地熱発電投資

地熱発電は他の再生可能エネルギーに比べ初期費用が高く、熱効率も悪いため、投資の元を取るには最低でもおおむね20年以上の年月がかかると言われています。

今回は、地熱発電の導入費用や利回り、そして地熱発電の基本知識についても見ていきましょう。

地熱発電投資の収益性

地熱発電

地熱発電は、1966年に初めて日本に発電所が建てられたため、それほど長い歴史を持つ訳ではありません。

それだけに、どれほどの投資効果が見込めるのか疑問点をお持ちの方もではないでしょうか?ここでは、地熱発電の基本的な収益性をチェックしていきます。

何年ほどの運用で元が取れるか

元が取れる

発電事業では、国により定められた固定価格買取制度というものがあります。この制度により、地熱発電の買取期間は発電量に関わらず15年間と定められています。

太陽光や風力発電であれば最長20年の買取期間があるため、それに比べると地熱発電の場合は期間が短いですね。

地熱発電の発電時における熱効率は極めて低く、地中からの熱の8割ほどは発電のために活用できず空気中に逃げてしまいます。そのため、投資の元を取るには最低でもおおむね20年以上の年月が掛かると言われています。

地熱発電の初期費用はどのくらいかかる?

初期費用

地熱発電に掛かる初期費用は、一般的に発電設備導入の建設費だけでも80万円/kWから120万円/kW以上の費用が必要になるでしょう。

発電量1.5万kW未満ギリギリを想定した設備になると単価が高く、最大で180億円ほどの初期費用がかかるケースもあります。発電量1.5万kW以上になると比較的安い設備費用単価になりますが、それでもおよそ120億円の初期費用がかかるでしょう。

さらに、事前の調査費用やボーリング費用なども相当額を計上しなければならず、建設期間も複数年以上の長期になることも少なくないので、稼働までかなりの時間がかかる可能性があることも考慮しなければなりません。

地熱発電の長期的な利回り

利回り

地熱発電の長期的利回りは、一般的に12〜14%と言われています。太陽光発電の場合6〜7%程度とされていますので、かなり高い利回りです。

しかし、この利回りが維持できるかは、15年間という短い買取保証期間でコストを抑えられるかどうかにかかっています。事前の掘削工事時などに、国の補助金を徹底利用するなどして、初期費用を何としても抑えなければなりません。

地熱発電は日本に適した発電方法、でも実績は少ない

地熱発電

ここでは、地熱発電の日本国内の運用実績や実態などについて説明します。

火山国である日本は地熱発電にとても有利!

実は、日本は地熱発電の運用に大変有利な国であるとされています。日本が火山国であることも大きな要因です。世界的に見てもベスト3に入るほど地熱発電に適していると言えます。

地熱は地中から上がってくる自然の熱であり、日本はそのパワーを良くも悪くもダイレクトに受けることができる国なのです。

日本での温泉地の多さから見ても、日本全国のあらゆるエリアに地熱発電設備を建設することが可能な環境にあります。

https://www.tainavi-pp.com/investment/solar/83/

日本での地熱発電の地位と運用実態

運用実態

日本には地熱発電の運用条件が整っていることが分かりましたが、地熱発電の運用実態はどうなのでしょうか?

現在、日本全国には約20か所の地熱発電施設が存在しています。良好な設置環境を揃えていながらも、設置実績は非常に少ないのです。

その大きな要因として、先にも述べたように初期投資額の高さにあります。大手電力会社でも地熱発電所を持っていない会社もある程です。

現在稼働している20か所のうち、約半数弱は電力会社ではなく温泉地の事業体により運営されています。電力会社運営の発電所と比べると発電量は桁違いに小さいですが、電力を長期にわたって安定的に賄う、とても重要な存在となっています。

https://www.tainavi-pp.com/investment/solar/105/

地熱発電の長期的な運用におけるメリットとデメリット

地熱発電

ここでは、地熱発電を運用する上でのメリットとデメリットをチェックしていきましょう。

メリット:熱エネルギーが半永久的に供給される

地熱発電が持つ最大のメリットは、地熱が存在する限りは半永久的に発電が継続されることです。

他の再生可能エネルギーが24時間は稼働できないのとは対照的に、地熱発電の場合は24時間連続で発電することが可能です。継続性の高い風力発電よりもさらに長く発電出来るのです。

https://www.tainavi-pp.com/investment/wind/35/

デメリット:初期投資額が高く出力が弱い

初期投資額が高い

地熱発電は初期投資額がとてつもなく高く、発電出力や熱効率も弱いので、短期間で十分な発電量や投資効果期待することはできません。

発電への投資を考えている方も、少しでも安い投資額で比較的高い発電量が望める他の再生可能エネルギーを選ぶケースが多いですね。

投資額が大きすぎて、個人投資家では投資が難しく、企業体でも潤沢な資金がなければ導入が難しい点は、大きなデメリットです。

このように、地熱発電は日本の風土に適しており、安定した発電が可能であるにも関わらず、導入費用の高さなどからなかなか普及が進まない現状があります。

地熱発電への投資を考えている場合は、地熱発電のメリットだけでなく費用についてもよく考慮して決めるようにしましょう。

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