより同省の見解です。

A10 風力発電施設から発生する音には低周波音も含まれますが、他の環境騒音(交通騒音等)と比べて特に大きいわけではありません。風力発電施設から発生する音と健康影響の関係については、国内外で様々な研究が進められていますが、風力発電施設から発生する超低周波音・低周波音(※)と健康影響について、現段階において、明らかな関連を示す知見は確認できませんでした。

その他小型風力発電の問題・クレームを検証

風力発電には騒音・低周波音以外にも、問題・クレームを懸念する声があります。各種対策がされているのか、チェックしてみましょう。

台風・落雷など自然災害による破損

自然災害

小型風力発電は屋外に設置するわけですから、台風や落雷などの自然災害の影響を直に受けます。寿命が近く経年劣化が激しい場合、台風などの被害を受けて壊れた部品が風に運ばれ、民家などの建物に飛来する可能性もないわけではありません。

そういった突発的なリスクに備えるなら、損害保険への加入が一番です。

小型風力発電で加入できる損害保険一覧

保険の種類 保険の内容
小型風力発電設備に対する
財物保険(火災保険・動産保険)
火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹災、雪災、水災、電気的・機械的事故、
その他不測かつ突発的事故を補償(保険会社により適用範囲が変動)
施設賠償責任保険 他人に怪我を負わせてしまったり、他人の物を壊してしまった時に負担する賠償金を補償
休業補償 財物保険の対象事故により発電停止など、収益が減少した際に、喪失した収益を補填

損害保険はメーカーや販売店が標準でつけていることもあれば、オプション費用を支払って加入することもあります。しかし、3種全ての保険が標準で備わっていることはまれです。用意されていない保険がある場合は、自分で保険会社を探し、加入する必要があります。

小型風力発電の保険を考えているあなたへ!種類と内容を徹底解説

景色の破壊

風力発電景色

小型とはいえ、小型風力発電でも地上から羽の最上部まで20~30mの高さです。そのため、景観を損ねるのではという悪いイメージもあります。しかし、こちらに関しては周囲の景観を損ねないよう、各自治体ごとにガイドラインで厳しく定められています

例えば青森県横浜町では、以下のようになっています。

  • 風力発電設備が周囲の景観と調和がとれるデザインや配色にするように努める
  • 建設などの影響から文化財を保護するよう努める
  • 景観に与える影響がじん大な場合は、必要な措置を講じるものとする
  • 設置を検討した段階で、住民や公共機関、関連団体に事業説明を行う

ただ、小型風力発電に関するガイドラインは、自治体ごとで異なります。どうしても自分が運用する小型風力発電が景色を破壊していないか心配な方は、対応する自治体のHPに記載されているガイドラインを確認、もしくは実際に現地を訪れてみましょう。

風力発電の各問題・クレームの検証結果・対策まとめ

風力発電

先述したように、風力発電で想定される各種問題は、クレームやトラブルが発生しないよう、各自治体のガイドラインで厳しく定められていますので、未然に防ぐことが不可能ではありません。小型風力発電の運用が不安という方は、対応している自治体のガイドラインを一読してみてください。

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